2020年2月3日、乗客、乗員3711名を乗せた豪華客船が横浜港に入港した。香港で下船した乗客1名に新型コロナウイルスの感染が確認されており、船内では100人以上が症状を訴えていた。
日本には大規模なウイルス対応を専門とする機関がなく、災害医療専門の医療ボランティア的組織「DMAT」が出動することになった。
彼らは治療法不明の未知ウイルスの危険にさらされながらも、乗客全員を下船させるまで闘い続ける。

ああ、あれから5年しか経っていないのか……と思った。もっと長い時間が経っている感覚でいた。当時、この豪華客船の映像を前に逐一ニュースが流れていた。それから約3年間のコロナ禍の始まりだ。
この客船の中に乗っていた3711人、一人一人に簡単に口にできないご苦労があったはずと改めて「普通の生活」の尊さを感じた。
実際は、映画よりもっともっと過酷だったはずなのに……と感じるが、それは観ている人に委ねているのだろう。