高校教師のチェン(ロー・ジャンイップ)が勤める学校で、自殺をほのめかすような遺書がゴミ箱にから見つかった。
そこに書かれていた「私はどうでもいい存在だ」という言葉は、少年時代のチェンが日記につづったものと同じだった。
遺書を書いた生徒を探すなかで、チェンは自身のつらい記憶をよみがえらせていく。
厳格で怒ると暴力を振るう父のもとで育った、出来の悪い兄と優秀な弟。親の期待に応える弟とは違い、勉強もピアノもできない兄は、いつも叱られ、体罰を受けていた。

中国、韓国は日本とは比べようがないほど「教育」「学歴」熱が高い。大学名だけで国の津々浦々までレベルが知れ渡っていて、その上アメリカ留学で一層「箔」をつけて一流企業、公務員で上がり、となる。
弟くんが教師だから勝ち組だが、ゴミ箱に捨てられていたメモに兄の短い人生を重ねていくのだ。
人間の幸不幸は学歴出ないことは重々よくわかっているが、中国(香港)のこの時代に、ミッキーが子を育てていたら、綺麗事では済まされないな……と思った。
★街の風景(特に大画面)の角度が良く新鮮に感じた。