1位『リンダはチキンがたべたい!』キアラ・マルタ、セバスチャン・ローデンバック監督、原案、脚本
フランスのとある郊外の古い公営団地に暮らす8歳の女の子リンダと母ポレット。
ある日、母の大切な指輪の件で、勘違いされてひどくで叱られてしまったリンダ。
だがそれは間違いで心から謝る母に「死んでしまったお父さんの得意料理「パプリカ・チキン」を食べたいとお願いするが、その日はストライキで、町ではどの店も休業していた。
チキンを求めてあっちこっち奔走する母は、最後の手段で養鶏場からニワトリを盗み出して…….。
だが、ニワトリ一羽のために、警察官、運転手、団地の住民たち、友だちを巻き込んでの、大騒動になってしまう。
観たのは吹き替え版。安藤サクラ、リリー・フランキーらの不満はなかったが、やっぱり字幕版にすべきだった。画像とフランス語、歌う部分の曲の作りがフランス的なのだったので、残念。
でもこの回はミッキー1人っきりで貸し切り。
セリフはユーモアたっぷりだが、ユーモアの中にも「毒」があって、これもフランス的かな?と思った。
アヌシー国際アニメーション映画祭2023の長編アニメーション部門で最高賞にあたるクリスタル賞に輝いたアニメ映画。
★監督賞
2位『イヌとイタリア人、お断り! 』アラン・ウゲット監督/フランス・イタリア・ベルギー・スイス・ポルトガル
20世紀の初め、ウゲット一家はイタリア北部のウゲッテーラに住んでいたが、この地の生活では将来が見通せないと思い、一家は外国で生活を立て直すことを決めた。
言い伝えによれば、ルイジ・ウゲット(監督の祖父)はアルプスの山々を超えてフランスで新しい生活を始め、一家の運命を変えた。そんなルイジの人生を孫である監督が振り返る。
監督は祖父と父から工作の技術を伝授されたこともあって、一家の物語を映画制作に取り入れている。今作では祖父の物語を通してイタリア移民の歴史を織り込んで描いている。
色合いも音楽も大仰な描写はないが、当時のフランスで受けた差別や生活の貧しさが克明に描かれていた。監督さんがお小さい時には、そこら中のお店に「イヌとイタリア人お断り」の張り紙があったらしく、意味を聞くと「ここの犬はイタリア人が好きで噛み付くからだよ」と教えてくれたと語ってくれた。
どんな苦労も乗り越えられたのは「家族の団結と愛情」の賜物だ。この作品が公開されることを強く願う。
★作品賞
3位『ラーメン赤猫』清水久敏監督
猫だけで経営する「ラーメン赤猫」にアルバイトの面接を受けようとで訪れた若い女性・珠子(声:折原くるみ)は、店長文蔵(声:津田健次郎)の質問に「猫よりも本当は犬が好きで……」と答えた正直さが気に入られて、即、採用された。
しかし、そんな彼女が与えられた仕事は「猫たちの毛繕いのお世話係」だった。
猫が経営するラーメン屋なんて、どんなのだろう。アニメにしかできない。雇われた人間の女の子は、猫たちの毛繕いをする仕事。
一匹一匹彼女のいる部屋に「今、いいですかー」といって入って来て「うーーん、気持ちいい、疲れが取れるー」と言って大満足している。みんなラーメンに毛が入らないようにすごく気を張って仕事している様子。
「今まで、どうしていたのですか」と彼女が聞くと、「今までは仲間同士でやってたけど、相手もきっと疲れているだろうとかタイミングが合わなかったりして、けっこう気を使っていたんだよ」と話している。
なるほど、猫には猫なりの事情があって納得。声の出演も文句なし!
★原作は、集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」連載の人気漫画のテレビアニメ。「ラーメン赤猫」で働くことになった唯一の人間の珠子が、店員の猫たちと過ごす毎日を描いている。
★脚本賞
🎬『化け猫あんずちゃん』久野遥子、山下敦弘監督/日本、フランス
ある大雨の日、寺の住職が段ボール箱の中で鳴いている子猫を見つける。その猫を「あんず」と名付けて育てるが、不思議なことに20年が過ぎても30年経っも死なず、今では人間の言葉を話して人間のように暮らす「化け猫」となっていた。
現在37歳のあんずちゃんは、原付バイクに乗って移動し、マッサージ師のアルバイトをしている。ある日、親子ゲンカしたまま行方がわからなくなっていた住職の息子が、11歳の娘かりんを連れて寺に帰ってくる。
息子は金の無心ができないとわかると、かりんを残して出て行ってしまった。そこでかりんの世話を頼まれたあんずちゃんは、仕方なく面倒を見ることに……。
ユニークなアニメ❗️ちょっと硬くなった肉球でグイグイっとマッサージをお願いしたくなった。ご家族で楽しめること間違いなし❗️“
原作はいましろたかしの同名コミックを日仏合作で映画化し、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門に出品された長編アニメーション。
森山未來が主人公あんずちゃんの声と「動き」を演じていて、山下監督を中心とする実写班が撮影した映像と音声をもとに、久野監督を中心とするスタッフが動きや表情をアニメーション化する「ロトスコープ」の方法を用いている。
★ 森山未來に声優賞
🎬『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』瀬藤健嗣監督
おしりたんてい事務所に、かつての相棒スイセン(声:仲里依紗)からのメッセージが届く。スイセンが勤めるハッタンタウンのメットー美術館をはじめ、各地の美術館で多数の絵画が贋作にすり替えられる事件が発生しており、スイセンの師であるキンモク先生(声:津田健次郎)が、事件を起こしている秘密結社に贋作づくりを強要されているという。
スイセンの依頼は秘密結社の陰謀を暴き、キンモク先生を救いたいというものだったが、スイセンの様子はおしりたんてい(三瓶由布子)が知るかつての彼女とは違和感をおぼえて、敵か味方かわからない部分があった。
それでも依頼を受けたおしりたんていは、秘密結社との戦いの中で深手を負ってしまう。
随分前におしり探偵の試写『映画 おしりたんてい シリアーティ』があったが題名がおしりなので観に行かなかった。今回はいつも行くマッサージの映画好きな人が面白いというので、今回は行ってみた。
始まりは子ども向けだったらしいが今作は小学生では理解できるか?と思ったが、始めて観たミッキーも楽しめた内容で、けっこう大人向きな作りだった。
キャラクター、色づかいが独特でキャラクターと声の「合わなさ」が「癖」になる不思議なアニメで、意外なオチもあって楽しませてくれた。
★キャラクター賞
🎬『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』マーティン・ローゼン監督、製作、脚本/イギリス
英国ハンプシャー州に、サンドルフォード繁殖地というウサギたちの巣穴があった。
ある日、ウサギの中で予知能力をもったファイバーが「もうすぐ怖いことが起こる」と不安げに告げる。ファイバーの兄ヘイズルは、ウサギたちの長に避難を提案したが聞いてもらえなかった。
そこでヘイズルたちは、何羽かのウサギたちとともにその地を脱出する。しかし、そんな彼らの前に、予想もしなかった世界が待ち受けていた。
出てくるのはほとんどがうさぎで次に鳥、後はイヌ、ネコ、ネズミが少し出てくる。
でも描かれていることは「人間の世界」に酷似していた。40年前の作品だが平和を訴える力のあるアニメだった。
★1973年にカーネギー賞とガーディアン賞を受賞したイギリスの作家リチャード・アダムスによる名作児童文学をアニメーション化。
🎬『ロボット・ドリームズ』パブロ・ベルヘル監督、制作、脚本/スペイン、フランス
ニューヨークのマンハッタンに住み、深い孤独を抱えるドッグは自分の友人にするためにロボット一式を買い、組み立てて作り、友情を深めていき、楽しい日を送っていた。
夏になってドッグとロボットは海水浴へ出かけるが、ロボットが塩水で錆びついて動けなくなってしまう。どうにかロボットを修理しようと焦るドッグだったが、いろいろ助けるために右往左往するが、どれもうまく行かず、海水浴場にロボットを置いたままシーズンオフで閉鎖され、2人は離ればなれになってしまう。
セリフやナレーションがないので犬とロボットの表情が頼りだがいつのまにか頭の中でセリフが浮かんできた。
ニューヨークの四季の移り変わり、切なくも温かみのあるストーリーが心に響いた。
★アニメ背景賞
🎬『がんばっていきまっしょい』櫻木優平監督、脚本
美しい海、山の自然が広がる愛媛県松山市。三津東高校2年生の村上悦子(声:雨宮天)は、やりたいことも見つからず退屈な日々を過ごしていた。
そんなある日、彼女のクラスに転校生の梨衣奈(声:高橋李依)がやって来る。悦子と幼なじみで親友の姫(声:伊藤美来)は「ボート部に入りたい」と言う梨衣奈の願いに巻き込まれて、廃部となったボート部を復活させることになった。悦子は仕方なく名前だけ貸すと承諾したが…
女子ボート部が舞台になっているアニメ。お年寄りが選んで観る映画ではないのはわかっているが、ミッキーはとっても楽しめた。
キャラクターの絵柄が好み、言葉が今風だがきれいで丁寧、表情が可愛い。みんな高校3年でかなりレベルの高い高校なのに受験、成績の話はない。
でも、ボート競技を通じて「心を一つにしないと勝てない」のセリフにハッとした。この部活経験はきっとその後の生き方にプラスになると思う。
人生において「心を一つに」する出来事はどんだけあるかは人それぞれだが、そう簡単ではないということも教えてもらった
🎬『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』黒川智之
3年前の8月31日。突然、巨大な宇宙船が東京を襲来し、世界の終わりとなるかに見えたが、その後、絶望的な状況が続く中、日常に溶け込み、上空に母艦が浮遊している異様な光景が、当たり前となっていた。
そんな中、女子高生の小山門出(声:幾田りら)と「おんたん」こと中川凰蘭(声:あの)は、担任教師の渡良瀬(声:坂泰斗)や仲の良い友人たちと高校生活共に学生生活を送っていた。
不思議な長ーーい題名でびっくり。漫画家・浅野いにお氏の傑作漫画が原作で、2014年より「週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)」にて連載されたのを映画化。4月には後章も公開。
空には『第9地区』のような空母がデーンと浮かんでいて、そのために日陰になったと訴えている住民がいたり、高校生の女の子はそんなのお構いなしで付き合っている男子の話しや担任が好きな女の子はアパートまで行って告白したりと青春を謳歌している。
戦争と平和が同じ空間で違和感なしの「不思議調和」していた。よくよく考えてみれば空と地を「戦争している地と日本」に置き換えることができると感じた。
★ヘヤードレッサー賞
🎬『ソウルフル・ワールド』ピート・ドクター監督、脚本/アメリカ
ニューヨークでジャズミュージシャンを夢見ながら中学の音楽講師をしているジョー・ガードナーは、校長から正式の教員になったことを伝えられた。母親は給料もよく保険もつく教員に大喜び。
その嬉しいニュースに気をよくしていたジョーに、もっと素晴らしいニュースが舞い込んだ。それは憧れのジャズクラブで演奏するチャンスを手にしたのだ。もう気持ちはジャズマンに傾いていて、ウキウキして歩いていたら、マンホールに落ちてしまい「ソウル(魂)の世界」に入り込んでしまった。
そこはソウルたちが人間として生まれる前に、どんな性格、どんな興味を持つかを決める場所で、ジョーは、22番と呼ばれるソウルと出会うが、人間の世界が大嫌いで、何百年もソウルの姿のままだった。
生きる目的を見つけられない22番と、夢をかなえるために元の世界に戻りたいジョー。正反対の2人の先にどんな人生が待っているのだろうか。
魂の世界なら死後とか天国、または地獄に話がいきそうだが、このアニメは生まれる前の「魂」のお話。ユニークさが際立っている。
ニューヨークの下町(ブルックリンかな?)の深みのある色合いとソウルの住む淡い色の対比がとても効いていた。動きや展開が速いので吹き替えで良かった。声優さんも◎ ジャズ演奏も◎
★音楽賞
2025年01月09日
2025年01月08日
2024 ベストテン ホラー映画(1位から3位あり、他は順位なし)
1位『サユリ』白石晃士監督、脚本
やっと念願の一戸建てに引っ越してきた神木一家。祖父母も皆で暮らせるのを喜んでいた。
夢のマイホームでの生活がスタートしたが、どこからか聞こえる奇妙な笑い声とともに、家族が一人ずつ死んでいくという異常事態が発生。
神木家を襲う恐怖の原因は、この家に棲みつく少女の霊「サユリ」だった。
一家の長男・則雄(南出凌嘉)にもサユリの影が近づき、則雄はパニック状態に陥るが、そこへ認知症が進んでいた祖母・春枝(根岸季衣)がはっきりと意識を取り戻して「アレを地獄送りにしてや」と言い放つ。
則雄は祖母と2人、家族を奪ったサユリへの復讐に挑むが……。
押切蓮介の同名ホラー漫画を白石晃士監督が実写化。
日本映画のホラーでは今年一番の作品。おばあちゃん役の根岸さんに怪演女優賞だ。ホラー好きなお方は是非とも劇場に。
よく聞く音楽のオンパレードだが、展開や状況にピッタリで、上手く使われていた。
★監督賞、助演女優賞
2位『エルダリー/覚醒』ラウル・セレッソ、メスフェルナンド・ゴンザレス・ゴメス監督/スペイン
記録的な猛暑に襲われたスペインのマドリード。気温が上昇していく日々が続いていた。そんなある日、ナイア(パウラ・ガジェゴ)の祖母ロサが、祖父マヌエル(ソリオン・エギレオル)の目の前でバルコニーから身を投げた。そのことがきっかけで、マヌエルの様子もおかしくなってしまう。
マヌエルの息子マリオ(グスタボ・サルメロン)は、ロサが飛び降りたことによるショックのせいだと考えるが、マヌエルの様子は日々悪化していき、ついにはマリオら家族に対して殺意を向けるようになった。
一方その頃、最高気温を記録した街は、奇行を繰り返す老人たちが見受けられるようになって……。
地球規模の社会問題となっている温暖化と高齢化した人間社会を題材に取り入れ、異常気象によって老人たちが狂っていく様子を描いたスペイン発の異色ホラー。
この作品のどの分野を見ても手抜きなし❗️もちろん描かれていることは実際には起こり得ないが、その起こり得ない展開は、見ている者を巻き込んで、不可思議な世界に連れて行ってくれる。
★作品賞
3位『デストラップ 狼狩り』ショーン・リンデン監督、脚本/カナダ、アメリカ
猟師のジョセフ(デヴォン・サワ)は妻・アンヌ(カミール・サリヴァン)、娘・ルネ(サマー・H・ハウエル)とともに人里離れた森に暮らしていた。
アンヌは娘の教育のために近くの村に住もうと提案しても、ずっと山で暮らしていたジョセフは「ここで暮らせていけるように猟のやり方を教えているから、学校に行く必要はない」と言い張るばかり。
10歳ほどのルネは猟の仕方、銃の撃ち方、ワナの掛け方、獲った獲物の捌き方を着実に学び取っていて、他の知識も母親から教えてもらっていた。
このところ獲った獲物の毛皮の値段が下がり、生活も苦しくなってきていた。
そんなある日、野生の狼によって、罠にかかった獲物を食い荒らされたジョセフは、狼を狩るために新たな罠を仕掛けたが、森の奥で彼が発見したのは、明らかに異常な人間に惨殺された複数の登山者の死体だった。
音おどしはない。音楽は丁寧でどちらかというとおとなしくて上品。効果音もいい。だけど「映像おどし」がある。獲物の皮を剥ぐシーン、惨殺死体などじっくりみせてくれる。それに最後が凄まじい。
★脚本賞、撮影賞
🎬『テリファー 聖夜の悪夢』ダミアン・レオーネ監督、脚本/アメリカ
ハロウィンの大虐殺を生き延びたシエナとジョナサンは、それを苦しみながらも人生を立て直そうと努していた。しかし、町がクリスマスシーズンを迎えたある日、アート・ザ・クラウンが再び姿を現し、聖夜を祝おうとする住民たちを絶望のどん底に陥れて……。
不気味で超残虐で情け容赦ないピエロの殺人鬼アート・ザ・クラウンがもたらす恐怖を描いた人気ホラー「テリファー」シリーズの第3弾。
ハロウィンの夜に現れて殺戮の限りを尽くしたアート・ザ・クラウンは、今作はクリスマスに姿を現し、新たな惨劇を巻き起こす。
ホラー好きなミッキーも「こりゃ、ひどい❗️」と唸ってしまった。いったい血のりは風呂桶に何倍使ったのかと驚いた。
映画も中で残虐に殺すのは良いが「どうして こうなったか」がこの3作品目だけみていて、明確にわからなかった。
🎬『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』近藤亮太監督
一緒に山中で遊んでい弟の日向が失踪するという過去を持ち、現在は行方不明となった人間を捜すボランティア活動を続けている兒玉敬太(杉田雷麟)のもとに、母親から古いビデオテープが送られて来た、
そのビデオテープには日向がいなくなる瞬間が映されており、霊感を持つ敬太の同居人・天野司(平井亜門)は、そのテープに不吉なものを感じた。
もう一度この事件と向き合いたいと敬太は存在するはずのないある山の廃墟に向かう……。
日本で唯一のホラー映画の一般公募フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」第2回大賞を受賞した近藤亮太監督の長編映画デビュー作。
久しぶりにゾクっとさせてもらった日本のホラー映画。忌まわしい過去「負」に引き寄せられるように進んでいく展開に、真の恐怖を感じた。
同居人で霊感の強い男性、週刊誌の女性記者など登場するが、それぞれが常識的に行動しているのも好感が持てた。
🎬『悪魔と夜更かし』コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ監督、脚本/オーストラリア
1977年、ハロウィンの夜。放送局の深夜のトーク番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック(デビッド・ダストマルチャン)は、生放送のオカルトライブショーで人気低迷を打開しようとしていた。
霊聴やポルターガイストなど怪しげな超常現象が次々と披露されるが、この日のメインゲストはルポルタージュ「悪魔との対話」の著者・ジューン博士(ローラ・ゴードン)と本のモデルとなった悪魔憑きの美少女リリー(イングリッド・トレリ)が登場。
視聴率獲得のためジャックは、テレビ史上初となる「悪魔の生出演」を実現させようとするが……。
オーストラリア発のホラー映画ってどんなレベル?と題名の面白さで見に行った。はじめは笑いながら見ていたが「これ、やらせでしょ?」と思えなくなる展開にギョっとした。
特に司会者役の男優さん、悪魔つき美少女の方、音楽(定番のテルミン)が良かった。
ありそうなことがてんこ盛りで「アレはウソ」と言えない部分もあった。
★主演男優賞
🎬『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ 』トッド・フィリップス監督、脚本/アメリカ
不平等で理不尽な世の中で、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた美しい女性が現れる。
ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。
孤独で心優しかったコメディアン希望の男は、悪のカリスマとなって暴走。世界を巻き込む新たな事件が起こる。
ジョーカーをホアキン・フェニックス。音楽療法士のリーをレディー・ガガ。見応え、聴き応えは最高❗️だった。
「Folie à Deux」とは、フランス語で「2人狂い」という意味で医学用語。1人の妄想がもう1人に伝染し、たくさんのに同じ妄想や狂気を共有する精神障害のこと。なんだか「コロナ」みたい。
『ジョーカー』にはホロリとしたが、続編新作はそれに驚愕がプラスされた作品。
★主演女優賞
🎬『インフィニティ・プール』ブランドン・クローネンバーグ監督、脚本/カナダ、クロアチア、ハンガリー
スランプ中の作家ジェームズ(アレクサンダー・スカルスガルド)と出版社社長の資産家令嬢である妻エム(クレオパトラ・コールマン)は、高級リゾート地として知られる孤島リ・トルカへバカンスにやって来た。
着いてまもなく、ジェームズの小説のファンだという女性ガビ(ミア・ゴス)に話しかけられた彼は、ガビ夫婦とジェームズ夫婦は、一緒に食事をすることにした。
2組の夫婦は意気投合し、観光客は絶対ー行かないよう警告されていた敷地外へドライブに出かけるが……。
X エックス』『Pearl パール』のミア・ゴスが目当て。今までの役も残酷だったり、勝手だったり思うがままの女の子?だったが、「理由」がちゃんとあったし、理解できた。
でも今度は違う。どう違うかは観てのお楽しみだが、ミッキーとしては「こっちの方」には進んでほしくない女優さん(上手かったけど………)。
このリゾート地のある島は、このリゾートだけが唯一の儲けどころ。ここで村人を巻き込む事件を起こすと、観光客と同じクローンを作って(その施設も完備)、それに罪を償わせてやるから、大金を出せ というわけ。
作家ジェームズはリゾート地外で村人を轢いてしまい死亡させたので……、人体模造シーンも手抜かりなしで見せてくれた。
🎬『ハンテッド 狩られる夜』フランク・カルフン監督/アメリカ、フランス
製薬会社フィンザーでSNSマーケティングを担当するアリス(カミーユ・ロウ)は、不倫相手の同僚と密会中、深夜に夫から電話あって、急いで家に帰る途中、人里離れたガソリンスタンド横の小さなコンビニに立ち寄りコーヒーを飲むが、従業員の姿などはなかった。
仕方なく店を出ようとした瞬間、突然どこからか銃弾が飛んできてアリスは腕を負傷。車には不倫相手愛人が乗っていたが眠っていて気付いてくれない。やがて目覚めた彼も射殺されてしまう。
スマートフォンも壊されて、助けを呼ぶ手段はなく、スナイパーの目的もわからないまま、悪夢のような一夜が始まって……。
ガソリンスタンドのコンビニの品を使って応急処置や反撃できそうな物品を探すが、どれもみんな犯人には見えているようだ。
面白くなるのは後半で、彼女の方が残酷味を増して行く。お客で来た老夫婦が無惨にも射殺され……、おっと、書けるのはここまで。
🎬『スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナル ハッキング ゲーム』中田秀夫監督
長い黒髪の美人女性ばかりを狙った連続殺人事件。被害者は落としたスマホから個人情報から、家族や恋人の命まで奪われてしまう。
人の心を操る天才的ブラックハッカーである連続殺人鬼・浦野善治は、ネットでは「神」とまで呼ばれている存在。そんな犯人も刑事の加賀谷学によって一度は逮捕されたものの、刑務所内からサイバー攻撃を企て、警察内の混乱の隙をついて姿を消してしまった。
そんなある日、日本政府に突如として大規模なサイバーテロ攻撃が仕掛けられる。発信元は韓国のソウルで、浦野による犯行だと疑われるが……。
このシリーズ、どんどん怖くなっている。ここでは「人間剥製」が登場。
こうなったらもうホラー映画。しかし、最後は「愛」で締めくくられていてホッとした
やっと念願の一戸建てに引っ越してきた神木一家。祖父母も皆で暮らせるのを喜んでいた。
夢のマイホームでの生活がスタートしたが、どこからか聞こえる奇妙な笑い声とともに、家族が一人ずつ死んでいくという異常事態が発生。
神木家を襲う恐怖の原因は、この家に棲みつく少女の霊「サユリ」だった。
一家の長男・則雄(南出凌嘉)にもサユリの影が近づき、則雄はパニック状態に陥るが、そこへ認知症が進んでいた祖母・春枝(根岸季衣)がはっきりと意識を取り戻して「アレを地獄送りにしてや」と言い放つ。
則雄は祖母と2人、家族を奪ったサユリへの復讐に挑むが……。
押切蓮介の同名ホラー漫画を白石晃士監督が実写化。
日本映画のホラーでは今年一番の作品。おばあちゃん役の根岸さんに怪演女優賞だ。ホラー好きなお方は是非とも劇場に。
よく聞く音楽のオンパレードだが、展開や状況にピッタリで、上手く使われていた。
★監督賞、助演女優賞
2位『エルダリー/覚醒』ラウル・セレッソ、メスフェルナンド・ゴンザレス・ゴメス監督/スペイン
記録的な猛暑に襲われたスペインのマドリード。気温が上昇していく日々が続いていた。そんなある日、ナイア(パウラ・ガジェゴ)の祖母ロサが、祖父マヌエル(ソリオン・エギレオル)の目の前でバルコニーから身を投げた。そのことがきっかけで、マヌエルの様子もおかしくなってしまう。
マヌエルの息子マリオ(グスタボ・サルメロン)は、ロサが飛び降りたことによるショックのせいだと考えるが、マヌエルの様子は日々悪化していき、ついにはマリオら家族に対して殺意を向けるようになった。
一方その頃、最高気温を記録した街は、奇行を繰り返す老人たちが見受けられるようになって……。
地球規模の社会問題となっている温暖化と高齢化した人間社会を題材に取り入れ、異常気象によって老人たちが狂っていく様子を描いたスペイン発の異色ホラー。
この作品のどの分野を見ても手抜きなし❗️もちろん描かれていることは実際には起こり得ないが、その起こり得ない展開は、見ている者を巻き込んで、不可思議な世界に連れて行ってくれる。
★作品賞
3位『デストラップ 狼狩り』ショーン・リンデン監督、脚本/カナダ、アメリカ
猟師のジョセフ(デヴォン・サワ)は妻・アンヌ(カミール・サリヴァン)、娘・ルネ(サマー・H・ハウエル)とともに人里離れた森に暮らしていた。
アンヌは娘の教育のために近くの村に住もうと提案しても、ずっと山で暮らしていたジョセフは「ここで暮らせていけるように猟のやり方を教えているから、学校に行く必要はない」と言い張るばかり。
10歳ほどのルネは猟の仕方、銃の撃ち方、ワナの掛け方、獲った獲物の捌き方を着実に学び取っていて、他の知識も母親から教えてもらっていた。
このところ獲った獲物の毛皮の値段が下がり、生活も苦しくなってきていた。
そんなある日、野生の狼によって、罠にかかった獲物を食い荒らされたジョセフは、狼を狩るために新たな罠を仕掛けたが、森の奥で彼が発見したのは、明らかに異常な人間に惨殺された複数の登山者の死体だった。
音おどしはない。音楽は丁寧でどちらかというとおとなしくて上品。効果音もいい。だけど「映像おどし」がある。獲物の皮を剥ぐシーン、惨殺死体などじっくりみせてくれる。それに最後が凄まじい。
★脚本賞、撮影賞
🎬『テリファー 聖夜の悪夢』ダミアン・レオーネ監督、脚本/アメリカ
ハロウィンの大虐殺を生き延びたシエナとジョナサンは、それを苦しみながらも人生を立て直そうと努していた。しかし、町がクリスマスシーズンを迎えたある日、アート・ザ・クラウンが再び姿を現し、聖夜を祝おうとする住民たちを絶望のどん底に陥れて……。
不気味で超残虐で情け容赦ないピエロの殺人鬼アート・ザ・クラウンがもたらす恐怖を描いた人気ホラー「テリファー」シリーズの第3弾。
ハロウィンの夜に現れて殺戮の限りを尽くしたアート・ザ・クラウンは、今作はクリスマスに姿を現し、新たな惨劇を巻き起こす。
ホラー好きなミッキーも「こりゃ、ひどい❗️」と唸ってしまった。いったい血のりは風呂桶に何倍使ったのかと驚いた。
映画も中で残虐に殺すのは良いが「どうして こうなったか」がこの3作品目だけみていて、明確にわからなかった。
🎬『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』近藤亮太監督
一緒に山中で遊んでい弟の日向が失踪するという過去を持ち、現在は行方不明となった人間を捜すボランティア活動を続けている兒玉敬太(杉田雷麟)のもとに、母親から古いビデオテープが送られて来た、
そのビデオテープには日向がいなくなる瞬間が映されており、霊感を持つ敬太の同居人・天野司(平井亜門)は、そのテープに不吉なものを感じた。
もう一度この事件と向き合いたいと敬太は存在するはずのないある山の廃墟に向かう……。
日本で唯一のホラー映画の一般公募フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」第2回大賞を受賞した近藤亮太監督の長編映画デビュー作。
久しぶりにゾクっとさせてもらった日本のホラー映画。忌まわしい過去「負」に引き寄せられるように進んでいく展開に、真の恐怖を感じた。
同居人で霊感の強い男性、週刊誌の女性記者など登場するが、それぞれが常識的に行動しているのも好感が持てた。
🎬『悪魔と夜更かし』コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ監督、脚本/オーストラリア
1977年、ハロウィンの夜。放送局の深夜のトーク番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック(デビッド・ダストマルチャン)は、生放送のオカルトライブショーで人気低迷を打開しようとしていた。
霊聴やポルターガイストなど怪しげな超常現象が次々と披露されるが、この日のメインゲストはルポルタージュ「悪魔との対話」の著者・ジューン博士(ローラ・ゴードン)と本のモデルとなった悪魔憑きの美少女リリー(イングリッド・トレリ)が登場。
視聴率獲得のためジャックは、テレビ史上初となる「悪魔の生出演」を実現させようとするが……。
オーストラリア発のホラー映画ってどんなレベル?と題名の面白さで見に行った。はじめは笑いながら見ていたが「これ、やらせでしょ?」と思えなくなる展開にギョっとした。
特に司会者役の男優さん、悪魔つき美少女の方、音楽(定番のテルミン)が良かった。
ありそうなことがてんこ盛りで「アレはウソ」と言えない部分もあった。
★主演男優賞
🎬『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ 』トッド・フィリップス監督、脚本/アメリカ
不平等で理不尽な世の中で、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた美しい女性が現れる。
ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。
孤独で心優しかったコメディアン希望の男は、悪のカリスマとなって暴走。世界を巻き込む新たな事件が起こる。
ジョーカーをホアキン・フェニックス。音楽療法士のリーをレディー・ガガ。見応え、聴き応えは最高❗️だった。
「Folie à Deux」とは、フランス語で「2人狂い」という意味で医学用語。1人の妄想がもう1人に伝染し、たくさんのに同じ妄想や狂気を共有する精神障害のこと。なんだか「コロナ」みたい。
『ジョーカー』にはホロリとしたが、続編新作はそれに驚愕がプラスされた作品。
★主演女優賞
🎬『インフィニティ・プール』ブランドン・クローネンバーグ監督、脚本/カナダ、クロアチア、ハンガリー
スランプ中の作家ジェームズ(アレクサンダー・スカルスガルド)と出版社社長の資産家令嬢である妻エム(クレオパトラ・コールマン)は、高級リゾート地として知られる孤島リ・トルカへバカンスにやって来た。
着いてまもなく、ジェームズの小説のファンだという女性ガビ(ミア・ゴス)に話しかけられた彼は、ガビ夫婦とジェームズ夫婦は、一緒に食事をすることにした。
2組の夫婦は意気投合し、観光客は絶対ー行かないよう警告されていた敷地外へドライブに出かけるが……。
X エックス』『Pearl パール』のミア・ゴスが目当て。今までの役も残酷だったり、勝手だったり思うがままの女の子?だったが、「理由」がちゃんとあったし、理解できた。
でも今度は違う。どう違うかは観てのお楽しみだが、ミッキーとしては「こっちの方」には進んでほしくない女優さん(上手かったけど………)。
このリゾート地のある島は、このリゾートだけが唯一の儲けどころ。ここで村人を巻き込む事件を起こすと、観光客と同じクローンを作って(その施設も完備)、それに罪を償わせてやるから、大金を出せ というわけ。
作家ジェームズはリゾート地外で村人を轢いてしまい死亡させたので……、人体模造シーンも手抜かりなしで見せてくれた。
🎬『ハンテッド 狩られる夜』フランク・カルフン監督/アメリカ、フランス
製薬会社フィンザーでSNSマーケティングを担当するアリス(カミーユ・ロウ)は、不倫相手の同僚と密会中、深夜に夫から電話あって、急いで家に帰る途中、人里離れたガソリンスタンド横の小さなコンビニに立ち寄りコーヒーを飲むが、従業員の姿などはなかった。
仕方なく店を出ようとした瞬間、突然どこからか銃弾が飛んできてアリスは腕を負傷。車には不倫相手愛人が乗っていたが眠っていて気付いてくれない。やがて目覚めた彼も射殺されてしまう。
スマートフォンも壊されて、助けを呼ぶ手段はなく、スナイパーの目的もわからないまま、悪夢のような一夜が始まって……。
ガソリンスタンドのコンビニの品を使って応急処置や反撃できそうな物品を探すが、どれもみんな犯人には見えているようだ。
面白くなるのは後半で、彼女の方が残酷味を増して行く。お客で来た老夫婦が無惨にも射殺され……、おっと、書けるのはここまで。
🎬『スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナル ハッキング ゲーム』中田秀夫監督
長い黒髪の美人女性ばかりを狙った連続殺人事件。被害者は落としたスマホから個人情報から、家族や恋人の命まで奪われてしまう。
人の心を操る天才的ブラックハッカーである連続殺人鬼・浦野善治は、ネットでは「神」とまで呼ばれている存在。そんな犯人も刑事の加賀谷学によって一度は逮捕されたものの、刑務所内からサイバー攻撃を企て、警察内の混乱の隙をついて姿を消してしまった。
そんなある日、日本政府に突如として大規模なサイバーテロ攻撃が仕掛けられる。発信元は韓国のソウルで、浦野による犯行だと疑われるが……。
このシリーズ、どんどん怖くなっている。ここでは「人間剥製」が登場。
こうなったらもうホラー映画。しかし、最後は「愛」で締めくくられていてホッとした
2025年01月06日
2024年 ドキュメンタリー映画ベストテン(1位から3位あり、他は順位なし)
1位(408本中でクランプリ❗️)『どうすればよかったか?』藤野知明監督/102分
1983年、当時24歳の姉に統合失調症の症状が現れた。両親はそれを認めず、精神科を受診させることなく、姉は家に引き籠ってしまう。
そのうちに両親は玄関に南京錠をかけて、姉の外出を阻止するようになった。両親の態度を疑問に思った弟(監督)は、その責任を問うためにキャメラを回し始め、20年以上にわたる4人家族の葛藤を克明に映像に残していく。
これは去年の山形ドキュメンタリー映画祭で最も忘れ難い作品。上映が終わると大きな拍手が起こった。だがミッキーは拍手も出来なかったし、登壇された監督さんのお顔すらまともに見ることが出来なかった。
驚きとよくこの家族に20年もの間、カメラを向けて来たなという軌跡に打ちのめされていたからだ。
皆、エリートの家族でお金には不自由ではない。お姉さんは医学部で解剖の授業がきっかけとなってしまうのだが、外聞を気にする母親、自分の意見を強調しない父親……の中で監督さんは逃げるように遠地の大学に入り、家を出る。
監督自身、逃げ出した悔いを背負って生きてこられ、また自分も発病するにではないかという恐怖の中で、カメラを回し続けたドキュメンタリーだ。
★2024年グランプリ❗️
2位『うんこと死体の復権』関野吉晴監督
アフリカで誕生した人類が、南米の最南端まで拡散した5万キロを、動力を使わずに逆ルートで旅する「グレートジャーニー」を約10年ほどかけて踏破したことで注目を集めた探検家・関野吉晴。
彼はアマゾンの奥地で自然と共に生きる狩猟採集民族マチゲンガ族と半世紀以上にわたって交流(暮らしていた時もある)した関野は、現代人が自然とどのように共存していくべきかを、常に考えていた。
そして2015年、どの星よりも循環に優れた地球で人類が生き続けるためにどうしたらいいかを考える「地球永住計画」というプロジェクトをスタートさせる。
そのプロジェクトを通して関野は、野外排泄にこだわり続け、自ら「糞土師」(ふんどし)と名乗る写真家の伊沢正名、排泄物から生き物と自然のリンクを考察する生態学者の高槻成紀、そして死体を食べる生き物たちを観察する絵本作家の舘野鴻と知り合う。
彼らとの活動を通して、現代社会において不潔なものとして扱わる生き物の排泄物や死体を見つめる関野は、無数の生き物たちが命をつなぎ、循環の輪をつないでいることを知る。
関野氏は自宅近くの山林を買って、自前の野糞場を作っている。林には尻を拭く柔らかい葉っぱが数種類あった。そんなこんなを「クソ真面目」に丁寧に教えてくれた。
野糞がすんだ後は棒を刺して日付を書いて(山林のそこら中に棒が立っていた)時々見回ってどんな様子になっているか調べている。
関野氏は「探検家のままならよかったのに……」と言って離れて行った奥様のことを『残念だったが、どっちを取るとなって、やっぱりうんこだった」と笑っていた。
★監督賞
3位
『大きな家』竹林亮
現在、日本には親と離れて児童養護施設で暮らす子どもたちが約4万2000人いることをご存知だろうか。事情は、死別・病気・唐待・経済的事情などさまざま。ここで暮らす子どもたちの日常生活に焦点をあてたドキュメンタリー。
監督は、中学2年生1クラス全員に密着した青春映画『14歳の栞』の竹林亮。企画・プロデュースは、『シン・ウルトラマン』『零落』の主演俳優・齊藤工。彼が約4年前に訪れた東京のとある児童養護施設が舞台。
監督と齋藤の2人は施設の訪問を重ね、家族ではないつながりの中で生活しながら、自分の運命と向き合い、未来に目を向けて成長していく姿をカメラが追っている。
小学校低学年から19歳までの生活を映し、年齢を考慮しながらインタビューしている。「ここはあなたにとってどんなところ?」「将来の希望は?」から「ここにくる前のこと、教えて」まで、じっくりと話を聞いている。子どもたちは口ごもりながらも「本音」で答えている。
子どもたちの生活のあらゆる面で手助けをする職員の細かい配慮も見逃せない。女の子たちの髪の毛がみんな長く「短い方が手間がかからないのに」と思ったが、一人ひとりの髪を束ねたり、三つ編みにしたりして「触れ合って」いるシーンは温かみに溢れていた。
本作は出演者のプライバシー保護のため、劇場上映のみの公開。
★作品賞
🎬『94歳のゲイ』吉川元基監督
長谷忠さん、94歳。押しぐるまで行動する忠さんの動きを見ていると確かに90代のお年寄りだ。だが目の光は教養を伺わせて、言葉は洞察力と知性に富んだものだった。
ご自分の好みも男性写真を切り抜いて「もし、この人と暮らしたら……」など空想していたと語っていた。一度もセックスも恋愛経験がないと聞いた時、どんな人生を歩んできたかと思うと、やるせない気持ちになった。
大阪西成の地区がこんなに穏やかな顔を持っている男の方がいらっしゃるとは思わなかった。
🎬『劇場版 再会長江』竹内亮監督/中国
中国大陸を横断するアジア最大の大河・長江。竹内監督は10年前にNHKの番組で長江を撮影した際に、チベット高原にある「長江源流の最初の一滴」を撮影できなかったことを後悔していた。
その後、日本から中国南京市に移住した竹内監督は、2021年から2年をかけて長江6300キロをたどる旅に出る。その旅の途中で10年前に撮影した友人たちと再会しながら、中国の10年の変化を見つめ、長江「最初の一滴」の源流を目指す。
このところ、TBSドキュメンタリーもあってかなりドキュメンタリーを見ている。そんな中で観たこの長江流域を旅する111分は「旅心を騒つかせたり、目を見張る風景に感動したり」の連続だった。
監督さんご自身の経験話の合間に、道案内ナレーションの女声がいいタイミングで入っていたので、迷子に?ならずに長江を旅することができた。
★監督さんや10年ぶりに会った方々の感動が直に伝わってきて、思わず一緒に泣いてしまった。
🎬『映画の朝ごはん』志子田勇監督、企画、撮影、編集
映画やドラマの撮影現場で長年愛されてきた東京都練馬区のお弁当屋さん「ポパイ」に焦点をあてたドキュメンタリー。 早速、ネットで調べて見た。
いっぱい出てきた。名古屋では見たことがないお弁当屋さんだ。このシンプルなおにぎり弁当がなぜ人気なのかを、多くの支持者の話や、おにぎり弁当の作っている現場、ポパイが撮影現場のお弁当として有名になった経緯などが語られている特異なドキュメンタリーだった。
今、大活躍している黒沢清、樋口真嗣、瀬々敬久、山下敦弘、沖田修一監督さんらが、ポパイについての思い出を語り、時代と共に変わっていく映画ロケ現場の姿や、突然のコロナ禍による撮影スタッフたちの「食べること」へのこだわりなどを語ってくれた。
ナレーションは小泉今日子さん
🎬『カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし』宮川麻里奈監督
「魔女の宅急便」の作者として知られ、88歳の児童文学作家として精力的に執筆に励む角野栄子。その個性的な想像力で260冊を超える作品を世に送り出し、近年では、彼女のライフスタイルや人生観にも注目が集まっている。
「自分にとって気持ちがいいもの」を最優先に毎日を心地よく暮らす。そんな彼女を4年間にわたって撮影したドキュメンタリー。
この方、お若い!カラフルさは好きじゃないし、じゃらじゃらのアクセサリーも好みじゃないが この方にはピッタリ。お若い時は地味目だったのにどこで変換したのだろう。
お若い!と感じたのはバターライス。ミッキーは食べる気もしないが胃も丈夫なのだろう。
今は有名無名問わず80代90代で自分なりのポリシーを持って暮らしていらっしゃる方は珍しくない時代だが、こういうドキュメンタリーを見ると、見習いたいと思う部分もあって観てよかったと思った。
ナレーションはあまり印象になく、後から宮崎あおいと気づいた。
★女性監督賞
🎬『COUNT ME IN 魂のリズム』マーク・ロー監督、製作、脚本/イギリス
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス、クイーンのロジャー・テイラー、アイアン・メイデンのニコ・マクブレイン、ポリスのスチュワート・コープランドといった大物や、ロイヤル・ブラッドのベン・サッチャー、ザ・ダークネスのエミリー・ドーラン・デイビスとそうそうたる顔ぶれのドラマーたちが、ドラムの歴史や自分のドラムとの関わり、演奏方法を生き生きと語っている。
ロック界を代表するドラマーたち(にスポットをあてたドキュメンタリー。
ドラムはバンドの中でも一番の要ということは知っているが、ドラム演奏がこんなに個性的なものとは知らなかった。
ビートルズのリンゴスターが他の三人より一段高い場所で楽しそうにドラムを叩いているシーン、有名ドラマーの子ども時代に鍋やフライパンを並べて叩いているシーン、お誕生日にドラムを送られて気が狂いそうに大喜びする場面など、ドラムのことを知らない方も充分楽しめるドキュメンタリー。
🎬『ビヨンド・ユートピア 脱北』マドレーヌ・ギャビン監督、編集/アメリカ
これまでに1000人以上の脱北者を支援してきた韓国のキム・ソンウン牧師は、幼児2人と老婆を含む5人家族の脱北を手伝うことにした。
キム牧師の指揮下で各地に身を潜める50人以上のブローカーが連携し、中国、ベトナム、ラオス、タイを経由して亡命先の韓国を目指す。移動距離は1万2000キロ。決死の脱出が展開される。
撮影は制作陣のほか地下ネットワークの人々によって映され、世界に北朝鮮の実態と祖国への思いを伝え続ける脱北者の人権活動家イ・ヒョンソをはじめ、数多くの脱北者やその支援者たちも登場。
脱北のドキュメンタリーもドラマも見ているので迷ったが評価がいいので観た。ほとんどが実写で見つかれは「死」も覚悟の上だ。
ここまで人のために命懸けでできるのは宗教(キリスト教)の信仰の深さか……。
監督は2023年サンダンス映画祭にてシークレット作品として上映され、USドキュメンタリー部門の観客賞を受賞。
🎬『おらが村のツチノコ騒動記』今井友樹監督、編集、ナレーション
長さは短いがビール瓶を飲み込んだような太い蛇のような姿をしていたと言われているツチノコ。
様々な目撃情報があるものの、いまだ発見も捕獲もされていない謎の生物。
今井監督の故郷・岐阜県東白川村は、1988年(昭和63年)にツチノコ目撃談が村の広報誌に掲載されたことがきっかけになって、ツチノコの情報や目撃者が相次ぎ、やがて村をあげて捜索が行われるようになった。
毎年5月3日に開催されるツチノコの捜索イベントは30年以上続いている。地域おこしにもなっている。
ツチノコという名だけは効いていたミッキー。どんな形か、どこにいたかなどは全然知らなかった。このドキュメンタリーを見て北白川村以外にもツチノコは全国にあって愛知にもいたとわかった。
あんなにたくさんの方々が「見た」と言っているにで、日本のどこかに少しでも生息していて欲しいと思う。ツチノコがすめる自然を長い年月をかけて作ったいこうとする監督の熱い想いも伝わって来た。
最後に流れたクラリネットの音色が良かった。
1983年、当時24歳の姉に統合失調症の症状が現れた。両親はそれを認めず、精神科を受診させることなく、姉は家に引き籠ってしまう。
そのうちに両親は玄関に南京錠をかけて、姉の外出を阻止するようになった。両親の態度を疑問に思った弟(監督)は、その責任を問うためにキャメラを回し始め、20年以上にわたる4人家族の葛藤を克明に映像に残していく。
これは去年の山形ドキュメンタリー映画祭で最も忘れ難い作品。上映が終わると大きな拍手が起こった。だがミッキーは拍手も出来なかったし、登壇された監督さんのお顔すらまともに見ることが出来なかった。
驚きとよくこの家族に20年もの間、カメラを向けて来たなという軌跡に打ちのめされていたからだ。
皆、エリートの家族でお金には不自由ではない。お姉さんは医学部で解剖の授業がきっかけとなってしまうのだが、外聞を気にする母親、自分の意見を強調しない父親……の中で監督さんは逃げるように遠地の大学に入り、家を出る。
監督自身、逃げ出した悔いを背負って生きてこられ、また自分も発病するにではないかという恐怖の中で、カメラを回し続けたドキュメンタリーだ。
★2024年グランプリ❗️
2位『うんこと死体の復権』関野吉晴監督
アフリカで誕生した人類が、南米の最南端まで拡散した5万キロを、動力を使わずに逆ルートで旅する「グレートジャーニー」を約10年ほどかけて踏破したことで注目を集めた探検家・関野吉晴。
彼はアマゾンの奥地で自然と共に生きる狩猟採集民族マチゲンガ族と半世紀以上にわたって交流(暮らしていた時もある)した関野は、現代人が自然とどのように共存していくべきかを、常に考えていた。
そして2015年、どの星よりも循環に優れた地球で人類が生き続けるためにどうしたらいいかを考える「地球永住計画」というプロジェクトをスタートさせる。
そのプロジェクトを通して関野は、野外排泄にこだわり続け、自ら「糞土師」(ふんどし)と名乗る写真家の伊沢正名、排泄物から生き物と自然のリンクを考察する生態学者の高槻成紀、そして死体を食べる生き物たちを観察する絵本作家の舘野鴻と知り合う。
彼らとの活動を通して、現代社会において不潔なものとして扱わる生き物の排泄物や死体を見つめる関野は、無数の生き物たちが命をつなぎ、循環の輪をつないでいることを知る。
関野氏は自宅近くの山林を買って、自前の野糞場を作っている。林には尻を拭く柔らかい葉っぱが数種類あった。そんなこんなを「クソ真面目」に丁寧に教えてくれた。
野糞がすんだ後は棒を刺して日付を書いて(山林のそこら中に棒が立っていた)時々見回ってどんな様子になっているか調べている。
関野氏は「探検家のままならよかったのに……」と言って離れて行った奥様のことを『残念だったが、どっちを取るとなって、やっぱりうんこだった」と笑っていた。
★監督賞
3位
『大きな家』竹林亮
現在、日本には親と離れて児童養護施設で暮らす子どもたちが約4万2000人いることをご存知だろうか。事情は、死別・病気・唐待・経済的事情などさまざま。ここで暮らす子どもたちの日常生活に焦点をあてたドキュメンタリー。
監督は、中学2年生1クラス全員に密着した青春映画『14歳の栞』の竹林亮。企画・プロデュースは、『シン・ウルトラマン』『零落』の主演俳優・齊藤工。彼が約4年前に訪れた東京のとある児童養護施設が舞台。
監督と齋藤の2人は施設の訪問を重ね、家族ではないつながりの中で生活しながら、自分の運命と向き合い、未来に目を向けて成長していく姿をカメラが追っている。
小学校低学年から19歳までの生活を映し、年齢を考慮しながらインタビューしている。「ここはあなたにとってどんなところ?」「将来の希望は?」から「ここにくる前のこと、教えて」まで、じっくりと話を聞いている。子どもたちは口ごもりながらも「本音」で答えている。
子どもたちの生活のあらゆる面で手助けをする職員の細かい配慮も見逃せない。女の子たちの髪の毛がみんな長く「短い方が手間がかからないのに」と思ったが、一人ひとりの髪を束ねたり、三つ編みにしたりして「触れ合って」いるシーンは温かみに溢れていた。
本作は出演者のプライバシー保護のため、劇場上映のみの公開。
★作品賞
🎬『94歳のゲイ』吉川元基監督
長谷忠さん、94歳。押しぐるまで行動する忠さんの動きを見ていると確かに90代のお年寄りだ。だが目の光は教養を伺わせて、言葉は洞察力と知性に富んだものだった。
ご自分の好みも男性写真を切り抜いて「もし、この人と暮らしたら……」など空想していたと語っていた。一度もセックスも恋愛経験がないと聞いた時、どんな人生を歩んできたかと思うと、やるせない気持ちになった。
大阪西成の地区がこんなに穏やかな顔を持っている男の方がいらっしゃるとは思わなかった。
🎬『劇場版 再会長江』竹内亮監督/中国
中国大陸を横断するアジア最大の大河・長江。竹内監督は10年前にNHKの番組で長江を撮影した際に、チベット高原にある「長江源流の最初の一滴」を撮影できなかったことを後悔していた。
その後、日本から中国南京市に移住した竹内監督は、2021年から2年をかけて長江6300キロをたどる旅に出る。その旅の途中で10年前に撮影した友人たちと再会しながら、中国の10年の変化を見つめ、長江「最初の一滴」の源流を目指す。
このところ、TBSドキュメンタリーもあってかなりドキュメンタリーを見ている。そんな中で観たこの長江流域を旅する111分は「旅心を騒つかせたり、目を見張る風景に感動したり」の連続だった。
監督さんご自身の経験話の合間に、道案内ナレーションの女声がいいタイミングで入っていたので、迷子に?ならずに長江を旅することができた。
★監督さんや10年ぶりに会った方々の感動が直に伝わってきて、思わず一緒に泣いてしまった。
🎬『映画の朝ごはん』志子田勇監督、企画、撮影、編集
映画やドラマの撮影現場で長年愛されてきた東京都練馬区のお弁当屋さん「ポパイ」に焦点をあてたドキュメンタリー。 早速、ネットで調べて見た。
いっぱい出てきた。名古屋では見たことがないお弁当屋さんだ。このシンプルなおにぎり弁当がなぜ人気なのかを、多くの支持者の話や、おにぎり弁当の作っている現場、ポパイが撮影現場のお弁当として有名になった経緯などが語られている特異なドキュメンタリーだった。
今、大活躍している黒沢清、樋口真嗣、瀬々敬久、山下敦弘、沖田修一監督さんらが、ポパイについての思い出を語り、時代と共に変わっていく映画ロケ現場の姿や、突然のコロナ禍による撮影スタッフたちの「食べること」へのこだわりなどを語ってくれた。
ナレーションは小泉今日子さん
🎬『カラフルな魔女 角野栄子の物語が生まれる暮らし』宮川麻里奈監督
「魔女の宅急便」の作者として知られ、88歳の児童文学作家として精力的に執筆に励む角野栄子。その個性的な想像力で260冊を超える作品を世に送り出し、近年では、彼女のライフスタイルや人生観にも注目が集まっている。
「自分にとって気持ちがいいもの」を最優先に毎日を心地よく暮らす。そんな彼女を4年間にわたって撮影したドキュメンタリー。
この方、お若い!カラフルさは好きじゃないし、じゃらじゃらのアクセサリーも好みじゃないが この方にはピッタリ。お若い時は地味目だったのにどこで変換したのだろう。
お若い!と感じたのはバターライス。ミッキーは食べる気もしないが胃も丈夫なのだろう。
今は有名無名問わず80代90代で自分なりのポリシーを持って暮らしていらっしゃる方は珍しくない時代だが、こういうドキュメンタリーを見ると、見習いたいと思う部分もあって観てよかったと思った。
ナレーションはあまり印象になく、後から宮崎あおいと気づいた。
★女性監督賞
🎬『COUNT ME IN 魂のリズム』マーク・ロー監督、製作、脚本/イギリス
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス、クイーンのロジャー・テイラー、アイアン・メイデンのニコ・マクブレイン、ポリスのスチュワート・コープランドといった大物や、ロイヤル・ブラッドのベン・サッチャー、ザ・ダークネスのエミリー・ドーラン・デイビスとそうそうたる顔ぶれのドラマーたちが、ドラムの歴史や自分のドラムとの関わり、演奏方法を生き生きと語っている。
ロック界を代表するドラマーたち(にスポットをあてたドキュメンタリー。
ドラムはバンドの中でも一番の要ということは知っているが、ドラム演奏がこんなに個性的なものとは知らなかった。
ビートルズのリンゴスターが他の三人より一段高い場所で楽しそうにドラムを叩いているシーン、有名ドラマーの子ども時代に鍋やフライパンを並べて叩いているシーン、お誕生日にドラムを送られて気が狂いそうに大喜びする場面など、ドラムのことを知らない方も充分楽しめるドキュメンタリー。
🎬『ビヨンド・ユートピア 脱北』マドレーヌ・ギャビン監督、編集/アメリカ
これまでに1000人以上の脱北者を支援してきた韓国のキム・ソンウン牧師は、幼児2人と老婆を含む5人家族の脱北を手伝うことにした。
キム牧師の指揮下で各地に身を潜める50人以上のブローカーが連携し、中国、ベトナム、ラオス、タイを経由して亡命先の韓国を目指す。移動距離は1万2000キロ。決死の脱出が展開される。
撮影は制作陣のほか地下ネットワークの人々によって映され、世界に北朝鮮の実態と祖国への思いを伝え続ける脱北者の人権活動家イ・ヒョンソをはじめ、数多くの脱北者やその支援者たちも登場。
脱北のドキュメンタリーもドラマも見ているので迷ったが評価がいいので観た。ほとんどが実写で見つかれは「死」も覚悟の上だ。
ここまで人のために命懸けでできるのは宗教(キリスト教)の信仰の深さか……。
監督は2023年サンダンス映画祭にてシークレット作品として上映され、USドキュメンタリー部門の観客賞を受賞。
🎬『おらが村のツチノコ騒動記』今井友樹監督、編集、ナレーション
長さは短いがビール瓶を飲み込んだような太い蛇のような姿をしていたと言われているツチノコ。
様々な目撃情報があるものの、いまだ発見も捕獲もされていない謎の生物。
今井監督の故郷・岐阜県東白川村は、1988年(昭和63年)にツチノコ目撃談が村の広報誌に掲載されたことがきっかけになって、ツチノコの情報や目撃者が相次ぎ、やがて村をあげて捜索が行われるようになった。
毎年5月3日に開催されるツチノコの捜索イベントは30年以上続いている。地域おこしにもなっている。
ツチノコという名だけは効いていたミッキー。どんな形か、どこにいたかなどは全然知らなかった。このドキュメンタリーを見て北白川村以外にもツチノコは全国にあって愛知にもいたとわかった。
あんなにたくさんの方々が「見た」と言っているにで、日本のどこかに少しでも生息していて欲しいと思う。ツチノコがすめる自然を長い年月をかけて作ったいこうとする監督の熱い想いも伝わって来た。
最後に流れたクラリネットの音色が良かった。