2019年11月07日

東京国際映画祭2019 (8)公開必至⁉︎『ジャスト 6.5』『動物だけが知っている』『死神の来ない村』

🎬『ジャスト 6.5』サイード・ルスタイ監督/イラン/134分/コンベティション

薬物撲滅警察特別チームのサマド(ペイマン・モアディ)は大物の売人ナセル・ハクザド(ナヴィド・モハマドザデー)を何度も追っていたが、ついに彼の住処に追い詰めたが……。

題名の『ジャスト 6.5』は、刑事部長の台詞「俺が警察に入ったころは100万人だったが、長年、多くの麻薬売人を逮捕して死刑にしたが、今では650万人に増えた!」から取ったもの。

取り締まっても死刑にしても次々と麻薬売人は減少しない理由はイランが働き口がなく生活が苦しくて「麻薬売人」以外に生きていく手立てがない国情だからだ。彼らたちの住んでいるところは、土管が山積みされた場所で、その一つ一つに何人かが住んでいる。子どももいた。皆、麻薬を売ったり吸ったりして生きている最底辺の人々だ。

★サマドは荒々しい捜査で芋づる式に手柄をたて死刑にするが、その死刑場面も集団(一度に10人以上)でやる場面は鳥肌がたった。


🎬『動物だけが知っている』ドミニク・モル監督、脚本/フランス/116分/コンペティション

雪嵐の山深い村の道で車だけ残して女性が忽然と消えた。隔絶されたような村で5人の人たちが、その謎に捕らわれて……。

最高の群像サスペンス❗️最後のシーンで観ている全員が息をのんだ❗️公開が待たれるが1日も早くとお願いしたい作品。


🎬 『死神の来ない村』レザ・ジャマリ監督脚本プロデューサー/イラン/85分/アジアの未来

5C7A0660-84A2-4795-A919-B7146EB5440C.jpeg

若いころ戦争で過酷な経験をしたアスラン(ナデル・マーディル)も今や100歳になる。村に住む人たちもほぼ100歳前後だ。

彼がこの村に来てから45年、1人も死人が出ていないので、皆は「軍隊時代の罪が祟っているのだ」という噂まで飛び交う有り様だ。
老人たちは体も不自由になり自殺しか死ぬ方法はないものかと思い始めていて……。


風刺がきいていて面白い作品。

死神さんが来ないなんていい村じゃないの、と思いながら観たが、気力もなくよぼよぼだけど死ねないのは困る。

どうにか歩けるので気がよくて美人の店主の経営する村の喫茶店に入り浸っていたり、時には温泉に入ったりしている。でも病人が出るといつ死ぬかと心待ちにして、持ち治すと正直にがっくりしていた。そんなに死神を待っているのかと思いきや……。是非公開してほしい❗️



posted by ミッキー at 18:19| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月06日

東京国際映画祭2019(7)受賞作品発表 と『ファイアー・ウィル・カム』

コンペティション部門
▼観客賞:『動物だけが知っている』(ドミニク・モル監督)
▼最優秀脚本賞:『喜劇 愛妻物語』(脚本:足立紳)
▼最優秀芸術貢献賞:『チャクトゥとサルラ』(ワン・ルイ監督)
▼最優秀男優賞:ナビド・モハマドザデー(『ジャスト 6.5』)
▼最優秀女優賞:ナディア・テレスツィエンキービッツ(『動物だけが知っている』)
▼最優秀監督賞:サイード・ルスタイ監督(『ジャスト 6.5』)
▼審査員特別賞:『アトランティス』(バレンチン・バシャノビチ監督)
▼東京グランプリ:『わたしの叔父さん』(フラレ・ピーダセン監督)

EB286D39-DC32-4849-A82B-41D9E874C220.jpeg

日本映画スプラッシュ部門
▼作品賞:『i 新聞記者ドキュメント』(森達也監督)
▼監督賞:渡辺紘文監督(『叫び声』)

アジアの未来部門
▼国際交流基金アジアセンター特別賞:レザ・ジャマリ監督(『死神の来ない村』)
▼作品賞:『夏の夜の騎士』(ヨウ・シン監督)

東京ジェムストーン賞
▼吉名莉瑠(『https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32JPS05』)、伊藤沙莉(『タイトル、拒絶』)、佐久間由衣(『“隠れビッチ”やってました。』)、ヨセフィン・フリーダ(『ディスコ』)

アメリカン航空アウォード 大学対抗ショートフィルムコンテスト
▼グランプリ:『Down Zone』奥井琢登監督(大阪芸術大学)


🎬『ファイアー・ウィル・カム』オリヴァー・ラクセ監督/スペイン、フランス、ルクセンブルク/85分/ワールド・フォーカス

山火事を起こした罪で服役していた中年男アマドール(アマドール・アリアス)は2年ぶりに故郷の村に帰ってきた。故郷には年老いた母親が牛を3頭飼って細々と暮らしている。

村人は彼が通りかかると「タバコの火をかしてくれ」などと冗談ぽく言うが、表向きは村八分という感じではない。

出演している方は地元の方だ。いつもの生活をそのままやっているだけだが、静かに展開するストーリー。

特筆することは、山や木々にいろんな表情があったことと、日射しがある風景の時だけに流れるアルトの歌声が「鎮魂歌」のように聴こえたことだ。

山火事の恐ろしさ、時には自然発火もあると聞く。ふせぎようのない怖さを圧倒的な映像で見せてくれた。素晴らしい作品だった。
posted by ミッキー at 08:43| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月05日

東京国際映画祭2019(6) 痛い!日本『タイトル、拒絶』『どうしようもない僕のちっぽけな世界は、』

🎬『タイトル、拒絶』山田佳奈監督/98分/日本映画スプラッシュ

舞台は雑居ビルにあるデリヘル。ここで働くのは、女性たち、客をさばく雇われボス、送り迎えする男性運転手がいる。

入ったばかりのカノウ(伊藤沙莉)は、その部屋の様子をみて小学生の時にやった「カチカチ山」を思い出すのだった。皆、ウサギちゃんには目がいくが、タヌキには目もくれない……。

5C4D624F-534F-4EDF-8739-2B92FA536FFC.jpeg

生々しい性産業の現場が面白い。女の職場?だが、若い子や美人にご指名がかかる。自分はまだまだ捨てたもんではないと確信してる痛い女もいるし、精神がちょっと……と思う女もいるが、これはこの職場独特のものではないと思う。大会社だって似たような構造はあるはず。

どんな映画でも「隙間」にちょこんと入っていい感じの佐津川愛美さんがここでは痛い女を演じていたし、片岡礼子さんは年季の入った娼婦然とした貫禄はさすがで、吐露する台詞も良かった。


🎬『どうしようもない僕のちっぽけな世界は、』倉本朋幸監督/87分/日本映画スプラッシュ

幼い娘を持つ若い夫婦(郭智博 和希沙也)は、突然、児童相談所に虐待を疑われて、娘ひいろ(古田結凪)を養護施設に入れられてしまう。

検査した医師は、脳に異常が見られるという結果に身に覚えのない夫だったが妻がルーズで自分勝手な行動や約束を守らない性格なので妻が手をあげたのかと思っていた。給料も事件のことで休みがちになって実家の母親(美保純)から援助してもらっている状態になってしまった。


養護施設に夫が会いにいく場面から始まった。優しいお父さんだが子は「パパァ」と飛び付いてくるわけでもない。一人で遊んでいて父親の問いかけに答えている。お母さんにも飛び付いてもいかず、身をこわばらせているようだった。でも虐待しているかはわからない

そんな時、相談員が実家のおばあちゃんのところなら養護施設から出すことができると言われ四国の田舎に行く。その後もいろいろあって娘が怪我をした時、検査で脳には異常はないと言われ、怒りは沸騰する。

最初、自分たちはしていないと言ったが、医師の「脳に異常あり」の言葉で仕事も家族もうまくいかなくなった。そのことを突き詰めようと医師に電話するが相手にされない。

とりとめもなくストーリーをだらだらと書いてしまったが、いつ何どき誰もが「こうなる」可能性はある。何かのきっかけで「精一杯でやっている生活」が崩壊していくのを見て辛くなった。
posted by ミッキー at 13:08| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする