2021年12月01日

『芸術家・今井次郎』今池シネマテークにて

うちから3分ぐらい歩いたところの堀川護岸に小さな公園ができた。堀川護岸には他にも公園があるが、こんなに近くにできたので嬉しくなった。でも、日陰はなく夕方散歩がてらにちょっと座って休憩する予定だ。

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🎬『芸術家・今井次郎』青野真悟、大久保英樹監督、撮影、編集/94分/今池シネマテークにて

作曲家、ミュージシャン、造形作家、パフォーマーで多彩に活動し、2021年には美術作品集が出版されるなど再発見されている今井次郎さん。2012年に悪性リンパ腫で他界した彼は、死に先立つ半年間の入院生活中、病院食を使って表現したユーモアあふれる「ミールアート」をはじめとする多くの作品をSNSで発信し続けたていた。

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芸術家と題に記してあるがご自身ではそうは思ってないのではないかな。上手く表現できないが、地球外からヒョイ!とばかりにこちらへ遊びにきた「宇宙人」のような、誰にも真似できない個性(特性かな)が、息づいている感じがした。

ちょっと半歩ほど外したような魅力的な才能を持っていて、その気になりさえすれば「時の人」となってもてはやされる人生もあったはずだ。だが、今井次郎さんは有名にもお金持ちにもならなかったし、なろうともしなかった。しかし、その他の幸せの「全部」を手に入れた方だ。

最後に病院食でいろんな「人がた」の造形を皿にのせて見せてくれた。前に本で見ていたが改めて病院の中でこんな「遊び」をなさっていたかと思うと、なぜだか涙が出た。

60の年齢でおなくなりになったが、今頃、きっと「宇宙(そら)」で雲や星や陽の光を集めて造形して遊んでいるのではないか……そう思わせる不思議な力のある今井次郎さんのドキュメンタリーだった。

★シネマジャーナル(白)さんのインタビュー記事をお読みください 
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/484140783.html
posted by ミッキー at 01:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月29日

『ぶらりぶらぶら物語』岐阜ロイヤル劇場にて

シドニー娘から『相撲道〜サムライを継ぐ者たち〜』の感想がラインで届いた。

『相撲道〜サムライを継ぐ者たち〜』よかったぁ、一番よかった。エディも喜んでいた。焼肉を監督さんが奢るシーンで8000ドルと聞いて会場がざわついていたよ。大きな体をマッサージ師が揉むシーンも良かった。お相撲さんがマッサージを痛がっていたのが印象に残っているよ。

🎬『相撲道〜サムライを継ぐ者たち〜』坂田栄治監督/104分

2018年の年末から約半年の間、境川部屋と高田川部屋の稽古場で密着取材。厳しい稽古をする力士の日常と、親方や仲間との絆などをカメラに収めている。1500年以上もの歴史と伝統を誇り、日本の国技となった相撲の知られざる世界に迫ったドキュメンタリー。

相撲稽古、ちゃんこを作る、近くの整体師、本場所の相撲と精神面等々目を見張ることばかりだった。面白い場面もあった。監督さんが部屋の皆を焼肉をおごる場面だ。「撮影に協力してくれてありがとう。どんどん食べてください」と言ったものの、会計時の監督の驚き顔は見ものだった。なんと80万円以上❗️ちゃんと払えたのか心配になった。

もうどこもやってないと思うが、DVDでもたのしめそうだ。ナレーションの遠藤憲一さん◎


🎬『ぶらりぶらぶら物語』松山善三監督、脚本/98分/1962年/岐阜ロイヤル劇場にて

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生活用品を全部持ってぶらぶらと全国を歩く男(小林桂樹)猪戸純平は、姿こそ宿無しのこじきに見えるが、自分では自由業と思っている。そんな純平は食堂のうどんの中にハエが入っていて、それを店主に言うと無銭飲食と間違えられて警察につきだされてしまった。

その警察署で原爆罹災者と嘘を言って詐欺をしながら全国を行脚している桑田駒子(高峰秀子)と出会う。知的美人で口が立つ駒子と気が合って、その晩に一緒に飲んでいたら、酒に睡眠薬を入れられて寝ているうちに虎の子のお金を駒子に盗られてしまう。急いで駅に行くが、駒子は見つからず、なんの因果か武男とマリ子という幼い兄妹の面倒を見るはめになって……。

ぶらりぶらぶらする小林桂樹、山下清画家の裸の大将もやった小林さんだけど、なかなかの自由人ぶり。

無一文で子ども連れの純平の苦労苦難を何とか知恵をだして、兄妹をおばさんの家に届けるが……話はいい方向に向かったので安心した。

★戦後のどさくさが少しおさまって、目まぐるしく発展する様子がいろんな都市でみることができた。
★今週は大島渚監督の『太陽の墓場』も観たいので、また岐阜に行く予定だ。
posted by ミッキー at 15:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月28日

美少年が自尊心を取り戻したドキュメンタリー 12月17日公開『世界で一番美しい少年』

🎬『世界で一番美しい少年』クリスティーナ・リンドストロム、クリスティアン・ペトリ監督/スウェーデン/98分/12月17日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、名古屋伏見ミリオン座他にて全国ロードショー公開。

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ルキノ・ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』(1971)は2回ほど観ているがストーリーより、ビョルン・アンドレセンのギリシャ彫刻のような完璧な美しさの前にひれ伏したい気分になったことだけ覚えている。

このドキュメンタリーで美少年のその後を見ると精神的な苦労が次々と押し寄せて来たことがわかった。

今は、白いひげをはやした(1955年生まれ)彼は、65、6歳だが姿勢もよく年齢より老けて見えるが、なかなかの男前だ。

『ベニスで死す』の後に日本に数ヶ月滞在して、コマーシャルにでたり、歌を吹き込んだり(歌は上手で音程もいい)していたとは知らなかった。そしてその時泊まった帝国ホテルに、このドキュメンタリーのために来日した時も、同じ部屋に泊まったシーンが出てきた。エレベーターの押すボタンをよく覚えていて懐かしそうにしていた。

50年前の大騒ぎの来日に唯一手元のボタン(当時では珍しいと言っていた)を覚えているなど、孤独感や閉塞感を抱えていたんだなと感じた。

彼の苦難も満ちた半生をとにかく観ていただきたい。そして『ベニスに死す』を正月休みにでもDVDで見るのも一考だろう。

★メリハリのきいた編集がとても良かった。98分の長さにまとめ上げられたのは編集の技。
★彼は音楽学校でピアノを専攻していた。だから歌も勘の良い歌い方をしていた。
posted by ミッキー at 09:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする