2019年12月17日

DVD『ヒトラー最後の代理人』

24日から娘の住むシドニーに行く予定だが東京には19日に行って、2019年ベストテンでまだ観ていない映画を観尽くすつもり。でもその前にやることがてんこ盛りだ。名古屋自宅の大掃除、娘の買い物、合間をぬって試写、劇場、ベストテン選び、ほぼ毎日のマッサージがプラスされるのでてんてこまいだ。

DVD『ヒトラー最後の代理人』エレズ・ペリー監督、脚本/イスラエル/84分(未体験ゾーンの映画たち2017上映作品)

ナチス・ドイツ敗戦後の1946年。アウシュビッツ強制収容所で最も長く所長を務めたルドルフ・ヘス(ロマナス・フアマン)は、ポーランドの刑務所で裁判にかけられるのを待っていた。

ヘスの取り調べを担当する判事アルバート(マチ・マルチェウスキ)はドイツ語ができることもあって、その任に抜擢された。

シアン化合物系の殺虫剤ツィクロンBによって101万人もの人間が虐殺されたことなど、収容所で行われていた恐ろしい行為の数々を明らかにしていく。

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残虐な殺戮シーンはない。取り調べ中心の静かな作品だった。判事は取り調べ室に油絵を自前で持ち込んで壁に飾っていて、コンクリートで無機質な部屋を少しでも和らげようとしていた。

一方、ヘスは当時のことを訥々と話す。彼が所長になるずいぶん前に信望のある上官が、知人である捕虜の扱いに情実があったとして、即銃殺という場面を目のあたりにしたのが、自分を無表情で冷たい態度で命令を忠実に守ろうと思った。と語っていた。

実際のヘスの写真を見るとロマナス・フアマンと似ていた。


2014年にやはりDVDで見た『ヒトラーの審判 アイヒマン、最後の告白』(ロバート・ヤング監督/イギリス、ハンガリー/2007年)を思い出した。

アイヒマン(トーマス・クレッチマン)は、ナチス政権下で、数百万の人々を強制収容所に移送する指揮を担った。戦後は家族と共にアルゼンチンで逃亡生活を送っていたが、15年後の1960年にイスラエル諜報部よって、会社帰りにバスを降りたところを逮捕され、イスラエルに連行された。

アイヒマンの独房のすぐ前に取調用の机が置かれ、アヴナー・レス警部(トロイ・ギャリティ)は、イスラエル諜報部に出向き、アイヒマンの尋問書を作成していく。

この映画の主役はアイヒマンではない。尋問を任されたアブナー・レス警部が「命令に従っただけだ」と罪を認めないアイヒマンとのやり取りを中心に、アブナー・レス警部自身も上からの命令で動かされる重圧とそれに反発できない鬱屈した様子が赤裸々に描かれていた。

『ヒトラー最後の代理人』の判事アルバート自身も神経的にまいってしまい異常な行動をとる場面も出てきて、問い詰める方が「悪」のオーラの強さに負けそうになるという共通する部分があった。

posted by ミッキー at 11:41| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月16日

DVD『吸血鬼』

昨日、名古屋シネマスコーレで上映している『ハリウッド1969 シャロン・テートの亡霊』を観に行ったが、映写機トラブルで中止になっていた。今日から福岡アジアフォーカス映画祭にいくのでもう観られないと思っていたら、来月1週間特別に上映すると聞いてホッとした。

以前ポランスキー監督とシャロン・テートのなれそめとなった『吸血鬼』を思い出した。

🎬『吸血鬼』ロマン・ポランスキー/1967年

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アブロンシウス教授(ジャック・マッゴーラン)は助手であるアルフレッド(ロマン・ポランスキー)を連れて吸血鬼を退治する旅に出た。雪の中、トランシルバニアの片田舎の宿にたどり着いたが、その宿の天井のいたるところににんにくがぶら下がっていた。この近くにバンパイヤがいると感じた二人。

夜になって教授が宿の主人の後をつけると女中部屋に入っていく。それを女房レベッカに見つかって大騒ぎになった。

アルフレッドは、宿の娘で風呂ばかり入っている美しい娘サラ(シャロン・テイト)に一目惚れ。その彼女はフロ場で赤マントを着た怪しい紳士にさらわれてしまう。

ホラー度は低いが吸血鬼の伝説に忠実でコメディ的要素もあった。それにしてもポランスキーが一目惚れするはずだ。シャロン・テートのお美しいこと。
posted by ミッキー at 07:22| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月15日

DVD「北ホテル」

🎬「北ホテル」マルセル・カルネ監督/フランス/92分/1938年(日本公開は戦後)

パリ。サン・マルタン運河にそった下町。そこに北ホテルがあって、1階が酒場、上は下宿屋兼ホテルの作りになっている。お客は庶民的な人ばかり。今日はホテルの目前にある公園の番人の娘リュセットの初聖体のお祝いの日で一階はにぎわっている。話題はもっぱら血液を売る話で1リットル400フランだ、とか、金儲けで献血しているんではないとか本気になって怒る男もいた。場が険悪になると経営者女主人が「今日はお祝いの席だよ」といさめている。

そこに若い男女が泊りにきたがその二人は心中をしようとしていた。女主人は長年の経験で不吉な雰囲気を感じた。案の定、美しい女・ルネ(アナベラ)は胸をピストルで撃たれて病院に担ぎ込まれるが、男・ピエール(ジャン・ピエール・オーモン)は姿を消した。

それは、銃声を聞いて隣部屋の写真家の男エドモンド(ルイ・ジューヴェ)が入って来てピエールに逃げるように進めたのだった。

ピエールは死ぬ勇気がなく、翌朝警察に出頭。ルネも案外軽傷で命を取り留めていた。

その後、元気になったルネは北ホテル経営者夫妻にあいさつにきて、夫婦の進めでウェートレスとして住み込みで働くようになって・・・。


これは観ていないが、有名な映画とわかってDVDを買った。監督さんは『天井桟敷の人々』のカルネ監督。一人ひとりの人間を丁寧に描いている。

ホテル周辺の情景のすばらしさ、登場人物たちがどんな人生を送っていたかが手に取るようにわかるしぐさと言葉。それらが監督さんの優しさによって温かく描かれていた。

北ホテルは実際にあって、それをそっくり作って撮影したとDVDの説明文に書いてあったが、北ホテル周辺は今も観光名所でにぎわっているらしい。


posted by ミッキー at 00:57| Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする