1945年5月、桂子は横浜大空襲の被害を受けた。そんな彼女が夫として選んだ相手は、米軍の兵士だった。
1951年、20歳の時に米軍兵士と結婚し、アメリカへ渡った桂子。米軍兵士と歩いているだけで非難された時代に、なぜ彼女は敵国の軍人と結婚したのか。
終戦80年が経ち当時の語り手が失われゆく中で、桂子の甥にあたる川嶋龍太郎が監督を務めて彼女の生の声をとらえている。
米オハイオ州ライマ市在住の桂子(ケイコ)・ハーンさんが、戦後歩んできた激動の人生を紹介したドキュメンタリー作品。
すぐに思い出したのは1998年に公開された松井久子監督の『ユキエ』だ。主演は倍賞美津子さん。戦争花嫁として、米国南部のバトンリュージュに嫁いだユキエ。結婚して四十年以上が経ち、夫に愛され幸せな日々を送っていたが、ユキエがアルツハイマー病に冒されてしまうというストーリーだった。
91歳の女性はいわゆる戦争花嫁ではなく自由恋愛で結ばれて結婚した。夫も真剣に交際、結婚を望んでいた。
それでも周りの目はそう思わなず無遠慮な視線、辛辣な皮肉などで苦労したことが描かれていた。

