末期の病に侵された元・戦場報道官のマーサ(ティルダ・スウィントン)は、5年間会っていなかった作家で親友のイングリッド(ジュリアン・ムーア)と再会。会っていなかった時間を埋めるように、度々病室を見舞い語らう日々を過ごしていた。
苦しいだけの治療に落胆したマーサは、自らの意志で安楽死を望み、薬も闇ルートで手に入れていた。
人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、その時にはイングリッドに隣の部屋にいてほしいと頼む。悩んだ末にマーサの最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。
マーサはイングリッドに「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」と告げ、マーサが最期を迎えるまでの短い数日間が始まる。

ティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーアの共演だから期待満々で行った。観ているうちは引き込まれたが、終わってしばらくしたら、ふつふつと疑問や不満が出てきた。
親友と言っても「死ぬ時にそばにいて欲しい」と頼んだのは他に2、3人いて、偶然にマーサが病気と知ったイングリットが見舞いに行って頼まれたという経緯があった。
誰しもそんな頼み事はごめんだ。「最期に静かなところで1カ月くらい過ごしたいけど、一緒に行ってくれない?」で良かったのでは?と思った。
ミッキーがマーサならそうするし、ミッキーがイングリットなら、薬が紛失した時に見つからなかったことにする……なんていろいろ考えてみた。
一番印象に残ったのはマーサの娘が、疎遠でも母を思っていたこと。この終わり方がなければ救いにない作品になったと感じた。