2026年01月01日

2026年1月 元旦 2025年日本映画ベストテン

新年明けましておめでとうございます。本年もミッキーのブログをどうかよろしくお願い申し上げます。

2025年は437本の映画(映画館、映画祭、試写室)を見ました。Netflixは数には入れていませんがベストテンは書いています。

では、日本映画のベストテン(1位から3位あり、あとは順位なし)


1位『8番出口』川村元気監督、脚本/95分/作品賞❗️主演男優賞❗️

無機質な蛍光灯の光に照らされた地下通路を、一人のサラリーマン風の男が静かに歩いていくが、いつまで経っても出口にたどり着くことができない。

何度もすれ違うスーツ姿の男に違和感を覚え、自分が同じ通路を繰り返し歩いていることに気づく。

そして男は、壁に掲示された奇妙な「ご案内」を見つける。「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から、外に出ること」……

男は迷い込んだ無限回廊のような地下通路から抜け出そうと、8番出口を求めて「異変」を見つけようと必死になる。

二宮のファンか、ゲームのファンかわからないが、ミッキーの周りでは、公開前からこの映画のことの話題がよく出た。こんなことは稀だ。

東宝は『国宝』(第98回「米国アカデミー賞国際長編映画賞」に選出された)で大当たりしたが『8番出口』もかなりいいところまで行きそう❗️

出口に辿りつけるのか?と心配になるが、見た後は暖かい気持ちになった。

★ラヴェル作曲のボレロが印象的に使われていた。


2位『金子差入店』古川豪監督、脚本/125分/根岸季衣さんに助演女優賞

金子真司(丸山隆平)は刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する「差入屋」を妻(真木よう子)や叔父(寺尾聰)と営んでいる。ある日、息子の同級生で仲の良い女の子が殺害されるという凄惨な事件が発生する。

一家がショックを受ける中、犯人の母親(根岸季衣)が「差し入れをしたい」と店を訪れる。

差入屋としての仕事をしながらも、金子は疑問と怒りが日に日に募っていく。

そんなある日、金子は一人の女子高生と出会う。彼女は毎日のように拘置所を訪れ、なぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。

調べてみたら拘置所や刑務所近くに必ずある「差し入れ屋」 今ではネット注文ができ、とても便利になっているようだ。でも利用者は自ずと限られた人たち。

その店をいとなむ一家の喜怒哀楽が丁寧に描かれていた。叔父役の寺尾聰がちょうど良い立位置で演じていたり、殺人をした息子にためにあれこれと差し入れする母親の根岸季衣の表裏一体の演技を見せてくれたりとベテラン俳優の力量がいっぱい詰まった作品だった。


3位『国宝』李相日監督/175分/監督賞、田中泯さんに助演男優賞

任侠の家に生まれた喜久雄(吉沢亮)は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独になってしまう。

喜久雄の天性の才能を見抜いていた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)は彼を引き取り、半二郎の妻・幸子(寺島しのぶ)に生活の面倒を見てもらう。

思いがけず歌舞伎の世界へ入った喜久雄は、半二郎の跡取り息子・俊介(横浜流星)と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして、お互いに高めあいながら育っていく。

そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく変化していく。

原作は吉田修一の同名長編小説。とにかくこの作品を見なけれな「日本映画ベストテン」は書けないと思っている。

若いお二人もよくやった❗️特に人間国宝・万菊を演じた田中泯さんは、日本アカデミー賞の助演男優賞以上のレベル❗️

三度の食事を二度にしても劇場に足を運んでほしい。


🎬『この夏の星を見る』山元環監督/126分/脚本賞

2020年。新型コロナウイルスの感染拡大により登校や部活動が制限されるなか、茨城県立砂浦高校の天文部に所属する2年生・溪本亜紗(桜田ひより)の提案で、リモート会議を活用し、各地で同時に天体観測をする競技「オンラインスターキャッチコンテスト」が実施されることになる。

長崎の五島列島や東京都心の生徒たちも参加してスタートしたこの活動はやがて全国へと拡がり、ある奇跡を起こす。

原作は辻村深月の同名小説。コロナ禍で複雑な思いを抱える中高生たちの青春を、東京都渋谷区、茨城県土浦市、長崎県五島市を舞台に描い

高校生青春ものだけど天体観測の興味のある大人にも満足していただける作品。

夜空に夢を追い、地上では現実のコロナ禍の様子がバランス良く描かれていた。

脚本(森野マッシュ)が良くてリズム感もあった。


🎬『35年目のラブレター』塚本連平監督、脚本/119分

戦時中に生まれて十分な教育をうけることができず、文字の読み書きができない65歳の西畑保と、いつも彼のそばにいる最愛の妻・皎子(きょうこ)。

貧しい家に生まれ、ほとんど学校に通えないまま大人になった保は、生きづらい日々を過ごしてきた。

やがて皎子と出会い結婚するが、その幸せを手放したくないばかりに、読み書きできないことを彼女に打ち明けられずにいた。

半年後、ついに事実が露見し別れを覚悟する保だったが、皎子は彼の手をとり「今日から私があなたの手になる」と告げる。

どんな時も寄り添い支えてくれた皎子に感謝の手紙を書きたいと思った保は寿司職人を退職を機に夜間中学に通いはじめて……。

2003年に朝日新聞で紹介され、創作落語にもなるなど話題を集めた実話を映画化。

監督、脚本は『今日も嫌がらせ弁当』の塚本連平。主演は落語家でタレントでもある笑福亭鶴瓶 。『ディア・ドクター』(2009)『おとうと』(2010)など俳優としても評価は高い。妻には『時をかける少女』(1983)以来ずっと変わらず透明感のある清廉な美しさを保っている原田 知世 。2人の若き日を重岡 大毅、上白石 萌音が演じている。

識字率が世界的に高いと言われている日本で、文字の読み書きができない人がいるとは、今まで考えたことすらなかった。

この作品は西畑家の家族の歴史と夜間中学の様子など丁寧に描かれていて「思いやり」の大切さや「学ぶ」喜びに溢れている。


🎬『でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男』三池崇史監督/129分

2003年。小学校教諭の薮下誠一(綾野剛)は、児童・氷室拓翔への体罰を保護者の氷室律子(柴咲コウ)から告発される。

その内容は、教師によるいじめとも言えるほど、聞くに堪えないものだった。

それを嗅ぎつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)は実名報道にしたことで世間を震撼させる。

マスコミの標的となった薮下は、誹謗中傷や裏切り、さらには停職と、絶望の底へ突き落とされていく。

世間でも律子を擁護する声は多く、550人もの大弁護団が結成され、前代未聞の民事訴訟に発展。

誰もが律子の勝利を確信するが、法廷に立った薮下は「すべて事実無根のでっちあげ」だと完全否認する。


これ、随分昔に新調45(廃刊)に、「福岡『殺人教師』事件の真相」という記事が載っていて半信半疑で読んだ覚えがあった。だから試写に2回も行って(他の方も2回きていた)事件の真相を知った。

モンスターペアレンツという言葉はこの事件をきっかけでできたんだろうか?

子どもの言う事を鵜呑みにしているお母さんは多いと思うけど……なかなかここまでは大きくしない。

ホラーではないが背筋がゾワっとする怖さが潜んでいた。


🎬『私の見た世界』石田えり監督、脚本、編集、主演/69分/主演女優賞

36歳の女(石田えり)は、4人の子を持母親だった。だが若い頃に受けた心の傷があった。

やがて殺人を犯した彼女は、時効まであと数日という直前まで逃げ切った。

その逃亡中、顔の整形手術を繰り返しながら逃亡生活を続けるが、指名手配書が全国に貼られ、逃げれば逃げるほど警察と世間の包囲網はせばまっていく……。

日本犯罪史に残る大事件として知られる松山ホステス殺人事件の犯人・福田和子が拘置所内で自らの激動の半生をつづった手記「涙の谷」を映画化。

ウィキペディアで調べてみてわかったことだが、若い時に盗みで刑務所に入っていた時に「性暴力」にあり、訴えたが無視された経緯があったらしく、このトラウマが逃亡生活を続けた遠因ではと書いてあった。

女1人で生きていくだけでも大変なのに、いろんなダークな仕事をして逃亡するなんて普通ではできない。

あと味は悪くない作品だったが、映画を見終わってもなかなか日常生活に戻ることができなかった。


🎬『木の上の軍隊』平一紘監督、脚本/128分

太平洋戦争末期、戦況が悪化した1945年。飛行場の占領を狙い、沖縄・伊江島に米軍が侵攻。激しい攻防戦の末に、島は壊滅的な状況に陥っていた。

宮崎から派兵された少尉・山下一雄(堤 真一)と島出身の新兵・安慶名セイジュン(山田裕貴)は、敵の銃撃に追い詰められ、大きなガジュマルの木の上に身を隠す。

仲間の死体は増え続け、圧倒的な戦力の差を目の当たりにした山下は、援軍が来るまで、その場で待機することにした。

戦闘経験が豊富で国家を背負う厳格な上官・山下と、島から出たことがなくどこか呑気な新兵・安慶名は、話が嚙み合わないながらも、二人だけでじっと恐怖と飢えに耐え忍んでいた。

やがて戦争は日本の敗戦をもって終わるが、そのことを知らない二人の戦いは続いていく。樹上生活の中で、二人は必死に戦い続けた。


舞台になった伊江島を調べてみた。

この小さな島で繰り広げられた戦争の歴史を目の当たりにした。

戦後が終わったことも知らずジャングルで生き続けてきた横井さんや小野田さんは有名だが、戦地でそのまま現地人として暮らしていた方や今作の映画のような話は、たくさんあったのだろう。

島の若者を演じた山田裕貴の痩せ細って飢えに苦しむ姿、上官の堤真一の一徹ぶりが印象に残った。

この映画を若い人たちに見て欲しいなと心から願う。


🎬『海辺へ行く道』横浜聡子監督、脚本/140分/女性監督官

美術部員で14歳の奏介(原田琥之佑)は、アーティスト移住支援に力を入れる海辺の町で暮らしている。

奏介と彼の友人たちは、演劇部から依頼を受けた絵を描いたり、新聞部の取材を手伝ったりと、夏休み中にもかかわらず多忙な日々を送っていた。

そんな中、不審なアーティストが徘徊しているという情報が広がり、さらに奇妙な依頼が奏介たちに舞い込んできた。

『ジャーマン+雨』からの横浜聡子ファン。強烈な個性を持った監督で女性監督の中でもその存在は際立っていると思う。

今作は三好銀の傑作漫画の映画化だが、監督さんのイメージを付け足して作られている。どこが原作どおりかどこが付け足しの部分かは皆目わからないが、盆踊りを音無し手拍子のみの「しずか踊り」や、イケメン詐欺師セールスマン(高良健吾/不思議と適役だった)に町の女が騙されたりする場面が印象に残った。

🎬『囁きの河』大木一史監督、脚本/108分/音楽賞

熊本豪雨から3か月目のある日、母の訃報を聞いた今西孝之(中原丈雄)は、22年ぶりに故郷の町に帰ってきた。。多くの家屋が流されて、川の地形まで変わっていた。

孝之は、故郷を離れて以来会う事のなかった息子の文則(渡辺裕太)と再会する。だが、文則はかつて幼い自分を見捨てた父に心を開こうとはしなかった。

文則は、球磨川下りの船頭になるために一人で試行錯誤していた。だが、水害後航行不能となった球磨川下りの再開の目処はたっていなかった。

孝之たちの家の対岸に、旅館「人吉三日月荘」が建っていて、旅館の主、山科宏一(三浦浩一)は、孝之の幼馴染であり、妻の雪子(清水美砂)は、孝之のかつての恋人であるった。

なんとか旅館を再生しようとする雪子と、旅館を畳んでしまいたいと思う宏一との間に、心の溝が生まれる。

孝之は、荒れ果てた田畑を、耕すことで生きがいを感じるようになったが……。

球磨川流域は水害の絶えない土地で村人たちは幾度も災害を乗り越えてきた歴史がある。しかし根こそぎやられたのは2020年7月の熊本豪雨災害。

そこで生活している家族の「変化していく」姿が静かに描かれていた。

不安を煽るような現代音楽と、呟くように歌う ♪五木の子守唄や埴生の宿が印象的だった。








posted by ミッキー at 18:00| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月09日

2024年 アニメ映画ベストテン(1位から3位あり、その他は順位なし)

1位『リンダはチキンがたべたい!』キアラ・マルタ、セバスチャン・ローデンバック監督、原案、脚本

フランスのとある郊外の古い公営団地に暮らす8歳の女の子リンダと母ポレット。

ある日、母の大切な指輪の件で、勘違いされてひどくで叱られてしまったリンダ。

だがそれは間違いで心から謝る母に「死んでしまったお父さんの得意料理「パプリカ・チキン」を食べたいとお願いするが、その日はストライキで、町ではどの店も休業していた。

チキンを求めてあっちこっち奔走する母は、最後の手段で養鶏場からニワトリを盗み出して…….。

だが、ニワトリ一羽のために、警察官、運転手、団地の住民たち、友だちを巻き込んでの、大騒動になってしまう。

観たのは吹き替え版。安藤サクラ、リリー・フランキーらの不満はなかったが、やっぱり字幕版にすべきだった。画像とフランス語、歌う部分の曲の作りがフランス的なのだったので、残念。

でもこの回はミッキー1人っきりで貸し切り。

セリフはユーモアたっぷりだが、ユーモアの中にも「毒」があって、これもフランス的かな?と思った。

アヌシー国際アニメーション映画祭2023の長編アニメーション部門で最高賞にあたるクリスタル賞に輝いたアニメ映画。

★監督賞


2位『イヌとイタリア人、お断り! 』アラン・ウゲット監督/フランス・イタリア・ベルギー・スイス・ポルトガル

20世紀の初め、ウゲット一家はイタリア北部のウゲッテーラに住んでいたが、この地の生活では将来が見通せないと思い、一家は外国で生活を立て直すことを決めた。

言い伝えによれば、ルイジ・ウゲット(監督の祖父)はアルプスの山々を超えてフランスで新しい生活を始め、一家の運命を変えた。そんなルイジの人生を孫である監督が振り返る。

監督は祖父と父から工作の技術を伝授されたこともあって、一家の物語を映画制作に取り入れている。今作では祖父の物語を通してイタリア移民の歴史を織り込んで描いている。

色合いも音楽も大仰な描写はないが、当時のフランスで受けた差別や生活の貧しさが克明に描かれていた。監督さんがお小さい時には、そこら中のお店に「イヌとイタリア人お断り」の張り紙があったらしく、意味を聞くと「ここの犬はイタリア人が好きで噛み付くからだよ」と教えてくれたと語ってくれた。

どんな苦労も乗り越えられたのは「家族の団結と愛情」の賜物だ。この作品が公開されることを強く願う。

★作品賞


3位『ラーメン赤猫』清水久敏監督

猫だけで経営する「ラーメン赤猫」にアルバイトの面接を受けようとで訪れた若い女性・珠子(声:折原くるみ)は、店長文蔵(声:津田健次郎)の質問に「猫よりも本当は犬が好きで……」と答えた正直さが気に入られて、即、採用された。

しかし、そんな彼女が与えられた仕事は「猫たちの毛繕いのお世話係」だった。

猫が経営するラーメン屋なんて、どんなのだろう。アニメにしかできない。雇われた人間の女の子は、猫たちの毛繕いをする仕事。

一匹一匹彼女のいる部屋に「今、いいですかー」といって入って来て「うーーん、気持ちいい、疲れが取れるー」と言って大満足している。みんなラーメンに毛が入らないようにすごく気を張って仕事している様子。

「今まで、どうしていたのですか」と彼女が聞くと、「今までは仲間同士でやってたけど、相手もきっと疲れているだろうとかタイミングが合わなかったりして、けっこう気を使っていたんだよ」と話している。

なるほど、猫には猫なりの事情があって納得。声の出演も文句なし!

★原作は、集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」連載の人気漫画のテレビアニメ。「ラーメン赤猫」で働くことになった唯一の人間の珠子が、店員の猫たちと過ごす毎日を描いている。

★脚本賞

🎬『化け猫あんずちゃん』久野遥子、山下敦弘監督/日本、フランス

ある大雨の日、寺の住職が段ボール箱の中で鳴いている子猫を見つける。その猫を「あんず」と名付けて育てるが、不思議なことに20年が過ぎても30年経っも死なず、今では人間の言葉を話して人間のように暮らす「化け猫」となっていた。

現在37歳のあんずちゃんは、原付バイクに乗って移動し、マッサージ師のアルバイトをしている。ある日、親子ゲンカしたまま行方がわからなくなっていた住職の息子が、11歳の娘かりんを連れて寺に帰ってくる。

息子は金の無心ができないとわかると、かりんを残して出て行ってしまった。そこでかりんの世話を頼まれたあんずちゃんは、仕方なく面倒を見ることに……。


ユニークなアニメ❗️ちょっと硬くなった肉球でグイグイっとマッサージをお願いしたくなった。ご家族で楽しめること間違いなし❗️“

原作はいましろたかしの同名コミックを日仏合作で映画化し、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門に出品された長編アニメーション。

森山未來が主人公あんずちゃんの声と「動き」を演じていて、山下監督を中心とする実写班が撮影した映像と音声をもとに、久野監督を中心とするスタッフが動きや表情をアニメーション化する「ロトスコープ」の方法を用いている。

★ 森山未來に声優賞


🎬『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』瀬藤健嗣監督

おしりたんてい事務所に、かつての相棒スイセン(声:仲里依紗)からのメッセージが届く。スイセンが勤めるハッタンタウンのメットー美術館をはじめ、各地の美術館で多数の絵画が贋作にすり替えられる事件が発生しており、スイセンの師であるキンモク先生(声:津田健次郎)が、事件を起こしている秘密結社に贋作づくりを強要されているという。

スイセンの依頼は秘密結社の陰謀を暴き、キンモク先生を救いたいというものだったが、スイセンの様子はおしりたんてい(三瓶由布子)が知るかつての彼女とは違和感をおぼえて、敵か味方かわからない部分があった。

それでも依頼を受けたおしりたんていは、秘密結社との戦いの中で深手を負ってしまう。

随分前におしり探偵の試写『映画 おしりたんてい シリアーティ』があったが題名がおしりなので観に行かなかった。今回はいつも行くマッサージの映画好きな人が面白いというので、今回は行ってみた。

始まりは子ども向けだったらしいが今作は小学生では理解できるか?と思ったが、始めて観たミッキーも楽しめた内容で、けっこう大人向きな作りだった。

キャラクター、色づかいが独特でキャラクターと声の「合わなさ」が「癖」になる不思議なアニメで、意外なオチもあって楽しませてくれた。

★キャラクター賞


🎬『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』マーティン・ローゼン監督、製作、脚本/イギリス

英国ハンプシャー州に、サンドルフォード繁殖地というウサギたちの巣穴があった。

ある日、ウサギの中で予知能力をもったファイバーが「もうすぐ怖いことが起こる」と不安げに告げる。ファイバーの兄ヘイズルは、ウサギたちの長に避難を提案したが聞いてもらえなかった。

そこでヘイズルたちは、何羽かのウサギたちとともにその地を脱出する。しかし、そんな彼らの前に、予想もしなかった世界が待ち受けていた。

出てくるのはほとんどがうさぎで次に鳥、後はイヌ、ネコ、ネズミが少し出てくる。

でも描かれていることは「人間の世界」に酷似していた。40年前の作品だが平和を訴える力のあるアニメだった。

★1973年にカーネギー賞とガーディアン賞を受賞したイギリスの作家リチャード・アダムスによる名作児童文学をアニメーション化。


🎬『ロボット・ドリームズ』パブロ・ベルヘル監督、制作、脚本/スペイン、フランス

ニューヨークのマンハッタンに住み、深い孤独を抱えるドッグは自分の友人にするためにロボット一式を買い、組み立てて作り、友情を深めていき、楽しい日を送っていた。

夏になってドッグとロボットは海水浴へ出かけるが、ロボットが塩水で錆びついて動けなくなってしまう。どうにかロボットを修理しようと焦るドッグだったが、いろいろ助けるために右往左往するが、どれもうまく行かず、海水浴場にロボットを置いたままシーズンオフで閉鎖され、2人は離ればなれになってしまう。

セリフやナレーションがないので犬とロボットの表情が頼りだがいつのまにか頭の中でセリフが浮かんできた。

ニューヨークの四季の移り変わり、切なくも温かみのあるストーリーが心に響いた。

★アニメ背景賞


🎬『がんばっていきまっしょい』櫻木優平監督、脚本

美しい海、山の自然が広がる愛媛県松山市。三津東高校2年生の村上悦子(声:雨宮天)は、やりたいことも見つからず退屈な日々を過ごしていた。

そんなある日、彼女のクラスに転校生の梨衣奈(声:高橋李依)がやって来る。悦子と幼なじみで親友の姫(声:伊藤美来)は「ボート部に入りたい」と言う梨衣奈の願いに巻き込まれて、廃部となったボート部を復活させることになった。悦子は仕方なく名前だけ貸すと承諾したが…


女子ボート部が舞台になっているアニメ。お年寄りが選んで観る映画ではないのはわかっているが、ミッキーはとっても楽しめた。

キャラクターの絵柄が好み、言葉が今風だがきれいで丁寧、表情が可愛い。みんな高校3年でかなりレベルの高い高校なのに受験、成績の話はない。

でも、ボート競技を通じて「心を一つにしないと勝てない」のセリフにハッとした。この部活経験はきっとその後の生き方にプラスになると思う。

人生において「心を一つに」する出来事はどんだけあるかは人それぞれだが、そう簡単ではないということも教えてもらった

 
🎬『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』黒川智之

3年前の8月31日。突然、巨大な宇宙船が東京を襲来し、世界の終わりとなるかに見えたが、その後、絶望的な状況が続く中、日常に溶け込み、上空に母艦が浮遊している異様な光景が、当たり前となっていた。

そんな中、女子高生の小山門出(声:幾田りら)と「おんたん」こと中川凰蘭(声:あの)は、担任教師の渡良瀬(声:坂泰斗)や仲の良い友人たちと高校生活共に学生生活を送っていた。

不思議な長ーーい題名でびっくり。漫画家・浅野いにお氏の傑作漫画が原作で、2014年より「週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)」にて連載されたのを映画化。4月には後章も公開。

空には『第9地区』のような空母がデーンと浮かんでいて、そのために日陰になったと訴えている住民がいたり、高校生の女の子はそんなのお構いなしで付き合っている男子の話しや担任が好きな女の子はアパートまで行って告白したりと青春を謳歌している。

戦争と平和が同じ空間で違和感なしの「不思議調和」していた。よくよく考えてみれば空と地を「戦争している地と日本」に置き換えることができると感じた。

★ヘヤードレッサー賞


🎬『ソウルフル・ワールド』ピート・ドクター監督、脚本/アメリカ

ニューヨークでジャズミュージシャンを夢見ながら中学の音楽講師をしているジョー・ガードナーは、校長から正式の教員になったことを伝えられた。母親は給料もよく保険もつく教員に大喜び。

その嬉しいニュースに気をよくしていたジョーに、もっと素晴らしいニュースが舞い込んだ。それは憧れのジャズクラブで演奏するチャンスを手にしたのだ。もう気持ちはジャズマンに傾いていて、ウキウキして歩いていたら、マンホールに落ちてしまい「ソウル(魂)の世界」に入り込んでしまった。

そこはソウルたちが人間として生まれる前に、どんな性格、どんな興味を持つかを決める場所で、ジョーは、22番と呼ばれるソウルと出会うが、人間の世界が大嫌いで、何百年もソウルの姿のままだった。

生きる目的を見つけられない22番と、夢をかなえるために元の世界に戻りたいジョー。正反対の2人の先にどんな人生が待っているのだろうか。

魂の世界なら死後とか天国、または地獄に話がいきそうだが、このアニメは生まれる前の「魂」のお話。ユニークさが際立っている。

ニューヨークの下町(ブルックリンかな?)の深みのある色合いとソウルの住む淡い色の対比がとても効いていた。動きや展開が速いので吹き替えで良かった。声優さんも◎ ジャズ演奏も◎

★音楽賞


posted by ミッキー at 12:56| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月08日

2024 ベストテン ホラー映画(1位から3位あり、他は順位なし)

1位『サユリ』白石晃士監督、脚本

やっと念願の一戸建てに引っ越してきた神木一家。祖父母も皆で暮らせるのを喜んでいた。

夢のマイホームでの生活がスタートしたが、どこからか聞こえる奇妙な笑い声とともに、家族が一人ずつ死んでいくという異常事態が発生。

神木家を襲う恐怖の原因は、この家に棲みつく少女の霊「サユリ」だった。

一家の長男・則雄(南出凌嘉)にもサユリの影が近づき、則雄はパニック状態に陥るが、そこへ認知症が進んでいた祖母・春枝(根岸季衣)がはっきりと意識を取り戻して「アレを地獄送りにしてや」と言い放つ。

則雄は祖母と2人、家族を奪ったサユリへの復讐に挑むが……。


押切蓮介の同名ホラー漫画を白石晃士監督が実写化。

日本映画のホラーでは今年一番の作品。おばあちゃん役の根岸さんに怪演女優賞だ。ホラー好きなお方は是非とも劇場に。

よく聞く音楽のオンパレードだが、展開や状況にピッタリで、上手く使われていた。

★監督賞、助演女優賞


2位『エルダリー/覚醒』ラウル・セレッソ、メスフェルナンド・ゴンザレス・ゴメス監督/スペイン

記録的な猛暑に襲われたスペインのマドリード。気温が上昇していく日々が続いていた。そんなある日、ナイア(パウラ・ガジェゴ)の祖母ロサが、祖父マヌエル(ソリオン・エギレオル)の目の前でバルコニーから身を投げた。そのことがきっかけで、マヌエルの様子もおかしくなってしまう。

マヌエルの息子マリオ(グスタボ・サルメロン)は、ロサが飛び降りたことによるショックのせいだと考えるが、マヌエルの様子は日々悪化していき、ついにはマリオら家族に対して殺意を向けるようになった。

一方その頃、最高気温を記録した街は、奇行を繰り返す老人たちが見受けられるようになって……。

地球規模の社会問題となっている温暖化と高齢化した人間社会を題材に取り入れ、異常気象によって老人たちが狂っていく様子を描いたスペイン発の異色ホラー。

この作品のどの分野を見ても手抜きなし❗️もちろん描かれていることは実際には起こり得ないが、その起こり得ない展開は、見ている者を巻き込んで、不可思議な世界に連れて行ってくれる。

★作品賞

3位『デストラップ 狼狩り』ショーン・リンデン監督、脚本/カナダ、アメリカ

猟師のジョセフ(デヴォン・サワ)は妻・アンヌ(カミール・サリヴァン)、娘・ルネ(サマー・H・ハウエル)とともに人里離れた森に暮らしていた。

アンヌは娘の教育のために近くの村に住もうと提案しても、ずっと山で暮らしていたジョセフは「ここで暮らせていけるように猟のやり方を教えているから、学校に行く必要はない」と言い張るばかり。

10歳ほどのルネは猟の仕方、銃の撃ち方、ワナの掛け方、獲った獲物の捌き方を着実に学び取っていて、他の知識も母親から教えてもらっていた。

このところ獲った獲物の毛皮の値段が下がり、生活も苦しくなってきていた。

そんなある日、野生の狼によって、罠にかかった獲物を食い荒らされたジョセフは、狼を狩るために新たな罠を仕掛けたが、森の奥で彼が発見したのは、明らかに異常な人間に惨殺された複数の登山者の死体だった。

音おどしはない。音楽は丁寧でどちらかというとおとなしくて上品。効果音もいい。だけど「映像おどし」がある。獲物の皮を剥ぐシーン、惨殺死体などじっくりみせてくれる。それに最後が凄まじい。

★脚本賞、撮影賞


🎬『テリファー 聖夜の悪夢』ダミアン・レオーネ監督、脚本/アメリカ

ハロウィンの大虐殺を生き延びたシエナとジョナサンは、それを苦しみながらも人生を立て直そうと努していた。しかし、町がクリスマスシーズンを迎えたある日、アート・ザ・クラウンが再び姿を現し、聖夜を祝おうとする住民たちを絶望のどん底に陥れて……。

不気味で超残虐で情け容赦ないピエロの殺人鬼アート・ザ・クラウンがもたらす恐怖を描いた人気ホラー「テリファー」シリーズの第3弾。

ハロウィンの夜に現れて殺戮の限りを尽くしたアート・ザ・クラウンは、今作はクリスマスに姿を現し、新たな惨劇を巻き起こす。

ホラー好きなミッキーも「こりゃ、ひどい❗️」と唸ってしまった。いったい血のりは風呂桶に何倍使ったのかと驚いた。

映画も中で残虐に殺すのは良いが「どうして こうなったか」がこの3作品目だけみていて、明確にわからなかった。


🎬『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』近藤亮太監督

一緒に山中で遊んでい弟の日向が失踪するという過去を持ち、現在は行方不明となった人間を捜すボランティア活動を続けている兒玉敬太(杉田雷麟)のもとに、母親から古いビデオテープが送られて来た、

そのビデオテープには日向がいなくなる瞬間が映されており、霊感を持つ敬太の同居人・天野司(平井亜門)は、そのテープに不吉なものを感じた。

もう一度この事件と向き合いたいと敬太は存在するはずのないある山の廃墟に向かう……。

日本で唯一のホラー映画の一般公募フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」第2回大賞を受賞した近藤亮太監督の長編映画デビュー作。

久しぶりにゾクっとさせてもらった日本のホラー映画。忌まわしい過去「負」に引き寄せられるように進んでいく展開に、真の恐怖を感じた。

同居人で霊感の強い男性、週刊誌の女性記者など登場するが、それぞれが常識的に行動しているのも好感が持てた。


🎬『悪魔と夜更かし』コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ監督、脚本/オーストラリア

1977年、ハロウィンの夜。放送局の深夜のトーク番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック(デビッド・ダストマルチャン)は、生放送のオカルトライブショーで人気低迷を打開しようとしていた。

霊聴やポルターガイストなど怪しげな超常現象が次々と披露されるが、この日のメインゲストはルポルタージュ「悪魔との対話」の著者・ジューン博士(ローラ・ゴードン)と本のモデルとなった悪魔憑きの美少女リリー(イングリッド・トレリ)が登場。

視聴率獲得のためジャックは、テレビ史上初となる「悪魔の生出演」を実現させようとするが……。

オーストラリア発のホラー映画ってどんなレベル?と題名の面白さで見に行った。はじめは笑いながら見ていたが「これ、やらせでしょ?」と思えなくなる展開にギョっとした。

特に司会者役の男優さん、悪魔つき美少女の方、音楽(定番のテルミン)が良かった。

ありそうなことがてんこ盛りで「アレはウソ」と言えない部分もあった。

★主演男優賞


🎬『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ 』トッド・フィリップス監督、脚本/アメリカ

不平等で理不尽な世の中で、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた美しい女性が現れる。

ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。

孤独で心優しかったコメディアン希望の男は、悪のカリスマとなって暴走。世界を巻き込む新たな事件が起こる。

ジョーカーをホアキン・フェニックス。音楽療法士のリーをレディー・ガガ。見応え、聴き応えは最高❗️だった。

「Folie à Deux」とは、フランス語で「2人狂い」という意味で医学用語。1人の妄想がもう1人に伝染し、たくさんのに同じ妄想や狂気を共有する精神障害のこと。なんだか「コロナ」みたい。

『ジョーカー』にはホロリとしたが、続編新作はそれに驚愕がプラスされた作品。

★主演女優賞


🎬『インフィニティ・プール』ブランドン・クローネンバーグ監督、脚本/カナダ、クロアチア、ハンガリー

スランプ中の作家ジェームズ(アレクサンダー・スカルスガルド)と出版社社長の資産家令嬢である妻エム(クレオパトラ・コールマン)は、高級リゾート地として知られる孤島リ・トルカへバカンスにやって来た。

着いてまもなく、ジェームズの小説のファンだという女性ガビ(ミア・ゴス)に話しかけられた彼は、ガビ夫婦とジェームズ夫婦は、一緒に食事をすることにした。

2組の夫婦は意気投合し、観光客は絶対ー行かないよう警告されていた敷地外へドライブに出かけるが……。

X エックス』『Pearl パール』のミア・ゴスが目当て。今までの役も残酷だったり、勝手だったり思うがままの女の子?だったが、「理由」がちゃんとあったし、理解できた。

でも今度は違う。どう違うかは観てのお楽しみだが、ミッキーとしては「こっちの方」には進んでほしくない女優さん(上手かったけど………)。

このリゾート地のある島は、このリゾートだけが唯一の儲けどころ。ここで村人を巻き込む事件を起こすと、観光客と同じクローンを作って(その施設も完備)、それに罪を償わせてやるから、大金を出せ というわけ。

作家ジェームズはリゾート地外で村人を轢いてしまい死亡させたので……、人体模造シーンも手抜かりなしで見せてくれた。


🎬『ハンテッド 狩られる夜』フランク・カルフン監督/アメリカ、フランス

製薬会社フィンザーでSNSマーケティングを担当するアリス(カミーユ・ロウ)は、不倫相手の同僚と密会中、深夜に夫から電話あって、急いで家に帰る途中、人里離れたガソリンスタンド横の小さなコンビニに立ち寄りコーヒーを飲むが、従業員の姿などはなかった。

仕方なく店を出ようとした瞬間、突然どこからか銃弾が飛んできてアリスは腕を負傷。車には不倫相手愛人が乗っていたが眠っていて気付いてくれない。やがて目覚めた彼も射殺されてしまう。

スマートフォンも壊されて、助けを呼ぶ手段はなく、スナイパーの目的もわからないまま、悪夢のような一夜が始まって……。

ガソリンスタンドのコンビニの品を使って応急処置や反撃できそうな物品を探すが、どれもみんな犯人には見えているようだ。

面白くなるのは後半で、彼女の方が残酷味を増して行く。お客で来た老夫婦が無惨にも射殺され……、おっと、書けるのはここまで。


🎬『スマホを落としただけなのに 最終章  ファイナル ハッキング ゲーム』中田秀夫監督

長い黒髪の美人女性ばかりを狙った連続殺人事件。被害者は落としたスマホから個人情報から、家族や恋人の命まで奪われてしまう。

人の心を操る天才的ブラックハッカーである連続殺人鬼・浦野善治は、ネットでは「神」とまで呼ばれている存在。そんな犯人も刑事の加賀谷学によって一度は逮捕されたものの、刑務所内からサイバー攻撃を企て、警察内の混乱の隙をついて姿を消してしまった。

そんなある日、日本政府に突如として大規模なサイバーテロ攻撃が仕掛けられる。発信元は韓国のソウルで、浦野による犯行だと疑われるが……。

このシリーズ、どんどん怖くなっている。ここでは「人間剥製」が登場。

こうなったらもうホラー映画。しかし、最後は「愛」で締めくくられていてホッとした


posted by ミッキー at 22:06| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする