2020年03月01日

2019年ベスト5【読者・東京都・井上氏】

若き日に観た作品を再び・ベスト5

数年前に思わぬ事故に合い、今は自宅近くの施設で養生しています。しばらくは映画をあきらめていましたが、最近になって気力を取り戻し、家人にDVDやアマゾンで見られる環境にしてもらいました。学生時代に観た作品(ほとんどフランス映画です)を再び見ました。
気のせいか当時の若さが少し取り戻せたと感じています。映画の持つ力を再確認しました。
そんな中から5作品を選びました。

(1)『ヘッドライト』アンリ・ヴェルヌイユ監督/フランス/1956年
50歳になるトラック運転手ジャン(ジャン・ギャバン)は長時間運転の休憩所「キャラバン」で疲れた体を横たえる。だが彼の頭には思い出が次々かすめてゆく……。2年前のクリスマスの晩、ここでウェイトレスをしていたクロチルド(フランツワーズ・アルヌール)に会う。2人は道ならぬ恋に落ちてゆく。

クロチルドはやがて妊娠、ジョンは妻子を捨て彼女と暮らす道を選んだ。しかし彼女は働くために堕胎してジョンのトラックで帰る途中で容態が悪化。病院でクロチルドは亡くなった。

社会の底辺で出会った2人の恋が切ない……。キャラバンの店主に起こされるジャン、国道を砂煙を上げ立ち去るトラックが目に残る。

(2)『過去をもつ愛情』アンリ・ヴェルヌイユ監督/フランス/1954年
タクシーの運転手をしながら南米行きの機会を待っているピエール(ダニエル・ジェラン)は自分の車に乗せたことからカスリーン(フランツワーズ・アルヌール)を知る。彼女は英国の貴族に見初められ、その夫人となったが夫を交通事故で失い孤独を旅にまぎらわせている。

しかし警視庁のルイスはこの事件に疑いを持っていた。ルイスは彼女とピエールの仲を知り、ピエールに近づく。そして彼女の過去の全てをあばいてしまう。南米に行くことを前提に物ごとを進めていたが、それぞれの心理状況の違いから2転、3転。つまるところピエールは1人で行くことになる。

ルイスに付きまとわれて波止場を去ったカスリーンは同行を断念、ひとりっきりの人生が始まる。一方、本当の愛情に気づいたピエールは狂ったように船上から彼女の名を呼ぶが、いまとなっては空しいばかりだった。

(3)『青い麦』クロード・オータン=ララ監督/フランス/1954年
フィリップ16歳、ヴァンカ15歳、ふたりは今年の夏も両家族合同で海辺の別荘を訪れていた。しかし大人に近づきつつあるフィリップは以前のようにヴァンカに接することができない。

そんな時、ふたりの前に現れた美しいダルレエ夫人。彼女の魅力にとりつかれたフィリップは、その関係を悟られまいとして、ますますヴァンカとの溝を深める。ヴァンカはフィリップの一直線の行為にひたすら耐え、笑顔で接した。

ふたりの恋はそれでも切れることなく続き、夏が終わりに近づき誰もいなくなった海岸を歩いた。フィリップは彼女に「思い出」をプレゼント。ヴァンカはちょっぴり大人になった。やがて秋が訪れる。

(4)『風花』木下恵介監督1959年
信州、善光寺平の名倉家で結婚式が行われ花嫁のさくらが出発して行った。18年前小作人の娘春子と名倉家の次男英雄は恋仲だったが許されず思い余って心中、春子は一命をとりとめたが、妊娠していた。

やがて出産、名前を「捨雄」と命名、親子でひっそりと生活した。捨雄は7歳年上のさくらを淡い恋心をいだきながら成長した。

結婚前のある夜、ふたりで家を抜け川辺りで会った。捨雄の清らかな愛情にさくらは応え抱擁、純愛の記念に舞扇をもらった。結婚式の当日、それを持って捨雄は川の深みに進んで行く。それを見た母は息子の名を呼んだ。その声で彼は思いとどまった。

息子の悲しみを理解した母は、ともに新しい生活をめざし名倉家を去る。川のそばで旅支度する2人に風花がしきりに散った。

(5)『太陽がいっぱい』ルネ・クレマン監督/フランス・イタリア/1960年
タイトルはすでにおなじみ。トム(アラン・ドロン)の殺人が罪であることは明らかだ。自分勝手な行動を面白く感じた。ラスト「これで完ペキだ」と言ったと同時にフィリップの死体が引き上げられる。こわれた「青春映画」と言える。
posted by ミッキー at 02:44| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月01日

早すぎ 😱 2019年1月2月のミッキーのベストテン

ミッキーの2018年のベストテンは、すでに2019年1月1日から6日連続で載せたので、だいぶ気が早いがここ2ヶ月のベストテンを拾ってみた。試写室、劇場、映画祭で108本。

1位『THE GUILTY/ギルティ』グスタフ・モーラー監督・脚本/デンマーク
上映中。このまま年末までぶっちぎりでベスト3には入ると思う。是非是非劇場へ🏃

2位『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』ブライアン・ヘンソン監督/アメリカ/公開中
腹を抱えて笑ってしまった。パペットと女刑事(メリッサ・マッカーシー)の刑事もの。

3位『荒野にて』アンドリュー・ヘイ監督/イギリス/4月12日公開
「さざなみ」のアンドリュー・ヘイ監督が、孤独な少年と殺処分が決まった馬ピートと叔母さんの住むワイオミングまでの旅路を描いた作品。少年には『ゲティ家の身代金』で誘拐された孫をやったチャーリー・プラマー。確かに辛いストーリーだが、湿っぽくならない楽曲と風景と馬の姿、そして少年の瑞々しさが印象的で、辛さがさほど深刻にならなかった。チャーリー・プラマー少年は、第74回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した。

4位『ROMA/ローマ』アルフォンソ・キュアロン監督/メキシコ、アメリカ/シドニーの映画館で2回観た。
政治的混乱期の1970年代のメキシコシティが舞台。経済的に恵まれた医師一家で働く家政婦クレオ(ヤリッツァ・アパリシオ)視点から描いた作品。月契約千円以内で見られる「ネットフィリックス」で見ることができるらしいが大画面で観たい。是非とも劇場公開してほしい。

5位『22年目の記憶』イ・ヘジュン監督/韓国
「初の南北首脳会談に向けて韓国では北朝鮮の最高指導者・金日成の代役オーディションが秘密裏に行われた」と書いてあったが、なぜに代役を使って練習しなければならなかったか今でもわからない。しかしソル・ギョングさんとパク・ヘイルさんの親子関係の微妙さを的確に描かれていた。監督さんは『ヨコヅナ・マドンナ』の方。これも良かったDVDで是非。

6位『アイ・ビロング』ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督/ノルウェー/トーキョー ノーザンライツ 北欧映画祭上映作品
誠実に暮らしている中年女性3人。一人は看護婦。もう一人は小説家。そして母親に生活費の援助をしている娘。それぞれの人生がちょっとした接点で描かれている。公開を切に願うが……。

7位『けもの道 京都命の森』川原愛子監督/グリーンイメージ国際環境映像祭上映作品。
京都の市街地と山の境界で暮らす猟師・千松信也さんは、近隣の3つの山に入り、手製のワナをかけてシカやイノシシを捕獲。その一部始終、千松さんの生き方、考え方を知るために、ひと冬の猟に密着したドキュメンタリー。NHKで放映されたようだ。

8位『運び屋』クリント・イーストウッド監督・主演/アメリカ/3月8日公開
クリント・イーストウッド作品は裏切らない。全体的に静かだが、ハラハラ感は絶えずあった。終わり方も納得。

9位『バイス』アダム・マッケイ監督/アメリカ/4月5日公開
ジョージ・W・ブッシュ政権でアメリカ史上最も権力を持った副大統領と言われ、9・11後のアメリカをイラク戦争へと導いたとされるディック・チェイニーを描いた社会派エンタテインメント作品。アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。サム・ロックウェルさんのブッシュメイクアップには舌を巻いた。お二人ともご存命なのに……アメリカって懐が深い。

10位『翔んで埼玉』武内英樹監督/公開中
漫画家・魔夜峰央が1982年、当時住んでいた埼玉県を自虐的に描いたギャグ漫画。30年以上たった2015年に復刊され、今回の映画化。見るからに女の子・壇ノ浦百美、見るからに都会人の埼玉県人・麗がお互いに心惹かれていき、東京と埼玉の抗争が千葉、群馬、神奈川、栃木、茨城も巻き込んで行って……最後のオチも楽しめるのでこの先は劇場に是非。

次点
『洗骨』照屋年之監督/公開中
監督さんはガレッジセール・ゴリというお笑いの方で、構想も脚本もものにしているすごい才能の持ち主。洗骨のための水の重さや骨を洗う水の量、当主信綱のおでこの傷一つも見落としていない演出力に感服した。
posted by ミッキー at 12:14| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛知県在住・中川さんの「時には母とふたり」のベストテン

愛知県の中学校教師を定年退職したばかりの時にミッキーさんに映画館で偶然お話させていただき2年たちます。時々メールで「母と映画にいきますが、何がオススメですか」「『○○』はどうですか」など都合のよい時にメールで教えてもらっています。

でも月に2〜3本がいいところで去年は母親との3回を含めて31本みました。私としては最高の本数です。

こんなに少なくて肩身が狭いですが、ベストテンを書きました。母親の意見も取り入れました。86歳になる母ですが、ベストテンと聞いて非常に興味を示して「今年は月に1〜2本は見ないかん」と張り切っていました。

1位『かぞくへ』日本映画
それぞれが大切な人のこと考え抜いて行動しているのですが、こんなはずじゃなかったと空回りする様子が切なかったです。有名な俳優さんは出ていなかったけど、去年も今年になってからもよく思い出す作品でした。

2位『スリー・ビルボード』アメリカ映画
ミッキーさんからの強いオススメで見ました。ありがとうございました。深刻な内容ですが、最後の部分で救われました。しばらくぼーっとして名古屋駅までゆっくり歩きました。

3位『いぬやしき』日本映画
これは母と行きました。テレビによく出てる木梨さんや佐藤健さんが超人となって戦う。母は声をあげて驚いたり、笑ったりして10歳は若返ったようでした。

4位『フジコ・ヘミングの時間』日本映画
これも母と。母はヘミングさんのファンでコンサートにいったほどです。お洋服も素敵、ピアノの音も選ぶ曲もいい、と褒めちぎっていましたが、あんなにお金持ちとは思わなかった! と驚いていました。

5位『私は、マリア・カラス』フランス
声の魅力と容姿の美しさとそれに独特な個性を持つマリア・カラスさん。こんな歌姫は二度と出ないと思います。画面からは普通の女性・カラスが息づいていて大感動しました。

6位『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』韓国映画
『殺人の追憶』は2回みて、ソン・ガンホの庶民的な魅力にまいりました。公開の日に見に行って満員で入れなくて3時間まって見ました。すごい人気で驚きました。
この光州事件のことは聞いてはいましたがこんな内戦状態とは知りませんでした。勉強になりました。

7位『毎日がアルツハイマー ザファイナル 〜最期に死ぬ時。』日本映画
母と一緒に行きました。これも大笑いしていました。偶然に母の友人とばったり会って、後からお茶を飲みながら「最期の時」について話が弾み ?ました。映画を見てその映画の感想などを話すのもいいなと思いました。このシリーズは後2つあるそうなので、DVDでみようと言いながらはや半年です。

8位『マダムのおかしな晩餐会』フランス
個性的なマリア役を演じたロッシ・デ・パルマさんが大好きになりました。かなり下品な下ネタもあって楽しめました。人生にはこんなピリッとした思い出も必要ですね。

9位『ゲティ家の身代金』アメリカ
実際にあった誘拐事件で興味がわきました。1973年に起こったアメリカの大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された事件のことは母がとてもしっかり覚えていて「誘わなくてごめんね」と言ったら「痛い場面があったはずだから、これは見たない」と言ってました。
ゲティさんはケチで邸内に公衆電話を設置したエピソードには母も驚いていました。

10位『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』 スウェーデン、デンマーク、フィンランド映画
テニス好きな友人たちと3人で観ました。私以外の2人はコンビを組んでテニスをするくらいの腕前で、俳優さんの身体のこなしに時々小さく声をあげていました。冷静なボルグ、やんちゃで気が短いマッケンローが最後には仲良くなるところに感動しました。
posted by ミッキー at 02:14| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする