2024年09月10日
あいち国際女性映画祭2024 フィルム・コンペティションより
🎬『Braided』チャン・チェンシー監督/中国/6分/アニメーション部門
母はいつも私の髪をきつく編み、頭にくっきりとした分け目ができた。まるで道のように。ある日、母は丁寧に編んだ髪を切った。
突然、髪を切られた娘はびっくりするが、母の気持ちの動揺が伝わってくる。
母娘の絆が髪を結う、髪を切るという正反対の行によって描かれていた。髪をき切ってからのもつれたりバラバラになった髪の毛の表し方、ぶつぶつと小声で話す声が良かった。
🎬『 Alma's Condition 』サラ・ナベス監督/ボルトガル、スペイン/12分/アニメーション部門(グランプリ、観客賞)
アルマは毎朝、身体の変化に苦しめられている。劣等感を反映するかのように、身体は様々な形に変化する。普通の生活を送ることが難しくなり、アルマは孤独感に包まれていく。
どの画面も色のバランスが極上。キャラクターが個性的。アニメでしか描けない心理重視の作品。
🎬『Mrs. Iran's Husband 』マルセン・ホスラビ監督/イラン/27分/ドキュメンタリー部門グランプリ
イランの僻地である山奥の地では、彼と二人の妻と11人の子供たちが暮らしている。女は家事、羊の放牧と世話などで働き、いっときの休みもない。
夫はタバコを吸っているだけ…….。その彼が働き手として若い女性と3度目の結婚をしようとしている。
イラン映画ではよく見る風景だ。ここは田舎だが都会の食卓風景も男は目の前の皿一枚も触らない。女は子を産む、家事をする女中以下の扱い。
🎬『まつぼっくりと牛丼 』中野美子監督、出演/14分/ドキュメンタリー
東京・新橋駅前のSL広場。ここで70年間靴磨きをしている中本さん92歳。なぜ靴を磨き続けるのか。「働くこと」の意味を、時代をお新橋のサラリーマンと共に生きる姿に見つける。
監督が偶然通りかかって、話しかけて、出来上がった作品。初々しいまっすぐな作品。これが一番印象に残ったが、無冠だった。残念でならない。
この記事へのコメント
コメントを書く