金子真司(丸山隆平)は刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する「差入屋」を妻(真木よう子)や叔父(寺尾聰)と営んでいる。ある日、息子の同級生で仲の良い女の子が殺害されるという凄惨な事件が発生する。
一家がショックを受ける中、犯人の母親(根岸季衣)が「差し入れをしたい」と店を訪れる。
差入屋としての仕事をしながらも、金子は疑問と怒りが日に日に募っていく。
そんなある日、金子は一人の女子高生と出会う。彼女は毎日のように拘置所を訪れ、なぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。

調べてみたら拘置所や刑務所近くに必ずある「差し入れ屋」 今ではネット注文ができ、とても便利になっているようだ。でも利用者は自ずと限られた人たち。
その店をいとなむ一家の喜怒哀楽が丁寧に描かれていた。叔父役の寺尾聰がちょうど良い立位置で演じていたり、殺人をした息子にためにあれこれと差し入れする母親の根岸季衣の表裏一体の演技を見せてくれたりとベテラン俳優の力量がいっぱい詰まった作品だった。