2025年05月08日

『湖の見知らぬ男』伏見ミリオン座にて

🎬『湖の見知らぬ男』アラン・ギロディー監督/フランス/100分

ここはゲイの男たちが相手を見つけるために集まる湖のほとり。フランク(ピエール・ドゥラドンシャン)はふらりとこの場所にボーイフレンドを探しに来た。その時、湖で男を溺れさせ殺しているのを見てしまった。

フランクはだまって知らぬふりをして帰宅した。殺人を犯したのは同じ湖にいて、「いい男たな」と思った男ミシェル(クリストフ・パウ)で、翌日、湖に行くとその男が自分に声をかけて来た。

ミシェルは顔も体も精悍で、おまけにテクニシャン。フランクはそんなミシェルに惹かれていく。

そのほとりにはじっと座ったまま何もせずにいる中年男もいた。フランクはその男とも言葉を交わすようになるが、その男は「ミシェルだけは注意しろよ」とボソッと言う……。

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ミステリアスなタッチで満足!

ハッテン場の様子に興味がわく。日本にもこんな良い感じの場所があるのだろうか。便所や場末の公園なんかよりずっといい。

相手がなくてうろうろする男、人のをみて興奮する男、タイプじゃないからとつれない男など、出てくる男を見るだけでも面白かった。

だが「のんびりとした静かな場所」が「とんでもない修羅場」になる。 意外なところでエンドロールが流れるので食い足りない気分に。

この終わり方は「男たちの欲望の深淵」がずっと続くような感じに思えてきた。
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2025年05月07日

イタリア映画祭2025『ディーヴァ・フトゥーラ』

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🎬『ディーヴァ・フトゥーラ』ジュリア・ルイーズ・スタイガーウォルト監督/130分


ポルノ専門の代理店「ディーヴァ・フトゥーラ」を運営するリッカルド・スキッキ(ピエトロ・カステッリット)は、ポルノを通じて大衆文化に革命をもたらそうとする。

そこに 大学を卒業しジャーナリストになることを夢みるデボラ(バルバラ・ロンキ)は、なかなか仕事が決まらず、なんとかありついた職がディーヴァ・フトゥーラの秘書だった。

 「ポルノは芸術」と主張するリッカルド・スキッキは自己中心的だが、彼の周りにはいつも華やかなスター女優たちがいて、その中には伝説的女優のチッチョリーナ、モアナ・ポッツィ、そして後にスキッキと結婚するエヴア・ヘンゲルがいた。


リッカルド・スキッキの一代記。ディーヴァ・フトゥーラのポルノ女優さんの素敵な姿態に見惚れるばかり。しかし成功の影で世間の冷たい目や自分たちの悩み苦しみがあった。

チッチョリーナさんは子どもの親権争い、モアナさんは政界進出を試みるが相手にされない。スキッキとエヴアの結婚生活は金銭トラブルなど、問題が絶えなかった。

それらを女性監督の目から優しさを持って丁寧に描かれていた。


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2025年05月05日

イタリア映画祭2025『にもかかわらず』

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🎬『にもかかわらず』ヴァレリオ・マスタンドレア監督/88分

ある男(ヴァレリオ・マスタンドレア)は長期間入院しているようで、病院内を我がもの顔であっちこっち行って、自由に過ごしている。周りは知らん顔で相手にもしない。黄色い服をきたおしゃベリ男とは時々話をするだけ。

そんなある日、新しい女性患者が入院してくる。落ち着きがなく怒りっぽい彼女との出会いが、彼の平穏な日常を一変する。



『司令官とコウノトリ』『人生の最初の日』『こどもたち』(イタリア映画祭で上映された作品)の主演俳優、イタリア映画界の有名スターのヴァレリオ・マスタンドレアさんの監督作品。もちろん来日してくださり、ユーモア溢れるお話で会場を沸かせてくださった。

名前のない、ある男、知りたがりの男、新しい女性患者は「生と死」の中間点にいるので動き回っているのは自分たち3人しかわじゃらないという状態。

ベッドにはご本人が瀕死状態で寝ている。そのそばで身内や看護師が様子を伺っている。その近くでその様子を見ている3人。

そんな3人だが、ドラマが展開する。ユニークな作品で、そんな状態でも恋が芽生える……「死」の間際にも「恋」があるなんて素敵な設定。公開を期待したい作品。


posted by ミッキー at 11:44| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする