第1次世界大戦後のデンマークのコペンハーゲン。お針子として働きながら、貧困から抜け出そうと必死にもがく女性カロリーネ(ビク・カルメン・ソンネ)は、恋人に裏切られて妊娠中に捨てられてしまう。
そんな中、彼女はダウマ(トリーヌ・ディルホム)という子持ち(6、7歳に女の子)の女性と出会う。
ダウマは表向きはキャンディショップを経営しているが、その裏で貧しい母親たちが望まない子どもを里親に託す手助けを秘密裏にやっていた。カロリーネも産んだ赤ん坊を彼女の世話で養子に出した。
その後、行き場所のないカロリーネはダウマのもとで乳母として働くことになり、ダウマに親しみを感じようになる。だが、やがて恐ろしい真実を知ってしまう。

第1次世界大戦直後のデンマークで実際にあった犯罪を基に貧困から抜け出そうと生きる女性の姿をモノクロの映像で描いている。
そういえば日本でも同じような事件があった。寿産院事件といって1948年に発覚した嬰児の大量殺人事件。養子の斡旋業をしながら、預かった赤ん坊を次々に……(ネタバレ ごめんなさい)時代は違うが戦後のどさくさに起きた事件だ。
男にだって孕ませた罪があるのに、蔑まれたり、苦労したりするのは女ばかり、同じようなことがどこの国でも起こっていたに違いないと思った。
★第97回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートされた。