2019年07月21日

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019(4)『ザ・タワー』 受賞作品発表‼️

🎬『ザ・タワー』マッツ・グルードゥ監督、脚本/ノルウェー、フランス、スウェーデン/77分/日本初上映

ベイルート郊外の難民キャンプで家族や親戚と一緒に暮らすパレスチナ人の少女ワルディ(声:ポーリーヌ・ジアデ)は、それぞれが辛い記憶や未来への希望を秘めていることに幼いながらも気づいていた。

そんなある日、1948年に故郷パレスチナを追われ、この難民キャンプに来た曾祖父シディから大切に持っていた故郷の家の鍵を託された。ワルディは曾おじいちゃんが帰郷の夢をあきらめてしまったのかと不安になってしまうが……。

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国際コンペティション部門で初の「長編アニメーション」。パトリス・ネザンプロデューサーが来日。

マッツ・グルードゥ監督は現在、中東の難民キャンプを回って本作を上映しているとのことで来日は叶わなかった。

監督は幼い時から母親がセーフ・ザ・チルドレンの看護師さんだったので、幼い時から夏休みには、この作品の舞台となった「ブルジュ・バラジネ難民キャンプ」で過ごした経験があり、その後、同キャンプでアニメーションの教師をした際に見聞きした体験が基になっていると語ってくれた。

今の時代をクレイ・アニメーション、昔を振り返る映像は同時の映像ニュースなどが使われていた。

⭐️今回の映画祭で上映された中で『陰謀のデンマーク』『イリーナ』『ブラインド・スポット』『ロケットマンの憂鬱』そしてこの『ザ・タワー』が気に入った。この中から作品賞、監督賞等々を勝ち取ってほしいと願っている。

出ました❗️

(国際コンペティション部門)

★最優秀作品賞グランプリ『ザ・タワー』

★監督賞『イリーナ』 『陰謀のデンマーク』

★審査員特別賞『ミッドナイト・トラベラー』

★観客賞『ザ・タワー』

詳しくはhttp://www.skipcity-dcf.jp/news/news/19072100.html

posted by ミッキー at 10:13| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月20日

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019(3)『バッド・アート』『ロケットマンの憂鬱』

🎬『バッド・アート』タニア・レイモンド、ジオ・ゼッグラー監督、脚本/タニア・レイモンド監督は主演/アメリカ/77分/日本初上映

無名の画家ジョルダナ(タニア・レイモンド)は、生活のためにリー・ローレンスというアーティストに雇われて、そのアーティストの名前で描いていた。

そんなある日、有名な美術雑誌に絶賛されて大々的に彼女の描いた絵画が載った。それを見たバイヤーたちが突然彼女の仕事場にやって来た。

ゴーストライターならぬゴーストアーティストだ。彼女の工房のある家はけっこう広く、ところ狭しと置いてある絵はわけのわからない前衛的な画(もう一人の監督さんジオ・ゼッグラーの手による作品)で、彼女は画商たちに「私は頼まれて描いているだけ、私の絵ではない」と何回も言うが「描いているならあなたの絵だ」と引き下がらない。

まあ絵画界のありそうなことだが、リー・ローレンスさんも同じ画風なんだろうか、サインをする場面が一回あったがなんと書いたのか見落とした。

登場人物が偽者臭く、誰も信用できない状態で、観る者をコメディー調に乗せて試されているような作品だった。

⭐️『サウルの息子』で主演したルーリグ・ゲーザが出ていた。
⭐️ ジオ・ゼッグラーさんはスプレーアーチストでBEAMS原宿の壁画を描いている。


🎬『ロケットマンの憂鬱』バラージュ・レンジェル監督、脚本/ハンガリー/90分/日本初上映

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1957年、宇宙開発に力を入れていたソ連は同盟国のハンガリーに世界初の宇宙飛行士を選ぶ権利を与えた。そこで候補者として選ばれたのが、ライコ(タマーシュ・ケレステシュ)という空を飛ぶことに人生をかけている若いジプシーの男だった。


この作品はあくまでもドラマだが、ガガーリンさんの前には何人か打ち上げられて失敗、犬のライカの前にもたくさんの動物たちがロケットにのせられて死んだのは想像がつく。

選ばれたのは3名で、ジプシー(ロマ)のライコ、ナチスの女、モンゴルの男だ。当時として使い捨てしやすい人選。一方、ソ連のガガーリンも後に書記長となるブレジネフも出ていて、ひょっとしたら「現実?」と思わせる奇想天外コメディだった。


posted by ミッキー at 20:15| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月18日

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019(2)『未成年』『イリーナ』

🎬『未成年』キム・ユンソク監督、脚本、出演/韓国/96分/日本初上映

女子高生のジュリ(キム・ヘジュン)は会社経営の父親(キム・ユンソク)が同級生ユナ(パク・セジン)の母親と浮気をしていることを知って、ユナを呼び出して忠告をしたが、逆に「私の母はあんたの父親の子を身ごもっているよ」と言われた。口論中にジュリにかかってきた母親からの携帯を奪い、ユナは夫の浮気をばらしてしまう。

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韓国俳優のキム・ユンソクさんが監督デビュー作品。このドロドロの原因はジュリのパパの優柔不断が元。ユンソクさんのあたふたぶりが上手い。いろんな事情で女の子同士、髪の毛を引っ張って取っ組み合い喧嘩になる。

しかし、この家族間の大きな問題を乗り越えて、それぞれ境遇は違うが「強く生きて」行けそうだと感じさせる終わり方だった。

⭐️ジュリは丸顔、ユナはほっそりとしたお顔。キム・ユンソク監督さんは俳優選びが上手い!

🎬『イリーナ』ナデジダ・コセバ監督/ブルガリア/96分/日本初上映

ブルガリアの貧しい村に住むイリーナ(マルティナ・アポストロバ)は、働いている食堂の残り物やビールなどを持ちかえって、食いぶちの足しにしていた。夫は元炭鉱にいたが今は庭先の炭鉱跡から石炭を掘り起こしては暖房に利用している。

しかし、お店のオーナーに見つかりイリーナは首に、夫は落盤で両足切断……、どうにもならない状況の中、インターネット上で「代理出産求む、既に健康な子どもがいる方」という広告に応募。面接、診断とも合格したイリーナだった。

またまたすごい作品だった。この映画祭で上映されるものに「ハズレ」はほぼない。すごい!が90点以上なら、ここのまあまあは75点ぐらいだから、皆、レベルが高い! それに安い!椅子はちょっと続くと腰にこたえるが、いい作品を観たら文句なんかぶっ飛んでしまう。

若妻イリーナさんは首になった日、早めに帰ったら「夫と実姉」の現場を見てしまった。だけど夫に嫌気がさしていたので冷静だ。「あなたたち、いったいいつからなの? 毎日?1日おき?」と聞いていて、夫に「寒くなるから石炭とってきて」と言って、夫が地下に潜ってまもなく落盤。

踏んだり蹴ったりの三隣亡(さんりんぼう)の日だ。(ブルガリアにも三隣亡という意味の言葉があるだろうか)

両足のない夫との生活、代理出産の悶着で一波乱あるが、最後の幕切れは感動的だった。
posted by ミッキー at 19:49| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする