2020年05月15日

オンライン配信により公開中『ハウス・イン・ザ・フィールズ』

🎬『ハウス・イン・ザ・フィールズ』タラ・ハディド監督/モロッコ、カタール/86分

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弁護士を夢見る少女カディジャとその姉のファティマは、モロッコの山奥に家族と暮らすアマジグ族の姉妹。数百年もの間ほとんど変わらない生活を送っている。

そんな日々の中で、姉のファティマが学校をやめて結婚準備中。妹のカディジャは仲良しの姉と離ればなれになってしまうのを寂しくおもっている。そし
て自分も姉のように学校を卒業する前にやめさせられるのかと不安になる。


アトラス山脈の四季折々の自然風景と、彼女たちの慎ましくも美しい日々の営みをありのままに記録したドキュメンタリー。

小さいパソコン画面だが久しぶりに大きく深呼吸をさせてもらった。ドキュメンタリーであるが映像詩のような趣があった。風の音、鳥たちの鳴き声と日本の三味線のような民族楽器、尺八の響きをもつ笛の音などが相まって郷愁を感じた。

この場所で新鮮な空気をたっぷり吸い込んで、木の実(きっとアーモンドだろう)をポリポリ頬張って、木陰で昼寝できたら最高だろうな……と贅沢なことを思った。

ドキュメンタリーの主人公である少女2人は結婚、都会に「期待以上に恐れ」を口にしていた。この2つの恐れは今の日本ではほとんど不要なものになっている。そんな今、見えない「ウィルス」に恐れている世界中の人に、若い時代に漠然と持っていた「恐れ」を思い出させてくれる静かなドキュメンタリー作品だ。

★第67回ベルリン国際映画祭フォーラム部門最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされた。監督さんは写真家としても活躍するタラ・ハディド。5年間、アマジグ族と寝食をともにして撮影したドキュメンタリー。

★シネマジャーナル(咲)さんのブログも是非お読みいただきたい。http://cinemajournal.seesaa.net/article/475143091.html

★オンライン配信ご希望の方はhttps://www.uplink.co.jp/fields/まで。





posted by ミッキー at 10:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月14日

公開延期の新作映画『死霊魂』

🎬『死霊魂』ワン・ビン監督、撮影/中国/495分/公開は8月の予定

1950年代後半に起きた中国共産党の反右派闘争で静粛されて、ゴビ砂漠にある再教育収容所に送られた中で生き残った人々の壮絶な体験談の証言を集めたドキュメンタリー。

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2019 年に開催された山形国際ドキュメンタリー映画祭で観た。ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)受賞作品だ。

8時間以上かかるドキュメンタリーで、休憩が2回入った。これを観ると他の作品が観られなくなるが、ワン・ビン・ドキュメンタリーを観ずして山形に行ったとは言えまいと一日がかりで臨んだ。

ワン・ビン作品は545分の超長編の『鉄西区』(2003年の山形ドキュメンタリーで大賞受賞)も、同じゴビ砂漠の収容所を題材にしたドキュメンタリー『鳳鳴ー中国の記憶(これも2007年に山形ドキュメンタリーで大賞受賞)』も観ている。この『死霊魂』で3度目のグランプリだ。

長さとしては『鉄西区』が長いが居眠りをした。だが『死霊魂』は、一人ひとりの証言の語りかけが真に迫っていて、観ているこちらが話相手の状態になって知らぬ間に休憩が入る3時間が経っていた。

もう一度観る覚悟は(体力的に)ないが「これこそ、ドキュメンタリー映画の本髄」と感じた作品だった。
posted by ミッキー at 21:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月13日

公開延期の新作映画『薬の神じゃない!』

🎬『薬の神じゃない!』ウェン・ムーイエ監督、脚本/中国/117分

上海で回春の薬を売る店主チョン・ヨン(シュー・ジェン)は店の家賃さえ払えない状態で妻からも見放されていた。
そんなある日、「血液のがん」である慢性の骨髄性白血病患者リュ・ショウイー(ワン・チュエンジュン)が店にきて、国内で売っている治療薬は非常に高く、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を購入してくれないと依頼して来た。

初めは断ったもののお金に困っていたチョンは、ジェネリック薬の密輸と販売に踏み切った。儲けは多くなって秘密裏ながら需要が増えたので購入グループを結成した。

最初に頼んできたリュ、白血病の娘を持つダンサーのリウ・スーフェイ(タン・ジュオ)リウ牧師(ヤン・シンミン)、力仕事が得意な不良少年のボン・ハオ(チャン・ユー)が加わり大きく拡大していくが……。

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週に2日続けてマッサージに通っている(続けてやるのがミッキーの流儀)。そのマッサージ店で中国出身の先生がおられて吸い玉や針をしている方が、この『薬の神じゃない!』を知っていて去年里帰りした時に話題になっていたと教えてくれた。ご自身は観ていないらしい。いただいた資料には500億円の大ヒットと書いてあるが、映画に興味のない人も知っていたから納得できた。

これを観て2014年に公開されたマシュー・マコノヒー主演の映画『ダラス・バイヤーズクラブ』を思い出した。マコノヒーが体重を20キロ落としてエイズ患者を演じ、第86回アカデミー賞で主演男優賞を受賞したことで有名な映画。エイズも白血病も薬が命。今はわからないが、当時は金の切れ目が命の切れ目と言われていた。

困っている人の中で、噂が噂を呼んで隠しきれなくなって、しまいには当局に目をつけられてしまう。が、そこでチョンの取った行動は……男気のあるチョンの活躍が眩しい実話物だ。
posted by ミッキー at 14:18| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする