2025年04月17日

『レイブンズ』伏見ミリオン座にて

🎬『レイブンズ』マーク・ギル監督、脚本/フランス、日本、ベルギー、スペイン/116分

北海道の高校を卒業した深瀬昌久(浅野忠信)は、父(古舘寛治)の写真館を継がずに上京する。

東京で写真修行する中で、深瀬は美しく力に満ちた女性・洋子(瀧内公美)と恋に落ちる。

洋子は深瀬の写真の主題となり、革新的な作品を生みだしていくが、深瀬の心の闇は「鴉の化身」となって彼を惑わせる。


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深瀬昌久という写真家は恥ずかしながら知らなかったが、あのカラスの写真は見たことがある。

主役をやった浅野忠信は25年前に『地雷を踏んだらサヨウナラ』でも実在の写真家を演じている。浅野忠信の目がカメラマンとしての役にふさわしいのだろう。父親の古舘寛治の目もよく似ていた。

まるで死神のようなカラスの化け物に取り憑かれて、独り言をいう深瀬昌久に芸術家の持つ複雑さと深い孤独を感じた。


posted by ミッキー at 22:05| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月16日

三人の密室ホラーは思わぬ方向に 4月25日公開『異端者の家』 

🎬『異端者の家』スコット・ベック、ブライアン・ウッズ監督、製作、脚本/アメリカ、カナダ/111分/4月25日よりTOHOシネマズ日本橋、伏見ミリオン座他にて全国ロードショー公開

若いシスターのパクストン(クロエ・イースト)とバーンズ(ソフィー・サッチャー)は、モルモン教の布教のため森の中の一軒家を訪れる。

出てきた優しげな初老の男性リード(ヒュー・グラント)は妻が在宅だと安心させて、2人を家に入れる。

シスターたちが布教を始めると、リードは「どの宗教も真実とは思えない」と持論を展開。

妻はなかなか現れず不思議に思っていると、人見知りするがパイを焼いているので待ってくれという。だが危険な雰囲気を感じた2人は密かに帰ろうとするが、玄関の鍵は閉ざされており、携帯の電波もつながらない。

教会から呼び戻されたと嘘をつく2人に、帰るには家の奥にある2つの扉のどちらかから出るしかないとリードは言う。実はその家には、数々の恐ろしい仕掛けがあって……。

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ヒュー・グラントさん、不気味、怖ーい。つい2週間前に見た『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』の穏やかさが嘘みたいだ。

でも宗教論争になると話が止まらず(納得する部分もある)聞いていて「この親父、何者?」と思えてくる。

ホラー度はそう高くないが、思わぬ方向に展開するのでハラハラ度は高い。

★女の子2人、密室で一度もトイレに行っていない……この頃トイレが近くなったミッキー、心配しながら見ていた。


posted by ミッキー at 20:52| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月14日

『悪い夏』109シネマズ名古屋にて

🎬『悪い夏』城定秀夫監督/117分

市役所の福祉課に勤める生真面目な佐々木守(北村匠海)は、同僚の宮田(伊藤万理華)から「職場の先輩・高野(毎熊克哉)が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしい」と相談を受ける。

相談されて断りきれず真相究明を手伝うことになった佐々木は、その受給者である育児放棄寸前のシングルマザー・愛美(河合優実)を訪ねる。

高野との関係を否定する愛美だったが、実は裏社会の金本(窪田正孝)とその愛人の莉華(箭内夢菜)、手下の山田(竹原ピストル)とともに、ある犯罪計画に手を染めようとしていた。

そうとは知らず、愛美にひかれて行く佐々木。彼の悪夢のような夏が始まる。

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公開されてからずいぶんたっているのに、うっかり忘れていた作品。思い出して109に行った。お客は4人。でも思い出して見に行ってよかった。ミッキーの好みだった。

ここに出てくる人で最初から最後まで「良い人」は生活に困っている母と小学生の息子の2人だけ。需給されなくて自殺未遂している親子だ。そのほかの方は皆、状況によって変化していく。それも生々しく……。

この映画は、そんな生々しさをそのままにしないで終わっているところが気に入った。

*俳優さんのコンビネーションが良くて、特に窪田正孝さんはすごかった。


posted by ミッキー at 23:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする