2017年01月24日

日活ロマンポルノリブートプロジェクト『アンチポルノ』『牝猫たち』

先週土日にベストテン原稿を仕上げながら、配給会社の方からお借りしたDVD「日活ロマンポルノリブートプロジェクト」の5作品を見た。

このプロジェクトは「映画時間80分程度/10分に1回の濡れ場/製作費一律/撮影期間1週間/完全オリジナル/ロマンポルノ初監督」という括りの中で作られた。

その中でミッキーが気に入った2作品をご紹介したい。

これは東京ではすでに上映が終わっていたり、上映中もあるが、名古屋は今池シネマテークで29日から始まる。

5作品の中で「女性にはとても無理!」というのは一つもない。2作品選んだのはあくまでもミッキー好み。

🎬『アンチポルノ』園子温監督・脚本/78分

小説家でアーティストとしても有名になった若い京子(冨手麻妙)は、極彩色の広い部屋に住んでいて、マネージャーの典子(筒井真理子)が分刻みのスケジュール管理をしている。その関係は時によって変わり、虚構と現実の間で京子の過去の秘密が暴かれていく。


ガラリと変わる京子の立場、極彩色の広いスペースの一部屋だがトイレの仕切りもない。排泄物はゲロだけ。その密室で繰り広げられる悪夢のような展開は、説明は無用 ! 是非、この部屋に取り込まれてほしい。

園子温監督の実力がこの作品に於いても観ることが出来た。主演女優の富手麻妙さんのセーラー服姿がエロチック、それと大声も囁く声も魅力的だった。

🎬『牝猫たち』白石和彌監督84分

東京・池袋のデリヘルで働く女性たちの物語。これはミッキーのオススメの作品。舞台はとある風俗店。電話を待っていて女の子を自宅マンションに行かせるシステム。

お客の多様性、女たちを取り巻く環境などしっかり組み込まれていた。

お名前はわからないが無許可で個人的に子どもを預かる貧相な男がよかった。こんな男に2日、3日と連日預ける女の気持ちがわからないので、ミッキーは腹がたったが、この男は子どもの体中にある生傷を見て、子どもに静かに事情を聞いていた。

都会の片隅で生きていく難儀さ、どうしてこうなってしまったという後悔がどっさり出てくると思って観ていたが、女たちの「生き抜く」圧倒的なしたたかさに共感する部分がたくさんあった。特にこの作品は女性の方に観ていただきたい。
posted by ミッキー at 12:33| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月18日

DVD 勉強になる一本『チェルノブイリ・ハート』

パソコンと家の電話がピタッと故障した。やっと原稿にめどがたったのに、青ざめてしまった。二人の娘もいろいろやってくれたが埒があかない。

光通信の会社に問い合わせてやっと2日後に復旧した。原因は光ファイバーのコード線に一ミリぐらいの穴があいたからだ。

小さな機械でピ、ピ、ピとたぐっていってピーーとなり「ここです!この穴で切断されています」と言われてもわからないほどのもの。

そういえば娘が来ているために、親戚がよく来るのでコード付近を掃除機で丁寧に掃除したのを思い出した。きっとそれが原因だと思う。

さて、私の従兄弟が娘たちに会いにきた時に映画の話になり、勉強になる映画を教えて欲しいと言うので、たくさん挙げたが「映画館には行けないからDVDがいいよ。それにそんなに見れないよ、一本だけでいいよ」と話の腰を折られた。

定年退職したっていうのに…😠 で、その一本がこれだ。

🎬『チェルノブイリ・ハート』マリアン・テレオ監督/アメリカ

1986年4月26日、旧ソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所が爆発事故を起こし、放射性はウクライナ、ベラルーシ、ロシアを汚染。原発から半径30キロ以内の居住は禁止されている。さらに北東350キロ以内に、局所的な高濃度汚染地域“ホット・ゾーン”が約100ヶ所も点在している。ホット・ゾーンでの農業や畜産業は、全面的に禁止されている。

だが、ホット・ゾーンの村に住み続ける住民、放射線治療の現場、小児病棟、乳児院の実態に迫っている。

事故から20年が経った2006年、事故があってから初めて故郷を訪れた1人の青年は、廃墟となったアパートへ向かう。爆心から3キロの強制退去地域だった。青年は1986年のカレンダーを見つめて、近親者の10人が癌で死んだこと、自分もそうやって死ぬだろうと語っていた。

その1年後、青年は27歳の生涯を閉じたとクレジットされていた。

※20年が経って、初めて住んでいたアパートを訪れた青年は、ベランダに出て右側を指さしながら「事故後、夜になるとあっちの方が赤々と、とってもきれいなんだ。お母さんは行っちゃダメと言ってたけど、友達と何回も見にいったんだよ」と思い出を語ってくれた。

事故後、一ヶ月はなんの情報もなく住み続けたらしい。強制退去の時は物は一切持ち出し禁止だったが、部屋はどこもガランとして何もなかった。「泥棒がたくさんいたと聞いたよ」と青年はポツリと呟いていた。
posted by ミッキー at 08:31| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月07日

外の暑さに負けない、熱いDVDで1日過ごした 「未知への飛行 FAIL−SAFE」「殺人者はライフルを持っている ! Targets」

DVD「未知への飛行 FAIL−SAFE 」シドニー・ルメット監督 /アメリカ/ 101分 /1964年

アメリカ軍司令部の安全照合装置が故障して、核を搭載して巡回中の爆撃機隊に「モスクワ爆撃」の命令が発信された。

命令どおり爆撃機は特別司令モードに切り替えてモスクワを目指す。本部はすぐに帰還命令を出すが、ソ連の電波妨害や、その命令も「敵の策略」と考えられるので無視する規則。そのまま進んでいく。

アメリカ大統領とソ連首脳は電話で直接話し合うが…。

いつもDVDでお世話になっているO兄様オススメ作品。アメリカとソ連がいつこうなっても不思議ではない時代だから、爆撃機の乗員もいろいろ訓練されている。しかし「誤作動」の秘密の合言葉がなかったために……人間のやることだから間違い作動も視野のうちだ。

アメリカ大統領の提案も、最後の幕切れにも、鳥肌がたった。

DVD「殺人者はライフルを持っている! Targets 」ピーター・ボグダノヴィッチ監督 /アメリカ/90分 /1968年

怪奇映画の大スターバイロン(ボリス・カーロフ)は引退を決意したが、偶然、道端で会ったサミー監督(ピーター・ボグダノヴィッチ)に次回作の出演を求められた。

その様子を向かい側のガンショップの窓から眺めていた客・ボビー(ティム・オケリー)は、その店でライフルと弾丸を買う。

この奇妙なすれ違いが、映画の進行と共に決定的な結末になる。監督さん自らサミー監督を演じている。

普通の男・ボビーの行動を追うと、今、どこの国でも起きている事件を暗示しているようで寒気がした。
posted by ミッキー at 09:02| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする