ナイトクラブで観客を魅了するドラァグクイーンのジュールズ(ネイサン・スチュアート=ジャレット)は、タトゥーだらけの男プレストン(ジョージ・マッケイ)と出会う。
しかしその出会いは憎悪に満ちた暴力となって、ージュールズは心身に深い傷を負い、舞台も出られないほど落ち込んでしまう。
その数カ月後、ジュールズはゲイの溜まり場のサウナで偶然にプレストンを見かけた。彼はジュールズのことは覚えていなかった。
家族や友人に性的指向を隠して暮らすプレストンに復讐するチャンスと思ったジュールズは巧みに彼に接近するが、密会を重ねるうちにプレストンの暴力的な仮面の奥に潜む脆さと葛藤を知って、ジュールズの心に思いがけない感情が湧き出てきて……。

増悪から始まった「愛」だが、初対面の時にブレストンはジュールズに仲間たちと一緒になって暴力を振るっている。なのに顔を覚えていなかったのが不思議だ。
そんな2人が離れがたい存在になるのは、さほど時間はかからず、いったいどうなってしまうのかヤキモキさせてくれたが、最後は切なくて、後味が妙に苦かった。