🎬『占領都市』スティーヴ・マックイーン監督/イギリス、オランダ、アメリカ/251分
オランダの首都アムステルダム。運河が流れる美しいこの街には、第二次世界大戦中の1940年5月から5年間、ナチスの占領下に置かれ、その時の恐怖の記憶が潜んでいる。
その間、人々は自由を奪われ、多くのユダヤ人が犠牲になった。強制収容所へ移送された者は10万7千人。その内10万2千人が虐殺されたとされている。
第86回アカデミー賞で作品賞など3部門を受賞した『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックイーン監督は、歴史家の妻ビアンカ・スティグター著「Atlas of an Occupied City (Amsterdam 1940-1945)」を原作にして、251分のドキュメンタリーを作った。
長いもの好きなミッキーだが、このドキュメンタリーは長いだけではなかった。
美しく整った街並み、趣のある重厚な建物、公園近くだろうか子どもたちの遊んでいる声、買い物する人たち……ニュースではコロナの警戒放送が流れている。
そんな映像の中、ナレーション(メラニー・ハイアムズ)が淡々とナチス占領下で起こったことを教えてくれる。
途中、10分の休憩があったが、その後、なぜか緊張感が崩れて一部寝てしまった。
この作品を今年最後の映画にしてもいいなと思いながら劇場を出た。名古屋伏見近辺を歩いているときに「御園座も大須観音も第二次世界大戦の時はどんなだったもだろうか、住んでいた人はどうしのだろう……」とふと思った。
占領されていなくても、その都市や街にはいろんなところに過去の戦争の記憶が潜んでいると教えてくれた作品だった。
2024年12月28日
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