島津巳喜男(竹中直人)は、電話で出版する本のタイトルを「東京日和」とすることを水谷に伝えた。電話を切った島津は、妻ヨーコ(中山美穂)の写真の飾ってあるベランダのテーブルに向けてシャッターを押す。そして、ヨーコが今もこの部屋にいるように感じ、過去を思い出す。
その日、仲間たちが集まって島津の家で食事会を開いていた。しかし、ヨーコはキッチンから出てこない。ヨーコは水谷の名前を谷口と間違えたことを気にしていた。誰も気にしてないとなだめる島津だったがヨーコの機嫌は直らなかった。みんなが帰った後、ヨーコは家を飛び出し、三日間帰って来ないのだった。
ヨーコの行方を捜しに、島津は彼女の職場に行ってみる。ヨーコは、島津が交通事故にあったことにして、欠勤しているのだった。自分が来たことは内緒にするよう念を押し、島津は自宅に帰る。すると、ヨーコが子どもを連れて帰ってきていた。子どもは同じマンションの1階の共働きの子で、テツオというのだった。
どこに行っていたかを答えないヨーコに、苛立つが、島津はヨーコに結婚記念日に柳川にいくことを提案する。先日の一件から少しずつ日常が戻りつつあった。しかし、ヨーコは蚊が飛んでいる音が聞こえると暗い顔をする。

梅雨の晴れ間に岐阜に。写真家の荒木経惟・荒木陽子著のフォトエッセイが原作。監督•主演は竹中直人。
東京の当時の普段着の街並みが美しく、旅に出た先の「柳川」も情緒があった。
何より 中山美穂さんの陰影のある表情が見事だった。今まで好きな部類の女優さんではなかったが、これを見て「愛おしく」なった。
🎬『104歳、哲代さんのひとり暮らし』山本和宏監督/94分/岐阜柳ヶ瀬CINEXにて
尾道の山あいの町にある大きな一軒家で、100歳を超えてもひとり暮らしをしている石井哲代さん。
小学校の教員として働き、退職後は民生委員として地域に溶け込んでいる。
83歳で夫を見送ってからは、子どもに恵まれなかった哲代さんは、姪や近所の人たちに見守られて過ごしている。
年齢を重ねて思うようにいかないことが増えても、哲代さんは一人自由な暮らしを続けていく。

あやかりたい老後ドキュメンタリー(もう老後だけど)。大きなお声ではっきりお話できてユーモアがあって……人と付き合うのの好き、でも一人も寂しくない。
リリー・フランキーさんのナレーションが良かった。