🎬『君の顔では泣けない』坂下雄一郎監督、脚本/123分/11月14日公開予定
高校1年生の坂平陸(西川愛莉)と水村まなみ(武市尚士)は、プールに一緒に落ちたことをきっかけに体が入れ替わってしまう。
2人はいつか元に戻ると信じ、入れ替わったことを周囲に秘密にしたまま日常生活を送りはじめる。
陸としてそつなく生きるまなみ、だが不器用な陸は入れ替わったことをなかなか受け入れられず、戸惑っているうちに時が流れていく。
そのまま高校を卒業し、進学、初恋、就職、結婚、出産、そして親との死別と、人生の転機を入れ替わったまま経験していく。
そして30歳の夏、まなみ(橋海人)は陸(芳根京子)に、元に戻る方法がわかったかもしれないと告げる。
原作は2021年に出版された君嶋彼方の同名小説の映画化。
お互いの体が入れ替わったまま15年の歳月がいろんな出来事によって翻弄されていく様子が年代を前後しながら描かれている。
15年は長い……その間は入れ替わった家族と暮らすわけなので、相当なストレスがあったと思う。そのうちきっと元に戻れると願いつつ、一番楽しいはずの青春時代を送る気持ちは想像できない。
お互い、15年のうちに何回か会って情報交換しているが、そのうち「このままでもいいか……」と思い始めてもいる。
今まで見てきた「入れ替え」映画とは違う「何か」を教えてくれた作品だった。

