2022年01月01日

謹賀新年 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。日本映画ベストテン❗️

皆さまへ
いつも拙い映画ブログを読んでくださりありがとうございます。本年もどうかよろしくお付き合いくださいませ。

去年は映画館、試写室で328本、オンライン試写、オンライン映画祭で239本、計567本を観ました。DVDやNetflixは本数に入れていませんが、DVD &Netflixのベストテンも書こうと思っております。

日本映画(1位から3位あり、他は順位なし)

1位🎬『名も無い日』日比遊一監督 監督賞
名古屋市熱田区に生まれ育った長男の達也(永瀬正敏)は、ニューヨークで暮らして25年。自身の夢を追い写真家として多忙な毎日を送っていた。そんなある日、弟・章人(オダギリジョー)の訃報に名古屋へ帰ってきた。自滅の道に向かっていく弟に、いったい何が起きたのか。突き刺さる現実にシャッターを切ることができない達也。三男(金子ノブアキ)も現実を受け取められずにいた。

★この作品は名古屋が撮影地とあって全国公開より早くに上映されていたが、なんとなく飛び付いて見る気持ちになれずに11日金曜日の全国公開初日初回で観た。観客は35人ほどでやはり地元だから多かった。もっと早くみるべきだったと後悔したし、身体に受けた衝撃は精神にも及んだ。
これを観た夜中にミッキーが泣いているような感覚で目覚めた。よく夜中に起きるのだがその時は確かに涙が浮かんでいた。どうしたのかと考えていたら、オダギリジョーがちゃぶ台に箸を並べるシーンと箸を買うシーンが夢に出てきたことがぼんやりわかった。

監督さんはゴミの山にうずくまっている弟に「おい、一度ニューヨークに来ないか、お前なら英語が抜群だから俺が世話しなくてもいいから、遠慮なく来いよ」と言ってあげて欲しかった。監督もきっとそんな後悔の念があったのだろうことが後からのシーンでわかった。
悲しくて重い作品と分類されそうな映画だが、日比監督じゃないと描けないと感じた。
名古屋がこんな美しい町とは知らなかった。

2位🎬『由宇子の天秤』春本雄二郎監督、脚本、製作/主演女優賞に瀧内公美さん
3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件の真相を追う由宇子(瀧内公美)は、ドキュメンタリー製作者として信念を持って取材に走り回っている。曜日によっては、父親・正志(光石研)が自宅で経営する学習塾を手伝い、正志との二人暮らしはなんの不満もなかった。しかし、政志の思いもかけない行動により、由宇子は自身の信念を揺るがす選択を迫られて……。

★152分、あっという間だった。
春本監督の『かぞくへ』は2016年の東京国際で観たが、その時の映画祭で一番印象深く、いまだにあの二人はどうしているのかと時々思い出している。由宇子の天秤も(なんとぴったりな題名だろう)きっとこの映画をみて何年か経っても、今、どうしているんだろう…と思い返すはずだ。映画を観て自分ならどうするだろうかと、見終わってからそれぞれの気持ちの中で映画が「紡がれる」そんな不思議な力のある作品だ。

3位🎬『空白』吉田恵輔監督、脚本/助演男優賞 藤原季節
スーパーの化粧品売り場で万引きしようとした女子中学生は、店長の青柳直人(松坂桃李)に見られたため思わず店外へ駆け出した。追ってきた店長から逃れようと国道に出たところをトラックと乗用車にひかれて死亡。死んだ娘の父親(古田新太)はわが子の無実を信じて疑わず、不信感を募らせた父親は、店長を始めとして事故の関係者たちを追い詰めていく。

★俳優選びに監督さんの力量を感じた。娘に無関心だった漁師の父親、その船で働く若者、元妻、学校の先生、店長に好意を持っているパートおばさん……皆、「現実」にどう向き合おうかと右往左往する生身の人間の姿が描かれていた。ただ、車ではねた女性ドライバーは自己嫌悪に陥るが、あの状況下ではよけることはできなかったはずだから過剰な反応と感じた。父親の圧力と加熱するワイドショー報道によって追い込まれていく様子はいつ何時我身に と思うと身震いがした。

🎬『いとみち』横浜聡子監督、脚本/女性監督賞
相馬いと(駒井蓮)は、津軽三味線が得意な 青森・弘前市の高校生。三味線を弾く時に爪にできる糸道に因んだ名を持つ少女だ。 津軽弁のなまりが強いために劣等感があって話すことが苦手な彼女は、学校でも友人が少ない。性格はじょっぱり(意地っ張り)。 練習をさぼっていたので自分の津軽三味線の皮が破れてしまい、祖母から張替えは高いんだよと言われたのにむっと来て、一大決心をして青森駅近くの「メイド珈琲店」でアルバイトを始めたが……。

★『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』などで気になっていた監督さん。今作は監督も主演の駒井蓮も青森出身。 16歳でメイドカフェのアルバイト?いいのか?なんて頭に浮かんだり消えたり。でもいとちゃんの「おかえり、なぁさい、ごすずんさま」のもえもえな津軽弁、祖母の津軽三味線、父(豊川悦司)の含蓄のある台詞で、すっかり身も心も津軽に持っていかれた。 

🎬 『孤狼の血 LEVEL2』白石和彌監督
3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれて殺害された伝説のマル暴刑事・大上の意志を継いで、裏社会を治める刑事・日岡。警察からも暴力団からも一目置かれる存在となったが、そんな彼に立ち向かってきたのは、7年の刑期を終えて出てきた上林組組長・上林成浩だった。猟奇的で悪魔のような上林の出現で、裏社会の秩序が崩れていく。

★是非2018年公開、役所広司主演『孤狼の血』もNetflixやDVDで見ていただきたい。「満足感」で、いっぱいになるはず❗️あえて、ミッキーの感想は書かないが、松阪桃季の成長と鈴木亮平の情け容赦ない行動に注目してほしい。

🎬『かば』川本貴弘監督、原作、脚本
1985年夏、被差別部落が隣接する大阪市西成区北部のとある中学校。荒れた学校生活を送っている生徒たちに、蒲先生ら教師たちは日々手を焼いていた。そこに臨時教員として保健体育の若い女性・加藤先生が赴任して来た。彼女は学校の雰囲気に、初日から驚くことばかりで自信喪失するが、かわいい女子生徒が駆け寄ってきて「センセ、すぐ辞めんとてな、女先生はすぐ辞めはんねん」と言われてちょっとなぐさめられた。その数日後、まだ学校に慣れないのに、蒲先生たちは、加藤先生の得意の野球で部活のコーチを頼まれて……。

★差別と偏見、貧困などさまざまな問題を抱えた環境の中で生徒たちに正面から向き合った、実在した中学生教師たちの生き方を描いた作品。脚本がいい。一人ひとりの先生、一人ひとりの生徒たちの事情や悩みが作り事ではなく自然に描かれていた。


🎬『自宅警備員と家事妖精』藤本匠監督、編集/題名No.1賞
函館にある古いが趣のある洋館で「自宅警備員」と自虐的にひねくれて暮らす45歳・独身ニートの古川稔(大沢真一郎)は、頼りの母が死んでしまい、洋館の持ち主である伯父から、この家を売却するから1ヶ月の間に出て行くように言われた。この洋館に古くから住みついている家事妖精の絹は、母の生きている間も洋館を守り、稔に洋館を売らないように、と、無謀なことを言う。絹の姿は稔とご近所の無邪気な男の子だけが見える家事妖精で……。

つかみどころのない流れだなぁと思いつつ、いつの間にか、この映画のテンポに溺れていた。不思議な監督さん。音楽も小さくどこからか聴こえてくる音量。やかましい音楽よりずっといい。題名でそそられて入ったが、なるほど、題名の付け方は今年ナンバーワン❗️

🎬『劇場版 殺意の道程』住田崇監督/デート映画大賞
小さな金属加工会社を自営する窪田貴樹(日野陽仁)は不良品を出したという責任を被せられて、多額な負債を抱え、絶望のあまり飛び降り自殺をして命を絶った。父を自殺に追い込んだのは取引先の社長・室岡義之(鶴見辰吾)だった。室岡は一切罪に問われることなく、まるで他人事のようにその後も裕福な生活を続けていた。貴樹の息子・窪田一馬(井浦新)は室岡への復讐を誓う。それを察した一馬のいとこ・吾妻満(バカリズム)もやるなら一緒にと言ってくれた。これまで一度も犯罪など考えたことがない二人は、「殺害計画の打合せ」から「必要な物資の買い出し」「殺害実行のシミュレーション」など、信頼できる人たちの協力を得て実行に移して行くが……。

★バカリズムさんが主演と脚本で大活躍。もう一人の主演は井浦新さん。二人の相性がいいのか無駄口が多い。始めは無駄口ばかりでどうやってことが進むのか心配した。

殺しの相談場所がやっと決まったのがファミレスのガスト。注文の品を決める時も長々と無駄口トークだ。しかし、この時のトークがめちゃくちゃ現実的で笑えた。一馬が頼んだのが「ネバトロサラダうどん」で、早速「もっと力のつくもの食べんと」といとこの満がチャチャを入れ、彼は「肉盛りワイルドプレート ガーリックソース」

そんなこんなの連続で先行き不安になるが、その脱力さがだんだんと心地良くなった。まあ、この続きは劇場で、となるが、意外とこれはデート向けにオススメ。彼女から「この人、意外とセンスあるわぁ」と思われるかも。

🎬『花束みたいな恋をした』土井裕泰監督/124分/坂元裕二さんに脚本賞
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)は始発の電車までファミレスで一緒に過ごすことになった。話してみると音楽や映画や小説の趣味が一致して意気投合。そんな麦と絹は付き合い始めたのは言うまでもない。そんな2人は、大学を卒業してフリーターながら同棲を始める。就職活動を続け、いつのまにか5年経って……。

★現代の若者だが「特別」や「不思議さ」はなく誰もが起こり得ることばかりだ。誰にでも起こり得ることでも、当人は「初めての新鮮な出来事」に向き合うからドキドキもあるし、時には後悔の念もある。そんな気持ちを吐露する脚本が見事。観ている者に「過ぎてしまった青春」の一部分を思い出させてくれた。

🎬『すばらしき世界』西川美和監督、脚本/主演男優賞に役所広司さん
殺人を犯し13年の間、旭川刑務所で刑期を終えた三上(役所広司)は上京。身元引き受け人の弁護士・庄司(橋爪功)とその妻敦子(梶芽衣子)に迎えられる。変化が激しい現代社会からすっかり取り残された三上は庄司夫妻に温かみを感じ泣き出してしまう。そんなある日、生き別れた母を探す三上の情報をつかんだテレビ番組のプロデューサーの女(長澤まさみ)が近づいて来た。番組で社会に適応しようとする三上の姿を面白おかしく紹介するつもりだったが……。
★西川美和監督作品は初作品の『蛇イチゴ』からの大ファン。『蛇イチゴ』は香典泥棒、『ディア・ドクター』では鶴瓶が偽医者、『夢売るふたり』では結婚詐欺と普通の家庭の中で起こるサスペンスにドキドキしてしまう。そしてこの新作は役所広司主演で、シカゴ国際映画祭でベストパフォーマンス賞を受賞したというニュースに嬉しくなった。
posted by ミッキー at 22:11| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月01日

2020年の「ベスト10 」生田佳代さん

インド映画で新年のスタートで切りました。一本目は『燃えよ!スーリャ』そして同じ日にインド映画のリバイバル上映の『マッキー』2回目も、十分楽しかったです。

2020年は103本見ているのですが、数えたら新作が44本、旧作が59本という結果に本人が驚いております。 コロナの影響なのか古い映画のデジタルリマスター公開が多かったですね。「男はつらいよ」シリーズとかブルース・リーの作品など。

1『マロナの幻想的な物語』
この映像の自由なこと!そして色遣いもきれい!私の文章力ではこの映像の素晴らしさは表現できません。
よくある話しかもしれません。自分を大切に思ってくれる人を求めるマロナの姿がいとおしくて、ググッときました。
映画の後、飼い猫をしみじみ愛しいと思ってながめていました。

2『テルアビブ・オン・ファイア』
名演小劇場で見逃したのを刈谷日劇で見ることができました! 人間って“物語”を求めるものなんだなぁ〜としみじみ思いました。検問所の“袖の下”が“ドラマの脚本に口出しする事”という発想が面白い。

3『ロマンスドール』
高橋一生と蒼井優演じるママゴトのような夫婦が、忘れられなかったです。

4『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』
ヘヴィメタルは音楽としては興味ありませんが、若者がバンドやる映画は大好物なジャンルなのです!
トナカイを解体する場所でバンドが練習するシーンを見ていたら、イラン映画『ペルシャ猫を誰も知らない』を思い出しました。ここでは牛小屋で練習してましたね。

5『幸福路のチー』

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台湾は少し前の日本の面影が残っていて郷愁を誘います。
時代が変わっても変わらぬ“家族のカタチ”を描いて胸にせまってきました。

6『三島由紀夫VS東大全共闘〜50年目の真実』
東大生の話している抽象的すぎる質問…私には「一体何話しているの?」と、サッパリ分からなかったのですが、それに真摯に答える三島さんの姿がかっこよくて、内容はワカラナイけど、見てしまったという稀有な作品。

7『ハニーランド 永遠の谷』
「半分はわたしに、半分はあなたに」とっても素敵なキャッチコピーに映画館へ。
牛を連れて隣に引っ越ししていた大家族一家は自然環境を破壊している現代の私たちを比喩しているのだと思いました。
一度破壊されたものは人間が去ったからといって元には戻らない…そんな事を考えさせられました。

8『本気のしるし』
とっても長い上映時間(4時間近く)なので、いくら深田監督が好きでも…と思っていたら、岐阜まで来てくれました!!北村有起哉さんも一緒に来てくださいました。この作品のヒロインはかなり難役だと思います。それを演じた土村芳さん注目の女優サンになりました。
これぞ予測不可能な映画でした。 

9『カセットテープ・ダイアリーズ』
音楽が物語をまわす鍵となっており、これまた私の好きなパターン。邦題タイトルの“カセットテープ”がよいですネ!!
音楽の趣味はちがうケド近所に住む主人公の友人の存在が光ってました。

10『プロジェクト・グーテンベルグ 贋札王』
チョウ・ユンファ、アーロン・クォックのスター俳優を見る楽しさ以上にしっかり作り込まれた脚本によって映画の世界にひたれるこーゆー作品大好き!!
posted by ミッキー at 18:05| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年の「ベストNetflix 4」愛知県Nさん

高齢の母と初老?の私は、2020年には映画館では1本も見ていません。ミッキーさんのブログを見ながら遠い世界のように感じていました。ブログにはDVDやNetflixの作品も書いてあったので母親と相談してNetflixにはいりました。

映画館と違って緊張感が途切れてしまうのは仕方ありませんが、母はすぐ居眠り状態になって、その居眠りが私にまでうつってしまい、そんな私に「眠ってた時のどうだった」と聞くのですが、上手く説明できないことが多く情けない思いをしました。

選び放題のNetflixですが選ぶ力もいりますね。書けるのは4作品だけですが、確かにこの作品は良かったです。

1『リチャード・ジュエル』クリント・イーストウッド監督/アメリカ

これは公開されていた時に見られなかったので母と一緒に茶の間でみました
母は15分ぐらい寝ただけで、後から戻して見たので「便利な機械だね」としきりに感心していましたがDもそうなのに…
やっぱりイーストウッド監督は最後が幸せなるのがいいとしきりに言っていました。私は日頃主役を演じていない方が主役で良かったと思いました。

2『パラサイト半地下の家族』ポン・ジュノ監督/韓国

これも茶の間で母と2人で。
ソン・ガンホさんは前にベストテンに入れた『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』をみました。彼の演技力は安心して見せてくれて何より愛嬌があるので大好きです。
母は「面白かったけど、こんなにうまくいくもんかね」「半地下ってどんなところ?」と聞いてきたので、日にちをおいて後からこっそり(私が見ていると必ず母は話しかけてくるので)みました。2回目ものめり込んでしまい本当によくできた映画でした。お金持ち、貧乏人の差を誇張している部分もあると思いますが、またその下に隠れていた夫婦がいたとは!驚きました。

3『南極料理人』沖田修一監督

茶の間で母と2人で見る作品はやはり無難なものになってしまいます。殺しやむごたらしい映画などは嫌らしいので穏やか系になります。そこで選んだのがこれで前に私は映画館でみましたが、これならいいし、私ももう一度みたい作品なのでチョイスしました。

冷蔵庫の中より寒い南極で料理を専門に作る男の話でラーメンを作るのに試行錯誤していた様子やかき氷を氷上に直にシロップをかけてガシガシやっていたりと笑いのツボでした。

4『RBG 最強の85歳』ベッツィ・ウェスト&ジュリー・コーエン監督/アメリカ

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4つ目は母からの希望でドキュメンタリーがいいというのですがNetflixでは怖いものがほとんどで困りました。85歳で現役のアメリカ最高裁判所判事のルース・ベイダー・ギンズバーグさんに迫ったドキュメンタリーにしました。

母は「半分以上は旦那さんのおかげだね。この人は男の選び方も一流だわ」と誉めちぎっていました。私もそう思いましたが、彼女自身の聡明さと時々出るユーモアに女性らしいやわらかさがあって、これを選んで良かったと思いました。調べてみたら2019年に亡くなりになっておられました。
posted by ミッキー at 11:05| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする