2020年09月06日

あいち国際女性映画祭2020(4)『ハラボジの家』

あいち国際女性映画祭2020フィルム・コンペティション グランプリ作品決定

【アニメーション部門】
きし あやこ 監督 『ペン&マジック』

【実写部門】
大森 歩 監督 『リッちゃん、健ちゃんの夏。』

🎬『ハラボジの家』ユン・ダンビ監督/韓国/105分/日本初上映

10代の娘・オクジュ(チェ・ジョンウン)と幼い弟のドンジュ(パク・スンジョン)は父親の仕事がうまくいかず、病身の年老いた祖父の世話をするためもあって、街中のアパートから車一台に乗る荷物以外は皆売り払って、郊外にあるおじいさんの古いが広い家に同居することにした。

そこに父親の妹も夫と離婚すると言って同居することに。今まで、独り暮らしだったおじいさんの家は急に5人家族になって……。

この映画祭に主演女優賞があれば、お姉ちゃん役のチェ・ジョンウンさんに差し上げたい。この少女の目を通して父親を見限って出て行った母親のこと、急に身じかになったおじいさんのこと、時にはうるさい弟のことが、心の動きと共に瑞々しく描かれていた。

有名な役者さんも悪人もいない。どこの国に置き換えても通じる普遍的な作品の中に、時折々に囲む食卓の様子が韓国らしい趣を持って描かれていた。

この女性監督さんの力量に驚くと共に、こういう才能のある監督がいる限り「あいち」の映画祭も続けられるなと嬉しくなった。
posted by ミッキー at 08:26| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月05日

あいち国際女性映画祭2020(3)『友達やめた。』

🎬『友達やめた。』今村彩子監督、撮影、編集84分日本初上映

生まれつき耳の聞こえない私「今村監督」と、アスペルガー症候群で小学校の給食に従事している林政世さんこと「まあちゃん」。お付き合いしてからいろいろな「?」が原因で、監督の気持ちがイライラしたり、モヤモヤしたり……。

8C201A76-F76D-4F5A-9B97-0D31BE59E6F1.jpeg

これはチケット完売で日本初上映だから期待して観た。監督さんのドキュメンタリーは『珈琲とエンピツ』『架け橋 きこえなかった311』『start line』を観ているが、背伸びしない等身大のドキュメンタリー作りに好感を持っていた。

しかし今作も面白いけど「荷」が重たかったのでは?と感じた。

撮る側、撮られる側のバランスが微妙で、圧倒的にまあちゃんが役者が上で強靭さは生半なものではない。監督さんはその強さを制御できなくなった時、カメラを止めている部分があった。止めた先がドキュメンタリーそのものであったはず。

まあちゃんの話ぶり、気持ちの起伏、それが「全部まとめて個性」。改めてアスペルガーとはなんぞや……と考えさせられた。

★監督さんは最後に「実はまあちゃんにはこの作品をまだ見てもらっていない」と言った。驚いた。そんなこと許されるのかミッキーにはわからないが釈然としなかった。
posted by ミッキー at 09:33| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月04日

あいち国際女性映画祭2020(2)『花椒の味』

🎬『花椒の味』ヘイワード・マック監督、脚本/中国、香港/118分

旅行会社で働くユーシュー(サミー・チェン)は、香港・大抗で火鍋店を経営する父の急死で、自分には異母姉妹が2人いることをはじめて知った。彼女自身は病身の母親と自分を見捨てて家を出た父とは距離をおいていて、母親が死んでからは香港の街中で1人暮らししていた。

異母姉妹の2人とは父の葬式で初めて会うが、1人は台北に暮らすビリヤードの人気選手ユージー(メーガン・ライ)、もう1人は重慶に住むユーグォ(リー・シャオフェン)だった。

姉妹とはすぐ打ち解けたが、葬式後、それぞれ家に帰って行った。ユーシューは火鍋店の契約があと一年残っていて契約を破棄すると莫大な違約金を払わないといけないので、婚約者(なんとこの役はアンディ・ラウ!)に承諾を得て、一年だけ火鍋店を続けることにしたが……。

DB6DA7EA-30EA-44DF-881E-B1315A9CCE6C.jpeg

亡くなったお父さんは女房運には恵まれなかったが、美しい娘が3人もいて子ども運には恵まれていた。その3人もその周りにいる人間模様も多種多様で見飽きることはなかった。

関係が近ければ近いほど「伝えたい」ことが難しい時がある。そんな悔いが父親の死で浮き彫りにされていた。

★「火」を扱う葬式の場面が見事だった。
★アンディ・ラウさんが出て嬉しかったが、話しながらのよそ見運転にはハラハラした。
posted by ミッキー at 16:12| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする