2022年01月09日

Netflix映画ベストテン(3位以下は順位なし)

1位Netflix『クイーンズ・ギュンビット』スコット・フランク監督、脚本/アメリカ/アニヤ・テイラー=ジョイに主演女優賞
アメリカ、ソ連の冷戦時代のお話。アメリカの孤児院で育った少女ベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)は、8歳のころにある中産階級の夫婦の元に養女としてもらわれた。それまで孤児院で用務員をする男にチェスの手解きを受けていたが、教官に見つかりそれもできなくなった。そんな頃に養子縁組の話がきた。もらわれて行った先は夫婦仲がわるく、妻がベスを可愛がるのを見て、夫はこれ幸いとはがりにほとんど家には寄り付かなくなった。そんな時、とある店先でチェスの月刊誌を見つけて、応募すると……。

★まずチェス超天才少女ベスのアニヤ・テイラー=ジョイが素晴らしい。この子は『ウィッチ』や『スプリット』でホラー映画の新星❗️と言われていたが、ここではチェスで人生を開いていく役を演じている。あまりシリーズものは見ないが、シドニーの娘が是非みて、と言うので見た次第。話の展開も無理なく、ソ連の世界一王者に向かっていく気迫はすごかった。緊張から薬物に溺れたり、いくつかの恋愛もあったりと8歳から22歳を色濃く描かれていた。

2位Netflix『Leave No Tracek 足跡はかき消して』デブラ・グラニック監督/アメリカ/108分/2018年(劇場未公開 DVDなし)監督賞
陽もささない森林を歩く父娘。森の中でテントなどを張って生活をしている。手作りの道具、木の先を削って火をつけて煮炊きもしてる。手つきが慣れているのを見ると森の中で生活している様子だ。たまに身ぎれいにして町に出て食料を買う。お金は退役軍人の年金が出るのか、町に出たついでに保健局に行って薬をもらって自分では飲まないで森に住むホームレスに売って少しばかりの現金があるのか、最低限必要なものはかっていた。だが森の伐採業者に見つかり、取り調べの結果、福祉の手が差し伸べられて、住居、仕事、学校まで話が進み……。娘を連れて、又森へ。だが娘は

★こんな素晴らしい作品が公開されていなくて、DVDにもなっていない。Netflixで期間限定でやっていて、偶然9月2日までと書いてあったので夜中に一気見した。森に住む男は兵役後精神を病んで幼い娘と共に知恵を絞って森で生活していた。福祉の手によってだんだん人間らしく生活環境が整えてられたが、男は何故か再度、森に入る。娘は新しい生活に目を輝かせているが父親に背けずついていく。もう何年か前に藤本幸久監督が、戦争体験を持つ若者たちのその後を追った8時間以上にわたる長編ドキュメンタリー『アメリカー戦争する国の人々』を見たことがあって、従軍後、ホームレスになって森に住んでいる人々の存在を知った。その人たちも薬をもらっていたが、2級品のものしかくれないと怒っていたのを思い出した。

3位Netflix『相撲人』マット・ケイ監督、脚本、撮影/イギリス/19分/作品賞
ふっくらまあるい日和さん。ニコニコ乙女顔と相撲試合の「男前」真剣顔、両方とも魅力的だ。彼女の今までを検索してみた。1997年8月21日青森県で生まれ、少年力士だった兄の影響で小学校1年生で相撲を始める。中学校の相撲部に入ったが高校生になると男女の実力差が大きくなるため、母校の中学校の男子相撲部員を相手に稽古。2014年と2015年の世界女子ジュニアで優勝。2016年に立命館大学に進学。2018年と2019年の相撲世界選手権では無差別級で準優勝。彼女を取材した短編ドキュメンタリー映画『Little Miss Sumo』はロンドン映画祭で上映。日本では2019年に『相撲人』という題名でNetflix公開。2019年にはBBCの「今年の100人の女性」に選出された。大学卒業後は実業団相撲のアイシン精機相撲部に初の女性部員として加わり、社員の福利厚生を担当している。将来は相撲の五輪競技化のために力を尽くすことを目標にして精進している。女子相撲映画で他に一押しなのがイギリス映画『恋はハッケヨイ!』(イモジェン・キンメル監督、脚本/2000年公開)相撲に夢中になる太め女性たちを描いている。DVDあり。

Netflix『この茫漠たる荒野で』ポール・グリーングラス監督、脚本/アメリカ/脚本賞、ヘレナ・ゼングルに子役賞
南北戦争が終結してから5年。退役軍人のジェファソン・カイル・キッド(トム・ハンクス)は、各地を転々としながら世界のさまざまなニュースを読み伝える仕事をしていた。
その旅の途中、森の中でキッドはジョハンナ(ヘレナ・ゼングル)という少女と出会う。6年前にネイティブアメリカンに連れ去られ、そこで育てられたジョハンナは、英語もわからず、多田ひとり壊れた馬車の中に潜んでいた。見かねたキッドは、彼女を親族のもとへ送り届ける役目を渋々引き受けるが……。

南北戦争は1861年から1865年。それから5年後が舞台。キッドはテキサス州を転々として、そこで暮らす人たちに新聞を読んで解説したり、世界各地のニュースを時には冗談を交えたりして聞かせている。小さな会場だが満員で、きっと文字も読めない人もいただろうから、そんな仕事も人々にとって楽しみにしている様子が伝わってきた。新聞を読み解く知性と喋りのうまさ、比喩の仕方などトム・ハンクスならではの役。そして少女役がトム・ハンクスと対等に演じている新星❗️南北戦争後の目を覆いたくなるほどの不穏な社会と、心が固く結ばれていく2人のロードムービーをご覧いただきたい。

Netflix『マ・レイニーのブラックボトム』ジョージ・C・ウルフ監督/アメリカ/歌手賞
1920年代のシカゴ。ある暑い日の午後、ブルースの母と呼ばれている歌手マ・レイニー (ヴィオラ・デイヴィス)のレコーディングが行われる予定だった。時間になってもマ・レイニーは来ず、待ちくたびれたバンドのメンバーたちは皮肉を交えたバカ話をしていた。
その中でも一番若いトランペット奏者のレヴィー(チャドウィック・ボーズマン)は給金以上する靴を買って自慢げに見せびらかしていて、自分の解釈でレコーディングすることになったと鼻高々に演奏し始める。マネージャーがヤキモキする中、マ・レイニーがやってきて「そんな話は聞いていない」とピシャリと言い放つ。彼女は自分のやりたいようにやると言い張り、白人のプロデューサーと楽曲制作の主導権をめぐって対立して……。

★この作品で主演男優賞にノミネートされているチャドウィッグ・ボーズマンさんは去年2020年8月にお亡くなりになった。自分の才能に自信があり夢を追い続けているトランペット弾きのお兄ちゃんという、ちょっと突っ張った若者を演じていた。一方のマ・レイニー演じるヴィオラ・デイヴィスさんはどんな小さなことでも頑として譲らない強い女、声は太いが高音低音の響きが統一されていて体全体が「楽器」になっていた。メイキング映像もNetflixにあってそれも併せて見ていただきたい。

Netflix『ラターシャに捧ぐ〜記憶で綴る15年の生涯〜』ソフィア・ナーリ・アリソンの監督/アメリカ/話題賞
1991年3月16日にロサンゼルスで起きた、韓国系アメリカ人経営の個人商店主による黒人少女射殺事件。犠牲となったラターシャ・ハーリンズの15年間の人生と衝撃的な事件の顛末を、彼女の従妹シャイニー・ハーリンズと親友タイビー・オバードの証言を通して振り返る。

★この暴動は世界発信されたのでよく覚えている。射殺されたラターシャは成績はオールAで親切な女の子で、親友のタイビーが集団の男の子にいじめられていた時に助けてくれたのが縁で仲良くなった間柄で、事件を振り返っている間も涙が止めどもなく流れていた。この事件は2018年に公開されたハル・ベリー主演の『マイ・サンシャイン』でも描かれている。
ラターシャ・ハーリンズ事件の加害者は保護観察処分と500ドルの罰金で収監はなしの判決が下った。

Netflix『タルーラ〜彼女たちの事情〜』シアン・ヘダー監督/アメリカ
主人公のルー(エレン・ペイジ)は車上生活をしている自由奔放な若い女性。現住所がないので働き口は無く、盗んだりホテルのゴミ箱や客の食べ残しなどをボーイに見つからないように食べて、どうにか生きている。そんなある日、セントラル・パークで青年に出会う。青年はこの近くの高級マンションの住民だったが、話すうちに気が合って一緒に車であちらこちらに行くようになった。そんな車上生活も2年ほど過ぎた頃、無銭飲食やゴミあさりには飽きたから家に帰ると言い突然いなくなってしまった。腹が立ったルーはマンハッタンの高級マンションに住む彼の母親を尋ねるが、彼はいなくて母親マーゴから相手にもされず追い出されてしまう。空腹で倒れそうになったルーは高級ホテルに入り込んで、ホテル通路に出ているルームサービスの残り物を食べていたら、急に部屋の扉が開き客室係と間違えられ、部屋に連れ込まれ「パーティに行くから赤ん坊の面倒見ていて」と多額なチップをくれて出て行ってしまった。部屋には一歳ぐらいの裸の赤ちゃんがいて、ほっておくわけにもいかないので面倒を見ていた。そんな母親(タミー・ブランチャード)はグデングデンに酔っ払っていて寝込んでしまい、このままでは赤ん坊はどうなることかと、ルーは赤ん坊を抱いてホテルを出た。それからもう一度マーゴのマンションに行って「あなたの孫です」と嘘を言うと……。

★これは掘り出し物。出ているのはヘレン・ページ、エリソン・ジャネイ。最後は涙が出てしまった。この3人の女性は、年齢も生活レベルも違っているが、内面は「孤独」で、3人の縁ある男は皆、身勝手。そんな状況が浮き彫りにされていた。

Netflix『ザ・キッチン』アンドレア・バーロフ監督、脚本/アメリカ/102分/撮影地(ヘイズキッチン)賞、マーゴ・マーティンディルさんに助演女優賞
時は1978年。舞台はマンハッタンのヘルズキッチン。そこに住むキャシー(メリッサ・マッカーシー)、ルビー( ティファニー・ハディッシュ )、クレア(エリザベス・モス)の3女性は夫がアイルランド系ギャング組織の人間で強盗事件を起こして刑務所に。組織からはほんのわずかばかりの生活費のみで納得できない3人は、協力して組織のナワバリの店から「みかじめ料」を受け取る仕事をする。もちろん組織が認めない。キャシーたちはそれでも組織を敵にまわして戦う。

★3人の女たちが闇の男社会でのし上がっていくのは面白い。都合の良い展開と思うが、それぞれ3人は差はあるが夫に大きな不満を抱えている。みかじめ料も取るだけとって何もしてくれない組織より彼女たちの方が目を配ってくれるなど評判がよくてお金も入ってくる。
粗末な身なりだった彼女たちの洋服、持ち物、ヘアスタイルがどんどん良くなっていくのも良かったし、殺しの場面も、死体細切れ作業もちゃんと見せてくれた。(結構、たくさん殺しているから、心配になる)

Netflix『群がり』ジュスト・フィリッポ監督/フランス
虫が嫌いな方は、始まりから5分以上見ていられない作品。群がってくるのはイナゴ。正確には「群がるぐらい繁殖させて、それを粉末にして小麦粉に混ぜて……」という商売をするシングルマザーの物語。

★イナゴの甘露煮は山形ドキュメンタリー映画祭の土産物屋さんに売っていたのを見たことがある。確かに若いときに食べた記憶があるが、この作品を見たら今後口にしたくない!と思った。シングルマザーと娘の二人暮らしでイナゴを繁殖させて生活を立て直そうとしたがなかなか繁殖しない。そんな時、腕に傷をおって血が出ているところにイナゴが吸いよってきて……あ、あ、もうこれ以上、想像だにしたくない(ぐらいホラー度が高くミッキー的には超オススメ)。
 
🎬『イカゲーム』ファン・ドンヒョク監督、脚本、製作/韓国/話題賞、編集賞
シドニーに住むオージー婿のエディが面白いから是非に、と言ってくれたがいろいろ忙しくて今日やっと時間が取れて、婿と話を合わせるためにちょっとだけ見ようとNetflixを開いたが、想像とは違って(ゲームものかと軽く思っていた)いた。

★集まってくるのはお金に困った人ばかりで抱える事情もいろいろ。人間ドラマの要素も入っていて見応え十分だ。まずは出演者紹介。
ギフン(イ・ジョンジェ)
開業した飲食業が失敗に終わり、現在は運転代行の仕事をしている47歳。3年前に離婚し、今は借金取りに追われる日々を過ごしている。大金を用意する必要にかられ、駅のホームで出会った謎のメンコ男の招待を受け、ゲームに参加することに。ゲーム参加番号は456番。
サンウ(パク・ヘス)
ギフンと同じ町、同じ高校で育ったソウル大学出身の秀才。証券会社でチーム長を務めていたが、顧客の金を横領して先物取引などをして失敗。莫大な借金を抱えることに。ゲーム参加番号は218番。
イルナム(オ・ヨンス)
脳腫瘍があるため余命が長くないと告白するヨボヨボの老人、ギフンはなにかと手助けをして親切にする。ゲーム参加番号は001番。
ミニョ(キム・ジュリョン)
ゲームで生き残るために、ドクスの仲間になろうと取り入る男好き中年女性。ゲーム参加番号は212番。
セビョク(チョン・ホヨン)
競馬場でギフンとぶつかった際に彼の金を盗んだスリ。脱北者で家族のために大金が必要なためゲームに参加する。ゲーム参加番号は067番。
ドクス(ホ・ソンテ) 
暴力団組織の人間。カジノで大負けして大きな借金を背負っている。ゲーム参加番号は101番。
アリ(アヌパム・トリパシ)
パキスタンから韓国に来て働いている男性。ピンチを救ったことをきっかけにギフンたちと行動を共にすることになる。ゲーム参加番号は199番。あ
ジュノ(ウィ・ハジュン)
行方不明の兄を追ってゲームの会場へ忍び込む刑事。他に思いがけない韓国大スター登場❗️
とにかく、子どもの遊びを模して命懸けのゲームをして、負ければ即座に殺される。殺された人は臓器をとられるのかと思ったが目的はそうではなかった……。これ世界のいろんな国で見られて凄いことになっている。その割にはお金はそう掛かっていないみたいで、最後にわかる有名俳優、最後のドンデン、主演ギフンの決断が見もの。是非、ご覧いただきたい❗️
posted by ミッキー at 05:36| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月08日

アニメ映画ベストテン(4位以下は順位なし)

1位🎬『トゥルーノース』清水ハン栄治監督、脚本、プロデューサー/日本、インドネシア/監督賞
世界に発信される会議場で1人の男が体験談を発表する。彼は1995年に北朝鮮に父母と妹の4人で幸せに暮らしていたが、父のいわれもなき罪で逮捕され、残った家族は強制労働収用所に。そこから始まる想像を絶する家族の物語。

★強制収容所の実態をアニメで描かれている。そんな中で家族、収容所の仲間たちの絆も描かれていて見やすくなっているが、一方、収容所の取り締まりの男や所長の憎々しげな悪相もアニメで描かれると一層憎しみの度合いが増していた。監督さんが収容体験をもつ脱北者にインタビューをして10年の月日をかけて作品を作り上げた。2020年度フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で上映された。

2位🎬『ジュゼップ 戦場の画家』オーレル監督/フランス、スペイン、ベルギー/作品賞、新人監督賞
実在する画家ジュゼップ・バルトリを主人公にしたアニメ映画。1939年まで続いたスペイン内戦でフランスへ逃れたジュゼップは収容所に収容された。その悲惨な様子をフランス人憲兵の目を通して描いている。

★このアニメは、歴史に裏付けられた大人味のアニメ。収容所の土、欠けたコップ、壁に描かれたジュゼップの絵が、平和、平穏を願う「今」の気持ちにぴったりとくることを請け合う。実在のスペイン人画家ジュゼップ・バルトリはフランスの強制収容所で難民となったが、その後メキシコへの亡命。フリーダ・カーロと恋仲の間柄。オーレル監督は「ル・モンド」などで活躍する風刺挿絵家。この作品で長編デビュー。

3位🎬 『JUNK HEAD』堀貴秀監督、原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果/日本/コマ撮りアニメ賞
環境破壊が進み、地上では人間が住めないほど汚染された。人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを作るが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取ってしまう。それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失う。絶滅の危機の人類は、地下で独自に進化をしていたマリガンの調査を開始する。その為の調査員に応募した若者のダンス教師は、調査中に死と隣り合わせになったことで命を実感し、マリガンたちと協力して人類再生の道を探るが……。

★不思議な雰囲気のキャラクター、言葉になっていないようなセリフで、会場内は全員が固唾をのむ状態でスクリーンに釘付けにされていた。堀貴秀監督は独学で7年の歳月をかけて制作。カナダ・モントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞。世界的に高く評価されたSFストップモーションアニメ。いつも花開くコリアアニメーションでニコニコ対応してくださるスタッフの三宅敦子さんが子どもらの声を担当なさっていて最後のエンドロールで何度もお名前が出ていたので大感激した。

4位🎬『整形水』チョ・ギョンフン監督/韓国/85分/映画題名賞

人気タレントのメイクを担当しているイェジは、幼い頃から顔に劣等感を持っていた。今はタレントのメイクを職業としているが、タレントからは嫌味を言われて、自暴自棄になっていた。そんなイェジのもとに、業界で噂になっている「整形水」が届く。それは、顔をつけるだけで思い通りの容姿に変わることができて、後遺症も副作用もない奇跡の水だという。美しくなって新しい人生をと、整形水を試すが、しばらくすると周囲で不思議な出来事が起こるようになって……。

★整形なら韓国が一般まで普及していると聞いたのは約15年前。就職前に整形するのは珍しくないと聞いて信じられなかった。だから、この整形水というそそられる題名だ。アニメとも知らずに来てしまったが、アニメ以外では描けなそうにない展開。父母には可愛がって育ててもらったイェジは「ブタ」と影では呼ばれているメーキャップさん。美しい女優にメイクを施している太めの女性だ。それが「整形水」の力で超々美人に。親も自分の娘と信じられないほどになる。美への欲望がより一層強まっていくが心は安らげなくて、ついに……。「整形水」の本当の目的も、オチもある。韓国ならではの展開だった。

🎬『映画クレヨンしんちゃん謎メキ!花の天カス学園』高橋渉監督
しんのすけたちは風間くんの強い誘いで全寮制超エリート校「私立天下統一カスカベ学園」通称天カス学園に1週間の体験入学をすることにした。初の学園生活に胸を膨らませたさんのすけたちだが、この学園には「正体不明の吸ケツ鬼」にお尻を噛まれるという怪事件が多発していて、噛まれると「お馬鹿」に変貌するなどと噂が流れていて……。

★大人も夢中になる「子どもキャラクター」のNo.1のクレヨンしんちゃん。試写も入りが多い。今作はしんちゃんたちがエリート校に体験入学のお話。最初、しんちゃんとお別れするママの寂しがりようが面白い。1週間の体験入学なのに日頃結構邪険?にしているはずが、シーンと静かになったお家でしょんぼりするママ。この体験入学をきっかけに絶対特待生になりたい風間くんと意見が分かれて仲違いしたり、学園の秘密を探り当てたりとここでもしんちゃん流が炸裂する。

🎬『漁港の肉子ちゃん』渡辺歩監督/Cocomiに声優賞
愛情深い性格で今までダメ男ばかりに何度もだまされてきた母・肉子ちゃん(声:大竹しのぶ)はおデブで子どもみたいに純粋な母だ。肉ちゃんの一人娘キクコ(声: Cocomi)は小学5年だが母とは正反対で落ち着いていて考え深い大人びた性格だった。二人は肉子ちゃんの恋が終わる度に各地を放浪していて、今は北の漁港の町へ流れ着いていた。漁港で途方にくれる母娘に手を差し伸べてくれたのは、焼き肉屋「うをがし」の店主・サッサンだった。

★明石家さんまさんが企画とプロデュースで、元妻とCocomiさんが声の出演をしている。大竹しのぶさんの声は以前『借りぐらしのアリエッティ』で良い印象がなかったので期待せずに観たがこの作品はいろんな声の出し方をしていて良かった。Cocomiさんが出ているとは後から知ったが「おそれいりました!」レベル。エンドロール後に非常に面白い映像が流れる。

🎬『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』ウィル・グラック監督/アメリカ/全員に吹き替え賞
ピーターの大好きなビア(ローズ・バーン)は、宿敵のマグレガー(ドーナル・グリーソン)と結婚。ピーターを目の敵にして「イタズラばかりするな!」「大人しくしてろ!」と叱られる毎日に嫌気がさして、生まれ育った湖水地方を飛び出して都会にたどり着いた。偶然、亡き父の親友だったというバーナバスに出会ったピーターは、彼から都会で生き延びるための盗みを学び、彼に認められようと悪事を重ねていって……。

★時間の都合で吹き替え版を観たが正解だった。いろんなことが次から次へと起こるから字幕だったら置いてきぼりを食うところだった。お子さまがどこまでストーリーを追いかけられるかわからないが、ピーターラビットのいとこのベンジャミン、三つ子の妹フロプシー、モプシー、カトンテールたちのあどけない表情を見ているだけで温かい気持ちになった。声の出演、全員⭕️

🎬『竜とそばかすの姫』細田守監督、原作、脚本/映像賞
高知の自然豊かな田舎町。17歳の女子高生すず(声:中村佳穂)は幼い頃に母を川の事故で亡くし、父と2人で暮らしている。母と一緒に歌うことが大好きだった彼女は、母の死をきっかけに歌うことができなくなり、心を閉ざすようになる。ある日、全世界で50億人以上が集う仮想世界「U」と出合ったすずは「ベル」という名前でおそるおそる参加することした。その世界では自由に歌うことができて自作の歌を歌ううちにベルは世界中から注目される存在となっていくが……。

★インターネットの架空空間と現実(田舎)生活が納得いく展開と美しい映像で描かれていた。映画の始まりの部分で「欠けたマグカップ」で紅茶を飲む高校生のすずや「手すりもない長い木橋」の危うさに、この物語がどう進んでいくのかと不安になった。その不安感はすずの生い立ち、歌が歌えないという劣等感を「異空間」のもう一人の自分(ベル)を誕生させる。仮想空間の膨大さと落ち着いた田舎田園風景の繋ぎ方も申し分なかった。ほとんど俳優さんで声をやっていたが、違和感は全くなかった。あとからお名前を見て驚いたぐらいだ。

🎬『ラーヤと龍の王国』ドン・ホール、カルロス・ロペス・エストラーダ監督/アメリカ
龍の国「クマンドラ」はかつては聖なる龍たちに守られた人と龍が共存する平和な王国だった。しかし突然現れた魔物ドルーンとの戦いですべての龍が石となってしまった。残された人は信じあう心を失い王国は4つに分断されてしまう。「龍の石」の守護一族の娘ラーヤ(声:ケリー・マリー・トラン/吉川愛)は 父の教えを胸にバラバラになった王国を再び一つにするために、伝説の「最後の龍・シスー」を探す旅に出るが……。

★龍の王国での少女の戦いと成長を描くディズニーの長編アニメーション。ラーヤには守ってくれる人間はいないが、旅のお供はいつもトゥクトゥクだけ。時には体を丸めて車がわりになってくれる強い味方。旅の途中で出会い味方になってくれる中に、赤ちゃんなのにその愛くるしさを武器にラーヤを助けてくれるのもあって他のアニメにはないキャラクターで楽しませてくれた。シスーの声は『フェアウェル』のオークワフィナさん。

🎬『アーヤと魔女』宮崎吾朗監督/83分
10歳の孤児アーヤ(声: 平澤宏々路)は、楽しい子どもの家で何不自由なく暮らしていたが、ベラ・ヤーガ(声:寺島しのぶ)と名乗る派手な女とマンドレーク(声:豊川悦司)いう長身男の怪しげな2人組に引き取られることになった。魔女だというベラ・ヤーガは手伝いがほしかったからアーヤを引き取ったと言い、魔法を教えてもらうことを条件に、アーヤは助手として働きだしたが……。

★1990年代のイギリスを舞台に、自分が魔女の娘とは知らずに育った少女アーヤが、奇妙な家に引き取られ、意地悪な魔女と暮らすというお話。キャラクターや背景が独特でアーヤの気性のユニークさがとても際立っていた。あとから声の出演の方々を、寺島しのぶ、豊川悦司、濱田岳と知ったが違和感は全くなかった。


posted by ミッキー at 11:09| Comment(2) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月06日

ホラー映画ベストテン(3位以下は順位なし)

1位🎬『ヒッチャー ニューマスター版』ロバート・ハーモン監督/アメリカ/作品賞
シカゴからサンディエゴへ車の輸送の仕事をしている若者ジム・ハルジー(C・トーマス・ハウエル)は、配送の途中に嵐で困っているヒッチハイカーを車に乗せてあげた。しかし、ジョン・ライダー(ルトガー・ハウアー)と名乗る男は、ジムにナイフを突きつけて「俺を止めてみろ」と脅してきた。その時は隙を見て車から突き落としたが、それから何度も何度もジムを襲ってきて……。

★殺人ヒッチハイカーを親切で乗せたために、狙われ続ける若者の恐怖を描いたサイコ・スリラー。どう見てもジムが「犯人」扱いになる展開で「僕は被害者、犯人は別の男だ」といっても誰も信用してくれない。職場に電話しても来週の月曜日まで休日で電話が繋がらないし、兄の家も電話にでない。そんな中、店の人、警官、旅行者が次々と殺されていく。だがジムだけは殺さない。「こいつはオレの身代わりに捕まってもらおう」と思っていたのか、いたぶりイジメしていただけか、不気味な男だ。CGで見慣れている目には全編CGなしは新鮮で、パトカー3台が揃って横転するシーンなど見事だった。

2位🎬『リカ 自称28歳の純愛モンスター』松木創監督/99分/主演女優賞/美術賞
山中でスーツケースに入った本間隆雄の死体が発見された。本間は3年前に逃走犯の雨宮リカ(高岡早紀)に拉致され行方不明になっていた。警視庁捜査一課の奥山次郎(市原隼人)はリカをおびき寄せるため、偽名を使ってマッチングアプリでリカを探し出すことに成功するが……。

★こんなに恐ろしい画像がでるとは!怖もの好きなミッキーもギョッとなった。それが2秒ほど確か3回も。 いや、これには参ったというか「美術さん、お見事!」としか言えない。ネタバレすれすれで書くと「天然物・ふくわらい」だ。まあ怖い物平気な方には是非是非オススメ。高岡早紀さん、バッチリ28歳! お美しい!

3位🎬『人肉村』エイドリアン・ラングレー監督、製作、脚本、撮影、編集/カナダ/メイキャップ賞
ドライブ旅行に出かけた男女4人の若者たちが緑豊かな田舎の一本道を走っていたところ、車が故障して立ち往生。そんな彼らを森の陰から「獲物」として狙う者たちがいた。この近くに住むワトソン一家だ。道に迷ったり、故障して困っている者を捕まえては、男は食料、女は繁殖の道具に利用していた……。

★村といっても村人として出てくるのは3人+1。この「1」は最後の数分でドドドドーン!と(アカデミーのメイキャップ賞を軽々受賞するレベル)登場。餌食になるのはたまたまこの村はずれの一家の近くで車が故障した人たち。獲物(食べ物)が無くなると道に仕掛けるのか?とも勘ぐれる。男は新鮮なうちに切り刻み(おしいことにその実行現場の1秒手前で映していない、残念)、女は(3人出てくるが美人揃い)繁殖用。この村は本当に村人数人か?と思うほど誰もいない。助けを求めて行くガソリンスタンドも事故車をレッカーして行くおじさんも数人の村人に入っている。ストーリー展開はミッキーの想像を超えるものではないが、囚われた人や村人が飲んだいるシーンは少しあるが「食べている」シーンはないのが残念だった。

🎬『殺人鬼から逃げる夜』クォン・オスン監督、脚本/韓国/新人監督賞
聴覚障害を持つギョンミ(チン・ギジュ)は、ある夜、会社からの帰宅途中で血を流して倒れている若い女性を発見する。連続殺人でサイコパスな殺人鬼(ウィ・ハジュン)は、唯一の目撃者であるギョンミを次のターゲットにして執拗なまでに追いかけて来る。ギョンミは必死に夜の街を逃げまわるが、聴覚が不自由な彼女には追いかけてくる犯人の足音も聞こえず、助けを呼ぶ声も出ないギョンミを、ドシクはゲームを楽しむかのように追いつめてきて……。

★優しげな青年が犯人。ターゲットは若い女性だが、耳が聞こえないと知ると興味を持ったらしく執拗に追い詰めて来る。男は口がうまく、嘘も上手いので、伝えることがもどかしいギョンミより男の言うことを信じてしまうのだ。大通りの人だかりの中で助けを求めても、男は「実は妹で、家出するので止めているのです」といえば皆納得してくれて、逃げ隠れていると「ここに隠れていた」と引きずり出されてしまう。時々、画面から音が消えて観ている側にも彼女の聞こえない状態を教えてくれたり、耳が不自由だから音量を光の強さで示したりして工夫をしていた。

🎬『ロックダウン・ホテル 死・霊・感・染』フランチェスコ・ジャンニーニ監督、脚本/カナダ/話題賞
街ではたちの悪いインフルエンザが猛威をふるっている時に、とあるホテルの一室で謎の殺人ウイルスの感染が始まる。数時間後、ホテルのある階の廊下は、数人の感染者が苦しみのたうちまわっていた。いろんなしがらみから逃れるようにこの地にやってきた日本人妊婦のナオミ(釈由美子)は、表向きは仕事で来たことにしているが、この地で子どもを産んで親子で暮らそうと思っていた。ナオミは、このホテルに来る時に知り合って、たまたまホテルも階も同じだった家族連れの女性とは挨拶程度の話をする様になった。ナオミは部屋に入りひと休みしてから日本に住む母親に電話をかけている途中にからだの異変が起きて……。

★釈由美子さんが出演し、謎の殺人ウイルスの感染爆発に襲われたホテルを舞台に描くカナダ製パンデミックホラー。これコロナ前の2019年に撮影した作品。といっても感染ものは常にホラー映画では常套内容だからミッキーは「これ今を予測した」とは思わない。だけど、見応えあり!ナオミの人生にも問題ありだが、ちょっと縁があった家族連れの女性の人生の方が色濃く描かれていた。そしてこの階の下ではお金持ちの集まるチャリティーパーティーが開かれていてまるで別世界。エンドロール中に流れるニュースにご注目。

🎬『屋敷女 ノーカット完全版』アレクサンドル・バスティロ&ジュリアン・モーリー監督、アレクサンドル・バスティロ脚本/フランス/出血サービス賞
クリスマスイブの深夜、妊婦サラ(アリソン•パラディ)の家に黒い服を着た不審な女(ベアトリス・ダル)が訪れる。女が家に押し入ろうとしたためサラが警察を呼ぶと、女は姿を消す。だが女はすでに家の中に侵入していて、ハサミでサラに襲い掛かる。女の目的もわからず、洗面所に閉じこもり身を守るが……。

★これ、日本で公開された2008年のミッキーの鉛筆書き日記に評が書いてあった。「お客は8人、血がドバッと出た瞬間思わず笑った!ここまでヤル女、絶対理由があるはずと思って最後で。。やっぱりそうだった。2度は観たくないけど面白かった。と、かいてあった。ノーカットの部分はどこだかわからないが、きっとハ〇〇を使って最愛のものをとりだすシーンかなと思うがDVD借りて確かめる気はない。血の出るシーンでいいところが2カ所あった。血の量は今年の第一位になるはず。

🎬『RUN ラン』アニーシュ・チャガンティ監督/アメリカ/監督賞
郊外の一軒家で暮らすクロエ(キーラ•アレン)は生まれつきの病気のために車椅子生活を送っていた。しかし、彼女は大学への進学を望み自立しようとしていた。そんなある日、クロエは自分の体調や食事を管理してくれる母親ダイアン(サラ•ポールソン)にあることがきっかけで不信感を抱き始める。クロエは新しい薬と言ってくれる緑色のカプセルをやっとの思いで調べてみると……。

★これ、上出来。究極の子ども私物ホラー。

🎬『野良人間 獣に育てられた子どもたち』アンドレス・カイザー監督、脚本/メキシコ/撮影賞
1987年、メキシコ南西部の都市オアハカ郊外の山岳地帯の民家で火災が発生、家屋は全焼した。焼け跡から家主のファンと3名の子どもらの遺体と1本のビデオテープが発見される。そのテープは紛失するが、2017年に見つかる。テープに映っていたのはまるで野獣のように野生化した子どもたちだった!約30年前、何が起きたのか……。

★目を疑いながら見入ってしまった。「このフィルムは当時の実録か?」「誘拐されて森に捨てられたのか?」等々疑問は残るが、どこにも届けずに子どもらを根気よく自力で育てた様子が映し出されていた。ファンは元聖職者であったが「信仰を証明するために精神分析医の診断」を受けた結果、異端視扱いされて修道院を追われた。彼自身は母親からの強烈な支配が過去にあって「神に仕える」以外の経験はなく成長した。テープには、ファンが深い森の洞穴で獣に育てられた少年を発見、どこにも届けないで隣家の人に他言しないように頼み、その男の子に言葉を教え、教育する様子が映されていた。泥まみれから多少こざっぱりするまで相当な日が経っているようだ。食べ物も犬食いだったが手掴みになり、コップから水を飲めるようになり、火が熱いこと、温めてくれること、燃えてしまうと物がなくなってしまうことなども映されていた。ようやく落ち着いた二人の関係は、新たに森で2人の少年少女を保護したことで力関係が狂ってくるのだ。この少年少女の洞窟住処は獣に育てられた子ではなく、明らかに時々人が来ているように感じた。観ているうちに「ホラー」がミッキーの頭からすっ飛んで「ドキュメンタリー」に変化していた。

🎬『ドント・ブリーズ2』ロド・サヤゲス監督、脚本/アメリカ/主演男優賞
盲目で孤独な老人の家に押し入った若者たちが、思いがけない反撃と恐怖を味わう様子をホラー映画『ドント・ブリーズ』の続編。あれから8年。盲目の老人(スティーブン・ラング)は同じ屋敷でひとりの少女を注意深く大切に育てていた。学校にも行かせず、街に買い物に行くのも神経を尖らせていた。そんな2人のところに、謎の武装集団が現れた。目的は少女を奪い返すことだった。

★続編と聞いていったが前の話の続きではない。設定(盲目の老人の家に押し入り、反対に大変な目にあう)が同じの続きというわけ。だから1を観ていなくても全然大丈夫。育てている女の子は誰?押し入って来たのは少女に関係する人?などは書けないが、1と比べると「激しいアクション、グロいシーン」が多い。フェデ・アルバレス監督からロド・サヤゲス監督に。サム・ライミは引き続きプロデューサーをしている。

🎬『レリック 遺物』ナタリー・エリカ・ジェームズ監督、脚本/オーストラリア、アメリカ
木々に囲まれた町に一人暮らししていた老母エドナ(ロビン・ネビン)が1週間姿が見えないという警察からの通報を受けて、娘ケイ(エミリー・モーティマー)とその娘(エドナの孫・ベラ・ヒースコート)が駆け付けて、家の中や回りの森を警察や近隣の人と探したが一向に見つけることは出来なかった。もう諦めかけていた頃(多分1週間ほど経って)何もなかったかのように平然と戻って来たエドナ。いろいろ聞き出そうとするが……。

★警官から最後に話したのはいつですかと聞かれて言葉につまった娘。年老いた母親を数ヵ月連絡も取らなかった自分を反省していた。広い家は見た限りではきれいにしてあったが、寝室、納戸からは据えた臭いや至るところに張り紙がしてあった。まあ、ここまでは想定どおりだが、エドナの妄想、妄言に振り回される娘と孫。エドナは本ボケと思ってみると孫娘に指輪を手渡して笑顔で接している。正気の時もあって見ていて不思議な気分になる。時折、家の内部からうめき声や妙な音が聞こえるが、これは娘も孫も聞いている。観ている観客も娘や孫がボケた老婆と古い家の物音で想像以上の恐怖を感じる、という初心者向けホラー。



posted by ミッキー at 21:42| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする