2024年01月08日

2023年 Netflixベストテン

東京の今朝は2℃。寒いはずだ。今日は池袋の映画館に行く予定。昨日晩に朝ごはんをコンビニで買っておいてよかった。

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1位

Netflix『普通の人びと 彼らを駆り立てる狂気』マンフレッド・オルデンブルク監督、脚本/ドイツ/58分

一般市民を中心に編成された第101警察予備大隊。職業は多岐にわたっているが、狂信的な反ユダヤ主義者というわけでもなかった。ドイツが占領した地域を規則に従って守る準警官という仕事内容で集められた人たち。

彼らはポーランドに連れて行かれた。ある朝、皆が揃ったところで、温厚なタラップ少佐が涙ながらに話したことは「ポーランドにおいてユダヤ人を殺す役目で集められたが、ここで拒否することもできる」と呼びかけてくれた。少佐も直前まで知らされてなかったのだ。

しばらく沈黙が続いたが一人、二人と拒否する人が出て来たが……。



きっと今年のNetflix No.1❗️

ドイツ・ナチス関連の映画やドキュメンタリーはほとんど見ているが、これは普通のドイツ市民がユダヤ人殺害に関わっていく姿が克明に描かれていた。見た後もなかなか現実には戻れなかった。人間が狂気に陥ることは現在に於いても無縁ではないと改めて感じた作品だった。

ちくま学芸文庫『増補 普通の人びと:ホロコーストと第101警察予備大隊』クリストファー・R・ブラウニング著、訳を谷喬夫で再販が決定したらしい。 

★監督賞

2位

Netflix『ナイアド その決意は海を越える』エリザベス・チャイ・バサルヘリィ、ジミー・チン監督/アメリカ/120分

遠泳スイマーを引退して約30年。ダイアナ・ナイアド(アネット・ベニング)は60歳になって、ずっとあるひとつの挑戦が、頭から離れなかった。それは「水泳界のエベレスト」と呼ばれるフロリダ海峡を横断するというものだった。

フロリダ海峡にはサメや毒クラゲの恐怖や、激しい湾流などがあってオーシャンスイムの最難関とされいた。そこを泳ぎ切るには想像を絶する困難を乗り越えなければならない。

それでも世界初の名乗りを上げるため、サメよけのケージも使わずに生身で泳ぎ切ることを決意したダイアナは大親友でありコーチでもあるボニー(ジョディ・フォスター)とともに4年の月日をかけて挑戦に乗り出す。


もう10年以上前に『ドーバーばばぁ 織姫たちの挑戦』という日本のドキュメンタリーがあって、54歳から67歳までの女性6人が、親の介護や家族の世話という日常を抱えながら、2日間でドーバー海峡を泳いで横断するリレーに挑んだ姿を追った作品があった。そこには、チャレンジするまでの葛藤も克明に描かれていた。

そして、Netflix(劇場一般公開の後、Netflixで上映)で見たのはもっと厳しい状況下の中で一人で泳いだナイアドさんをモデルに大女優のアネット・ベニング、ジョディ・フォスターさんが、シミだらけシワだらけの美しいお顔で画面いっぱいに演じてくれた。その勇気も、頑張って泳ぎ切った行動力にも感服した。人生で「何か成し遂げたい」という意志の強さに頭が下がった。

エリザベス・チャイ・バサルヘリィ&ジミー・チンは夫婦監督。アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した『フリーソロ』や『MERU メルー』など、挑戦する人々のドキュメンタリーを多く手がけている。

★ご夫婦監督賞
★アネット・ベニング、ジョディ・フォスターのお二人に主演女優賞



3位

Netflix『ロスト・ドーター』マギー・ギレンホール監督、脚本/アメリカ/122分/2021年12月末公開

海辺の町へバカンスにやって来た大学教授の中年女性レイダ(オリビア・コールマン)は、ビーチで見かけた若い母親ニーナ(ダコタ・ジョンソン)と幼い娘の姿に目を奪われた。

レイダの母娘(ジェシー・バックリー)との関係を思い出した彼女は、自分が母親になった時の恐怖と混乱に満ちていた頃の記憶に押しつぶされそうになって……。

オリビア・コールマンの魅力が小さなiPadの画面からも十分堪能できた。ミッキーも子育て(レイダと一緒で娘2人)の時、どこか行って静かなところでゆっくり寝たいとよく思った。亡き母がイライラするミッキーを見て「2、3日なら預かるよ」と言ってくれたが、自分のやり方で育児自体を人任せにしていなかったので、余計ストレスになると思って任せる気持ちにはならなかった。

この映画で言うとニーナに考えが似ている。そうこうしているうちに子は大きくなり、主役が脇役……先は仕方なく通行人?

思えば「母性」より「我」の映画と思ったが、こんな素晴らしい映画を見過ごしていたとは驚きだった。

オリビア・コールマンを主演に迎えた「ロスト・ドーター」で長編監督デビューした女優さんのマギー・ギレンホールさん。脚本も手がけてベネチア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞、アカデミー脚色賞にノミネートされた。旦那様は俳優のピーター・サースガードでこの作品にも出ている。

★新人女性監督賞 


Netflix『ステップファーザー 殺人鬼の棲む家』ネルソン・マコーミック監督/アメリカ/101分

継父として裕福な母子家庭に潜り込み、バレそうになったり嫌気がさしたりしたら殺して逃げるという殺人鬼の男の恐怖を描いたサスペンススリラー。

士官学校に行っているマイケル(ペン・バッジリー)が実家に戻ると、母(セラ・ウォード)は新しい恋人デビッド(ディラン・ウォルシュ)と暮らていた。デビッドに反感を持ったが、士官学校から逃げ出したいマイケルは、それに賛成してくれる継父にあまり逆らうことはしなかった。しかし、一緒に暮らすうちに不審な点が浮かび上がってきて……。

恋は盲目……お母さんが恋に落ちた男性は「殺人鬼」。この男、殺人が目的ではない。きっと家族形態に憧れを持って「子連れ」ばかり狙うのかな。身元がバレそうになるとすぐ殺す単純ストーリーだが、けっこう身を入れて最後まで見入った。

人を騙すならもっと前準備を丁寧にね…‥と言いたいところだが、嘘を突き通すのは至難の技。終わり方が「悪事がバレて警察に」じゃあないところがミッキーのツボだった。危なっかしい展開だがけっこう好きな作品だった。


Netflix『ナルヴィク』エーリク・ショルビャルグ監督/ノルウェー/109分

第二次世界大戦。ノルウェーは「中立」を宣言していたが、ノルウェーの北極圏寄りでスウェーデンと国境を接しているナルヴィクの小さな港町は、兵器産業の鉄鉱石の出荷地として重要な地でドイツやイギリスと共に関係があった。しかし、この中立であるはずのナルヴィクに突然大爆発が起こる。

この町で、ひとりの兵士・グンナルとその妻・イングリット、幼い息子・オーレ、グンナルの父親らが、戦乱の中、家族、幼い息子を守るための行動するが……。

未公開の作品。今は一般公開並みになったNetflixだが、これは俳優さんたちが有名な方はいないからだろうか、たくさんの人に劇場で観てほしい作品だった。

特に撮影地が多分、ナルヴィクだと思うが、当時のニュース映像や町並みに見応えがあった。

ナルヴィクが解放されるまでの兵士グンナルとその家族の物語で、ホテルの食堂を仕切っている妻イングリットはドイツ語ができたことが仇になって、思いもよらない人生を歩むことになる。

スパイ行為も幼い息子の病を治すためだったり、ドイツ兵の心情を理解したりで微妙な立場に置かれてしまう。夫の死亡の報を受けて傷心したショックもあって、かのzの身の振り方も一層同情してしまった。ノルウェーの歴史の勉強にもなった。

★映像賞
★グルナンの父親役に助演男優


Netflix『オンブレ・デ・アクシオン 伝説のアナーキスト』ハビエル・ルイス・カルデラ監督 /スペイン/111分/2022年

スペインで生まれたルシオ・ウルトゥビア(フアン・ホセ・バレスタ)は、少年時代に病身の父親のために薬を買うお金がなく、銀行にお金を貸してもらおうと掛け合うが無下に断られてしまった。その後、父親は亡くなり銀行への恨みだけが残った。

姉はフランスにメイドの職を得て行くことになって自分も連れて行ってくれと懇願するが、兵役がすんでから来なさいと行ってしまう。

それから10年、彼は軍の倉庫の品を盗み出すなど悪事の末、軍を脱走してフランスに渡った。姉は結婚していて夫は造幣局に勤める真面目な男で「うちは技術者だけしか勤められないが、他でよかったら仕事を世話をする」とレンガ工場で働くことになった。

そこでアナーキストたちと知り合って、その後、銀行ギャング、偽札作り、トラベラーズチェックの偽造など権力に抵抗するかのように生きていく。

実在の人物で2020年に90歳手前まで存命。アナーキストといえば日本では大杉栄(1885-1923)だ。

ルシオは少年の頃に薬代を貸してくれなかったら包丁で銀行支配人を刺そうと思ったぐらい向こうっ気が強く、軍隊では物資横流し、偽札、旅券偽造など見方によっては「詐欺師」だ。

それがそう言われず「貧乏人の立場にたってくれた人」と位置づけられた理由を、この映画で教えてくれた。

大金を盗んでも三等分して、一つはアナーキスト運動のため、一つはアナーキスト運動で捕まった家族の生活費、一つは実行した者たちに等分に分ける という規律をずっと守り、仲間の信頼を得た。

精巧な偽札を尊敬するチェ・ゲバラに使ってもらおうと密かに面会を求めて(トイレで1分ぐらい)会うが「これぐらいの金ではアメリカはびくともしない」と言って一枚だけポケットに入れて出て行った。

★Netflixドキュメンタリー賞


Netflix『キル・ボクスン』ビョン・ソンヒョン監督、脚本/韓国/137分

一流の殺し屋で、シングルマザーのキル・ボクスン(チョン・ドヨン❗️)は、今日も日本人ヤクザ・織田真一郎(ファン・ジョンミン❗️)を手際よく殺害。そんな彼女も家に(豪華マンション)帰ると、娘・ジェヨン(キム・シア)に手こずっている。思春期か反抗期かわからないが、自分に心を開いてくれず、子育てに悩んでいた。


ボクスンは殺し屋たちが集まる馴染みの居酒屋へ行っても、後輩や他社の殺し屋たちから生ける「伝説」として尊敬されていて、彼女が所属する暗殺請負会社・MKが注文を独占するので、みんな食っていくので精一杯だった。ボクスンの後輩・ヒソン(ク・ギョファン)も弱肉強食の業界の先行きを心配していた。

身体の衰えを感じていたボクスンは契約満了で退社を考えていたが、チャ代表(ソル・ギョング❗️)はボクスンを手放そうとはしなかった。

そんななか、ボクスンはある暗殺を請け負ってしまったせいで窮地に立たされて……。



豪華韓国スター(❗️の3人で3本分の映画ができる)、殺しのアクション、親子関係、会社組織の対人関係と上下関係、昔の因縁等々のバランスがよくて、魅入ってしまった。最後の収まりもよかった。掘り出し物のNetflix。


Netflix『カレー&青酸カリ ジョリー・ジョセフ事件』クリスト・トミー監督/インド/95分

ジョリー・ジョセフは小柄で目鼻立ちがくっきりした美人。貧しく育った彼女は学歴を偽って都会に住む名家の青年と結婚。高学歴ならと許された結婚だったが、この女性、外で働くより家にいて主婦をしていたいタイプで、義理の母から「家のことはいいから、お勤めしなさい、あなたは大学まで行っているのだから、職業を持つべきよ」と進歩的な意見を度々言うのがストレスになっていた。

そんなある日、田舎にいる実父が遊びに来ることになって、絶対に学歴のことがバレる思って……。

とある名家一家で6人もの命が犠牲となった衝撃的な事件。この信じられない悲劇を検証し、事件の中心にいた女性ジョリー・ジョセフの実像に迫る犯罪ドキュメンタリー。

これ、調べようとサクサクしたら和歌山の例のカレーの事件がゾクゾクと出てきたが、この事件のことは出ていない。

一人目は義母、その7年後に祖父、急に苦しみ出して「心臓発作」とみなされてバレなかった。間が空いているから当然だ。3人目が夫。

その時、名家の叔父が死体解剖を要求したことで、嫁が怪しいと睨んだが、4人目にその叔父も……。

ただ、夫の妹は兄嫁の態度が1人亡くなるごとに、名家一家の「主婦」として、性格が変わってきたのを不思議に思っていて 父母が亡くなってからは実家に行くことは無くなったと悔やんでいた。

当然、捕まって弁護士がついたが、その弁護も本当の証拠というものが、曖昧の部分があると力説していた。


Netflix『アイスコールド 殺人とコーヒーとジェシカ・ウォンソ』ロブ・シックススミス監督/インドネシア、シンガポール/86分

2016年。若い女性ジェシカ・ウォンソは、インドネシア・ジャカルタの高級ショッピングモール「グランド・インドネシア」1階にあるカフェ「オリビエ」で、友人のワヤン・ミルナ・サリヒンさんと会う約束をしていた。予約しておいたテーブルに1人先に着き、アイス・ベトナムコーヒーを彼女の分まで注文。支払いを済ませた後、猛毒のシアン化ナトリウムを入れ、毒入りコーヒーをミルナさんに飲ませ殺害した。という事件が起こった。


親友だったミルナ・サリヒンの死から数年。今なお多くの疑問が残るジェシカ・ウォンソの裁判を改めて検証するドキュメンタリー。

インドネシアの裁判は金次第と登場した方が言っていたが、本当にどの通りだった。ちゃんとした証拠がないのに有罪だ。

猛毒化シアンナトリウムをその量でアイスコーヒーに入れると「周りのひとは気絶します」という毒物研究者が裁判で言っても黙殺……。こんなやり方で今も刑務所に入っている(刑期は20年ほど)ジェシカさん。

興味本意で見たが、ジェシカさんの過去などの報道合戦や、大勢詰めかけて祭のようにも見えた裁判所など、大変な騒ぎになった事件だった。

ベトナムコーヒーはコンデンスミルクを入れて飲むガ、ミッキーもオーストラリアで飲んだことがあって、アイスコーヒーはとってもおいしかった。


Netflix『Familia 我が家』ロドリゴ・ガルシア監督、脚本/メキシコ/104分

田園地帯が広がる片田舎。ここでオリーブ農園を自営する初老の主人はひと月半に一度集まる子どもと共に食卓を囲みながら、家族の思い出が詰まった農園の将来について重大な話をするが……。

農園主は経済的にやっていけないし、自分も年だから売りたいというが、たまにくる娘たち3人は急な提案にびっくりする。農園主は妻(子たちの親)を亡くしてから恋人もいる。子は娘3人とダウン症の長男がいて、農園主はまだ少年の長男と暮らしている。

一家族といえども連れ合い、子らも含めてけっこうたくさんいて、事情もいろいろで頭が混乱した。夫と反抗期の子ども2人と暮らす娘、同姓の恋人を持つ娘(妊娠中)、作家を目指しているシングルマザーの娘と、3人3様の生き様も描かれている。


けれどダウン症の長男が一番独立精神があって、「ぼくは、お姉さんたちをどうしても兄妹とは思えない、おばさんって感じしか持てない」と言い、「パパが農園を売っても売らなくても、僕はここを出て行きたい」とはっきりと父親に伝えていた。

3人はパパが亡くなった後、長男を誰が見るの?と相談していたが、とんだ「世話焼きおばさん」だ。長男が一番大人に感じた。p

posted by ミッキー at 07:36| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月07日

2023年 アニメ映画ベストテン

昨日、伊豆高原から東京・東中野に。娘の住むアパート。一階が人気の風呂屋さん 歩いて8分で映画館・ポレポレ東中野。昨日はほとんど満員で諦めたが9日までに、3本は観たいと思っている。

1位

🎬『雄獅少年 ライオン少年』ソン・ハイペン監督/中国/104分/名古屋109シネマズにて

広東の田舎で暮らす少年チュン(声:花江夏樹)は家が貧しく、両親は長い間広州に出稼ぎに行って、チュンは祖父母と暮らしていた。

ある時、自分と同じ名をもつ獅子舞の女の子チュン(声: 桜田ひより)と知り合ったことがきっかで、チュンは獅子舞の世界にあこがれを抱くようになった。

女の子にもらった獅子舞の被り物で自分もやってみようと、猿のような顔ですばしっこいマオ(声: 山口勝平)、太鼓はマオの知り合いでいつも包丁でトントンと肉を切っているおデブのゴウ(声: 落合福嗣)と共に獅子舞チームを結成した。

3人の師匠は、若いころは町一番の獅子舞の踊り手だったという干物屋の店主チャン(声: 山寺宏一)で、獅子舞の練習が始まるが……。

中国の伝統芸能である獅子舞の演者を夢見る少年たちを描いた長編アニメーション。


劇場には10人足らずだったので、期待もせずに観たが、今年のアニメ部門のベストテンに絶対に入るレベルだった。声の出演も皆良かった。中国風の音楽も郷愁を誘った。ところどころクスッと笑わせる箇所もあって、家族全員で楽しめるようになっていた。

2世紀ごろ中国大陸で発祥された獅子舞。現代中国の獅子舞は、前足を担当する1人と、背中と後ろ足を担当するもう1人が獅子となって、旧正月や店の開店祝いの時に「招福駆邪」として演じられている。

★作品賞


2位


🎬『骨』クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ監督、脚本/チリ/14分

2021年のチリで、ある映像が発掘される。1901年に撮影されたその映像は、少女が人間の死体を使って謎の儀式を行なう様子を記録したものだった」という設定で作られた短編。


床下から出てきた骨。少女は怖がりもせずに無造作に扱い骸骨を太鼓に、骨を両手に持って太鼓のように叩いている。骨を集めて火をつけると首から上が生きている状態になって……少女の動きが無邪気なのでグロテスクさはない。それに反して音楽はかなり不気味だった。



2021年・第78回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で最優秀短編映画賞、ひろしまアニメーションシーズン2022の環太平洋・アジアコンペティションで最優秀賞を受賞した。

★映像賞

3位

🎬『北極百貨店のコンシェルジュさん』板津匡覧監督/日本/79分

デパートの従業員は人間。だがお客様はすべて動物たちである「北極百貨店」の新人コンシェルジュ・秋乃(声: 川井田夏海)は、フロアマネージャーの東堂(飛田展男)や先輩コンシェルジュに見守られながら第1日目が始まった。

百貨店にはあらゆる種類の動物たちがやって来るが、その中でも「絶滅種」である「V.I.A(ベリー・インポータント・アニマル)」は個性派ぞろい。妻を喜ばせたいワライフクロウ、父へのプレゼントを探すウミベミンク、プロポーズに思い悩むニホンオオカミなど、それぞれ悩みを抱える動物たちの思いに、孤軍奮闘する秋乃だが……。


月一回ぐらいデパ地下のみのミッキーだから、デパートであんなに親切にされたことはないが、70分が30分ぐらいに感じて「もっとみせて〜」と言いたくなった。監督さんは『百日紅 Miss HOKUSAI』のキャラクターデザインをした方。背景も抜かりなく、声の出演には文句なし❗️ご家族全員で楽しめるアニメーションだ。

★監督賞
★脚本賞



🎬『 映画 窓ぎわのトットちゃん』八鍬新之介監督、脚本/114分

自由奔放で好奇心旺盛、おまけにおしゃべり大好きな小学1年生のトットちゃん(声:大野りりあ)は、落ち着きがなく他の生徒に迷惑だと学校を退学させられてしまう。

東京・自由が丘にあるトモエ学園に通うことになったトットちゃんは、恩師となる小林校長先生(声:役所広司)と出会い、自由でユニークな校風の 中でのびのびと成長していく。


黒柳徹子さんが自身の子ども時代を書いたベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」のアニメーション映画化。監督さんは「ドラえもん」シリーズの八鍬新之介。

声の出演で役所広司さんが校長先生のキャラクターの絵より役所広司さんのお顔が浮かんで困った。アニメ声優で有名俳優を使って欲しくない。アニメ声優さんにやってもらいたい。他の声の出演は◎。特にトットちゃんをやったリリアさんは良かった。

それ以外は上出来のアニメ作品で、笑いと切なさが絶妙。ご家族全楽しむことができる。

★大野りりあに声優賞


🎬『長ぐつをはいたネコと9つの命』ジョエル・クロフォード監督/アメリカ/104分


帽子に羽根飾り、マントと長ぐつがトレードマークのお尋ね者の賞金首ネコ「プス」。剣を片手に。冒険をして恋もした。気が付けば9つあった命は残り1つになっていた。急に「死」が怖くなって、賞金首でいることをやめて「家ネコ」になることにしたが、プスを狙う敵の襲来を受け、平和な生活はすぐに壊されてしまう。

そんな時、どんな願い事もかなうという「願い星」の存在を知ったプスは、再び命のストックを得るため旅に出るが……。



猫は9回生き返るという謂れが日本にもある。まあ、執念深い性質からきたと思うが、プスネコは最後の9生目手前で残り一生と気づくのだ。やりたいことやり尽くして愉快な人生、いや猫生なら良いじゃないかと言ってやりたいが、どんな願いも叶う「願い星」を知って旅に出るのだ。

ミッキーは吹き替えで見たが、かなりテンポが早いので字幕より良かったのではと感じた。映像の色目は原色はあまりなくて目は楽だったし、最後に歌った曲もよかった。

★色彩賞
★歌唱賞



🎬『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』ジェフ・ロウ監督、脚本/アメリカ/9月22日より新宿バルト9,、109シネマズ名古屋にて全国ロードショー公開。

ニューヨークの地下に通じるマンホールの下のもっと下で カメのミケランジェロ、レオナルド、ラファエロ、ドナテロは、拳法の達人であるネズミのスプリンターを父とも師匠とも慕って武術の腕を磨いていた。

小さい時から血を搾り取る人間に見つからないように暮らしてきたが、普通のティーンエイジャーとして高校に入りたいと願っていた。

 スプリンターには固く止められていたが、謎の犯罪組織を倒すことで自分たちの存在を認めてもらおうと、彼らは忍者の扮装をして戦いに乗り出すが……。


ニューヨークを舞台にカメの忍者4人組の活躍を描いて、根強い人気を誇る「ミュータント・タートルズ」を、アメコミタッチの新たな手法で映画化した長編アニメーション。


亀くんたちは人間の高校生女子と出会う。この子も高校で虐められたり、からかわれたりしてひとりぼっち。亀くんたちを怖がりもせず一致協力。謎の犯罪組織に挑戦したり、人間の誤解を解いたりして……。

話の展開はわかりやすく、スピード感もあるので小学生高学年ならオッケー。ご家族でお楽しみいただける。試写は日本語吹き替えだったが、話の展開が早いのでミッキーには吹き替えで良かった。声の出演は宮世琉弥、「日向坂46」の齊藤京子、佐藤二朗。みんな文句無し❗️

★吹き替え賞

🎬『プチ・二コラ パリがくれた幸せ』アマンディーヌ・フルドン、バンジャマン・マスブル監督/フランス/86分



パリの街にある小さなアトリエ。イラストレーターのジャン=ジャック・サンペ(声:ローラン・ラフィット)と作家のルネ・ゴシニ(声: アラン・シャバ)は、ニコラと名付けた少年のキャラクターを主人公にして物語を作っていた。

いたずら好きなニコラがクラスメイトたちと過ごす愉快な日々を描きながら、サンペ自身は自分が叶えられなかった「幸せな少年時代」を追体験していく。一方のゴシニは、過去の悲劇を胸に秘めていた。


フランスで50年以上にわたって愛され続ける児童書「プチ・ニコラ」をアニメーション映画化。親友同士でもある原作者2人の波乱に満ちた人生に「プチ・ニコラ」の物語をまじえて描いている。

ニコラの作家の2人は少年の名前を決めたり、両親の職業を決めたり、毎日通う学校も様子など、相談しながら決めていく。それがとってもきめ細かく「ニコラの誕生」に自分の人生や叶えられなかった生活を満たして行って、幸せな気分にしてくれた。

白紙の画用紙に鉛筆を走らせると、学校ができて、家の門扉や庭ができて、いとも簡単に描かれていく。街の背景も手抜かりなしで「絵」ということを忘れそうになった。

ジャン=ジャック・サンペ氏は去年の夏89歳でお亡くなりになった。ニコラが「僕も死ぬの?」って聞いていたシーンがあった。サンペ氏は「ニコラはずっと生き続けるよ」と言っていた。


🎬『哀しみのベラドンナ』山本暎一監督/89分/1973年

中世フランスの農村。ジャンとジャンヌは婚礼の日を目の前に、領主に結婚の許可を2人して願いに行ったが、貢ぎ物が足りないと怒り、そのかわりジャンヌの処女を奪われた。

怒りと悲しみにくれるジャンに「嫌なことを忘れて、生きていこう」というジャンヌ。2人はよく働いて幸せに暮らしていた。その後、村は飢饉になったが、ジャンヌの紡ぎ糸のおかげで食うには困らなかった。

そんなジャンヌを妬んで「悪魔が取り憑いている」と噂になって……。

原作はフランスの歴史家ジュール・ミシュレの小説『魔女』。

虫プロとヘラルド映画提携の大人のためのアニメーション。挿絵画家・深井国の原画が中心。作画監督は杉井ギサブロー。主人公のジャンヌの声を長山藍子、悪魔を仲代達矢が声をやっていた。ナレーションは中山千夏。 

約50年前の珍品アニメ。音楽が懐かしい歌謡曲調だが、歌っている方は「声がまっすぐなのに曲想が出ていて」とても上手い。マリンバも上手かった。

アニメでもセックスシーンは際どく、想像させるような動き、呻き声をつけていて相当な「色もの」で、大人のためのアニメ。

★音楽賞

🎬『マルセル 靴をはいた小さな貝』ディーン・フライシャー・キャンプ監督、製作、原案、脚本、キャラクター作り、編集、出演


アマチュア映画作家のディーン(声:監督)は、靴をはいた、体長およそ2.5センチのおしゃべりな貝のマルセル(声: ジェニー・スレイト)と出会う。ディーンは彼が語る人生に感銘を受け、マルセルを追ったドキュメンタリーをYouTubeにアップするが……。

実写とストップモーションアニメを組み合わせて、映像作家ディーン・フライシャー・キャンプが2010年から14年にかけてYouTubeで短編を公開。5000万回の再生を記録した短編作品を長編にした作品。第95回アカデミー賞でも長編アニメーション賞にノミネートされた。

マルセルは頭は良いがちょっと臆病なところがあるが、おばあちゃん(声: イザベラ・ロッセリーニ)が勇気があって行動的に描かれていた。


🎬『愛しのクノール』マッシャ・ハルバースタッド監督/オランダ/73分/イオンシネマ名古屋茶屋にて


9歳になる女の子バブスは、誕生日のプレゼントに子犬のかわりに、ニューヨークから突然訪ねてきた祖父スパウトから子豚を贈られる。

最初は不満だったバブズだが、子豚をクノールと名付けて一緒に暮らすうちに、かけがえのない存在になっていった。

しかし、祖父がバブスに子豚をプレゼントしたのは、ある恐ろしい理由が隠されていて……。



幼稚園児からお年寄りまで楽しめるパペットアニメ。観客はお一人さまが6人

女の子パブスの家族や周りの人が個性豊かで皆んな正直者なのに「ソーセージ作りの名人」と自称するスパウト爺さんだけ「裏表」がありそう。過去におじいちゃんにひどい目にあっていた人は警戒していたが、パブスはこのおじいちゃんが大好きになってしまって。

★吹き替え版で観たが声優さんは、ガールズバンド「SILENT SIREN」の すぅ(吉田菫)、ゆかるん(黒坂優香子)、ハブスの祖父スパウトに泉谷しげるさんで個性的だった。



🎬『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』古賀豪監督/104分

昭和31年。鬼太郎の父である目玉おやじは、行方不明になった妻を捜して、哭倉村へやって来た。その村は日本の政財界を牛耳る龍賀一族が支配していた。

血液銀行に勤める水木は、一族の当主の死のニュースきっかけにして、会社の命令で村を訪れ、鬼太郎の父と出会う。

当主の後継をめぐって争いが繰り広げられる中、村の神社で一族の者が次々と惨殺される事件が発生して……。



試写で2回もチャンスがあったが体の調子が悪くて行かれなかった。で、昨日109シネマズに行った。日曜の昼で4、50人入っていた。

一番驚いたのは「音」が澄んでいてきれいだったこと。覚えのある主題歌もうまく編曲されていて、懐かしさが込み上げて来た。

鬼太郎が生まれるまでの物語で、八つ墓村に似たようなストーリー。目玉の親父さんがハンサムだし、長身だし、奥様は美人で想像と違ったが、悪い気はしなかって。

声の出演の方々にも満足した。残念なのは昔の懐かしいキャラクターとちょっと違うこちら。

★編曲賞

posted by ミッキー at 08:42| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月06日

2023年 ホラー映画 ベストテン

1位

🎬『Pearl』タイ・ウェスト監督、製作、脚本、編集/アメリカ/103分

1918年。アメリカ・テキサス州のとある田舎町。パール(ミア・ゴス)は戦地に行った夫を待ちながら、厳しい母親と車椅子で身動きできない病気の父親と人里離れた農場に暮らしている。

毎日、毎日、父親の世話と家畜たちの餌やりという繰り返しの日々に鬱屈としながら、農場の家畜たちを相手にミュージカルショーの真似事を行うのが、パールの束の間の幸せだった。

そんな彼女の息抜きは映画鑑賞。パールはいつか自分も華やかな世界で輝くことを夢見ていた。だが、日頃の溜め込んだストレスのせいで彼女は動物を殺すなどの残虐行為をするようになって、いく。

そんなある日、町の映画館の映写技師(デビッド・コレンスウェット)と出会い、夢の実現への思いを抑えきれなくなっていく。それと同時に暴力性までが一気に爆発してしまう。

シドニーでこの映画を観たが思い違いもあって恥ずかしい限りだ。でも是非観ていただきたいホラー。最後のパールの独り言のシーンが無くなっていたの残念。

映写技師役のデヴィッド・コレンスウェットが次期スーパーマンに決定‼️

★ミア・ゴスに主演女優
★監督賞


2位

🎬 『呪餐 悪魔の奴隷』ジョコ・アンワル監督、脚本/インドネシア/119分

1955年。ジャーナリストの中年男ブディマン(エギー・フェドリー)は車に強制的に乗せられレンバンの山奥に連れて来られた。着いたところは白い建物で顔見知りの警察署長が申し訳なさそうな表情を浮かべて待っていた。

やむおえない事情で彼に内密の頼みごとがあったらしい。まずは見せたいものがあると白い建物の内部に案内された。それは想像すらできない光景だった。

明日からレンバンで重要なアジアアフリカ会議があるので「このこと」は発表できないが、 小さな新聞社だけ「都市伝説」のようにしてひっそり公表してほしいと頼まれた。

そして 時代はかわり1984年。長女リニ(タラ・バスロ)と弟トニ(エンディ・アルフィアン)と末の弟ボンディ(ナサール・アヌズ)と父親バフリ(ブロント・パラレ)の4人家族は、北ジャカルタにある公営マンションに住んでいた。この土地は水はけが悪く、金持ちは住まない地域でだだっ広い土地に14階建てのマンションがあるだけ。

住んでいる人は極貧ではないが中流以下の庶民ばかりだった。このところ、お化けが出るとか、ゴミのダストシュートの奥から人の声が聞こえるなどの噂もあって……。

2017年のインドネシア映画「悪魔の奴隷」の続編。ミッキーは観ていないがこれだけでも200%怖・楽しめた。

世間では2000人の犠牲者が出ている連続殺人事件が起きている中、リニの高層アパートではエレベーター落下事故が発生して数十人が死亡。さらに追い討ちをかけるように大嵐になって下層階は水浸し、停電してしまう。

最初のシーンの死体累々画面には鳥肌がたった。発見した管理人は一瞬に白髪になったぐらいの凄さ。当分このシーンの整然とした「きみ悪さ」は忘れられない。

インドネシア歴代興行収入第3位。インドネシアアカデミー賞7部門にノミネート、世界各国の国際映画祭で物議を醸した大ヒットホラー❗️を是非ご覧いただきたい。

★作品賞
★撮影賞

3位

🎬 『PIGGY ピギー』カルロタ・ペレダ監督、脚本/スペイン/99分

スペインの田舎町で肉屋を経営する一家の10代の娘サラ(ラウラ・ガラン)は、クラスメイトから体型や引っ込み思案な性格で、酷いいじめを受けていた。家族はは口うるさい母親(カルメン・マチ)、妻に従順で穏やかな父親、弟の4人。サラは肉の部位の切り分け、ソーセージ作りなども手伝っている。

店の窓からは同級生たちが楽しそうにおしゃべりしたり、時には店で働くサラを見て嘲笑ったりしているのを、悔しい気持ちで眺めている毎日。

そんなある日、あまりの暑さにサラは一人で地元の川で遊泳が許可されている場所に出かけて行った。誰もいない時間帯と思っていたが、見知らぬ男が泳いでいた。そこに3人のいつものいじめっ子たちがやってきて、太っているサラを口汚なくやじって、溺れさせられそうになった。それだけではなく岸に置いてあった袋や洋服、バスタオルなど、全部持ち去られてしまった。

自分をいじめる同級生を目の前で誘拐された少女が究極の選択を迫られる姿を描いたスペイン発のリベンジホラー。

〜2023 年ゴヤ賞 最優秀新人女優賞受賞したラウラ。この少女のふくよかすぎる肢体を見ているだけで満足した。本物の身体だ。そこに食い込む水着の紐、いつも髪の毛の先を噛んでいる口元、眩しそうに陰から友だちを見つめる目……、

★ラウラ・ガランに新人女優賞



🎬『キラーカブトガニ』ピアーズ・ベロルゼイマー監督、製作、脚本、編集/カナダ/80分

廃炉となった原発が爆破処理されたカリフォルニアのとある海辺の町で、謎の行方不明事件が続発。白骨と化した人間が発見される。保安官は人喰いザメの仕業と疑ったが襲ったのはサメではなく、なんとカブトガニ。

それも放射能の影響で巨大になって凶暴化。1匹や2匹ではなく「カブトガニの群れ」が発生。

やがて1匹の殺人カブトガニがゴジラ級の大きさになって、町を破壊し始めて……。



サメよりも凶暴。放射能の影響で突然変異した巨大カブトガニが巻き起こす海洋モンスター映画 。

突然、人の顔にピターッと張りついてガブリガブリとうまそうに喰っているカブトガニ。ツッコミどころはあったが、そんなもの、次の「ギョ‼️」で忘れてしまう勢い。

憂さ晴らしにうってつけのこの作品を製作・監督・脚本・編集を一手に手掛けるピアース・ベロルゼイマー監督は初長編。完成までに6年をかけた作品。

★新人監督賞 
★企画賞



🎬『呪呪呪 死者をあやつるもの』ヨン・サンホ監督、原作、脚本/韓国、イギリス/110分

閑静な住宅街で凄惨な殺人事件が起きた。被害者のそばに横たわっていた容疑者らしき男は既に死体で、調べてみると死後3カ月の死体だった。 

そんな中、ジャーナリストのジニ(オム・ジウォン)が出演するラジオに、犯人を名乗る男から電話が掛かってくる。男は自分が死体を操って被害者を殺したと告白。ジニを名指しインタビューに答えるとまで言う。

ジニは警察と協力して事件の調査を進めるうちに、ある大企業の薬品会社の陰謀が関係していることに気付くが……。


オカルト要素たっぷりだけど、こうなるのも仕方ない「悪事」が隠されていて、ストーリー展開には無理がなく最後まで飽きずに観られた。

『新感染 ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ監督が原作・脚本だから面白いに決まっているし、持ち前のスピード感はさすがだった。

★脚本賞


🎬『ブラック・デーモン 絶体絶命』エイドリアン・グランバーグ監督/アメリカ

自分が勤めるニクソン石油会社の海底油田の視察とバカンスを兼ねて、妻イネス(フェルナンダ・ウレホラ)と子どもたち(姉オードリー/ビーナス・アリエルと弟トミー/カルロス・ソロルツァーノ)と一緒にメキシコを訪れたポール(ジョシュ・ルーカス)だったが、港町は以前の賑わいはなく、寂れていた。泊まろうとしていた人気ホテルは廃墟となっていて、今更ながら予約しておけば休業のこともわかったのにと妻に叱られるポール。そこには小さな食堂が一軒あるのみ。

なぜかアメリカから来た一家に怒りのような目を向けてくる住民たち。居心地が悪かったが、油田の視察も兼ねていたので、妻子を小さな食堂に4、5時間居させてもらってポール一人でボートで沖に出た。

港に残された妻子は土地の男がオードリーにちょっかいを出したので、大金を使って船を出してもらいポールのいる石油発掘基地に向かうが……。

その港町の伝説の超巨大ザメ❗️と言われてもどんだけ大きいのか、観るまでは想像もできなかったが、モーターボート1台をひと飲み込みの迫力。沖にある油田開発の基地は3階建ての高さがあって頑丈にできているはずだが、サメが動けばそれが大きく揺れる。

そこには2人の男が生きていて、ポールで3人になる。そこに妻子3人がやってくるのだ。「あんなところに恐くて居られなかった、あなたはなかなか帰ってこないし」と泣きつく。小さな利口そうな男の子(表情もかわいい)はいろんなことに興味があって、土地の守り神の人形を持ってきたり、時々、救助の手助けになることを言ったりしていたが……、言えるのはここまで。

暑さしのぎにはピッタリな海洋サバイバルホラー。

余分『えっ?サメ男』グスタフ・リュングダール監督、出演/スウェーデン/63分のサメ映画も是非。珍品もの。


🎬『M3GAN ミーガン』ジェラルド・ジョンストン監督/アメリカ/102分

おもちゃ会社の女性研究者ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)は、人間そっくりのAI人形「M3GAN(ミーガン)」を開発している。ミーガンは子どもにとって最高の友だちであり、親にとって最大の協力者となるようにプログラムされている。

そんな彼女が、交通事故で両親を亡くした姪ケイディ(バイオレット・マッグロウ)を引き取ることになった。子育てなど経験のないジェマは、あらゆる出来事からケイディを守るよう、ミーガンにインプットするが、ミーガンの行き過ぎた見守り愛は、どんどん過剰になって……。

子どもを守るAI人形が引き起こす惨劇を描いたサイコスリラー。
https://docs.google.com/document/d/1oQ5-HEbxbyyKaLYUoqRr3vsfcuxOhLcABDGrY9J8tR8/edit
『ベニー・ラブズ・ユー』もお人形ホラーだ。ベニーはセサミストリートのようなお人形だが、ミーガンはお目々ぱっちりのかわいいお姉さんのようなお人形。

ジェマには懐かないケイデイもミーガンにはすぐ仲良くなって、いっときも離れないほど。ミーガンもケイデイの気に入らないことを排除するようになって、しまいには……、ストーリー展開は想像つくが、いとも簡単に「排除」してしまうので恐くなる。

こんな怖いお人形が子守りがわりに使うようになったら、世の中「死体累々」になってしまう。お年寄りの話し相手のミーガンならぬ「ローバン?」ぐらいが、ちょうど良いのではと思った。



🎬『ビデオドローム 4K ディレクターズカット版』デビッド・クローネンバーグ監督、脚本/アメリカ/89分/1982年

暴力やポルノが売り物のケーブルテレビ局を運営するマックス(ジェームズ・ウッズ)は、部下が偶然に傍受した電波から「ビデオドローム」という番組を知る。その番組は拷問や殺人といった過激な画像が生々しく映し出されていた。それを見た者の脳に幻覚を見せる危険なものであることがわかるが、マックスも均衡を失っていく。


鬼才デビッド・クローネンバーグが1982年に発表した「ビデオドローム」のディレクターズカット版。

40年前にこの斬新な映像に驚いた。主役を演じたジェームズ・ウッズがハマり役で現実と幻覚の間でどんどん「過激」になって行く様子が「きみ悪く」描かれていた。観ているこちらも戸惑ってしまった。


🎬『マッド・ハイジ』ヨハネス・ハートマン、サンドロ・クロプシュタイン監督、脚本/スイス/92分/7月14日よりヒューマントラストシネマ渋谷、センチュリーシネマにて全国ロードショー公開。

マイリ大統領(キャスパー・ヴァン・ディーン)が独裁者として君臨するスイスでは、マイリが経営する製造会社以外のチーズがすべて禁止されていた。

ある日、アルプスに暮らすハイジ(アリス・ルーシー)の恋人で、闇でチーズを販売していたペーター(ケル・マツェナ)が、ハイジの目の前で処刑される。さらに、ハイジのおじいさん(デヴィッド・スコフィールド)までがマイリの手下に家ごと燃やされてしまった。ハイジは敵を討つことを決意するが……。


『マッド・ハイジ』。これほどまでに凄い❗️とは思わなかった。上のアニメの写真に出ているキャラクター、ワンちゃんもみんな「イメージ」を変えて出てくる。

イメージが崩れるのは嫌な方は絶対、絶対観ないで。でもスプラッター好きの方は絶対、絶対、絶対観て‼️

★作品賞

🎬『イノセンツ』エスキル・フォクト監督、脚本/ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン/117分

夏休みにノルウェー郊外の住宅団地に、両親と共に引っ越してきた9歳の少女イーダ(ラーケル・レノーラ・フレットゥム)と、自閉症で口のきけない姉のアナ(アルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ)は、同じ団地に暮らす少年ベン(サム・アシュラフ)や、女の子アイシャ(ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム)と親しくなる。

ベンは強く念じれば、手で触れなくても小さな物体を動かせる不思議な力があり、アイシャは自閉症のアナと離れていても思っていることがわかる能力を秘めていた。

北欧発の子どもたち4人のサイキックスリラー。

ほぼ宣伝や予告編もない作品だったが、4人の子どもたちが凄すぎる❗️それぞれがノルウェーのアカデミー賞と呼ばれている「アマンダ賞の最優秀主演女優賞や最優秀主演男優賞」にノミネート。

大規模な団地という場所には、地下、階段など、人が来ない、見えないところがたくさんあって、そこが大方の舞台。

そこでベンが中心となって危険な遊びをする。時には目を背けたくなる場面もある。

子がやることが人間の命まで脅かすものになってくるストーリーにホラー的な要素もたっぷりあって、ミッキーにとってちょうど良い暑気払いとなった。

★音響賞


posted by ミッキー at 12:26| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする