浮世絵師・葛飾北斎(永瀬正敏)の娘であるお栄(長澤まさみ)は、ある絵師に嫁ぐが、夫の絵を見下したことで離縁される。
北斎のもとに出戻ったお栄は、父娘として、師弟として、北斎と生涯をともにすることになるが……。
2人が暮らす貧乏長屋は散らかり放題で、家事をしないお栄だが、絵の才能だけは父親譲り。北斎から「おーい、筆!」「おーい、飯!」と頼まれるので「応為(おうい)」という画号にしたお栄は、当時としては珍しい女の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。
10年前に公開されたアニメ『百日紅 Miss HOKUSAI』のお栄のイメージとは違うのは当然だが、北斎の気質などは詳しく描かれていた。
一緒に暮らしていて、自分とは違う画風の絵を描き始めた娘を、父親は口には出さないが認めていたことがわかった。
北斎の死後、お栄のその後はわかっていないが「作品」だけは、生きた証として残っている。幸せな人生だったと思う。

