🎬『トナカイは殺されて』エレ・マリア・エイラ監督/スウェーデン/107分
スウェーデンの先住民族サーミの少女(イェリン・クリスティーナ・オスカル)は、特に可愛がっていた白いトナカイを殺されてしまった。物陰で殺した男を見ていたが、父にも警察にもそのことは言わなかった。
少女はその人物を見つけ出して報復しようと誓うが……。
原作はアン・ヘレン・レストーディウスによる「トナカイは殺されて」で事実が基になっている。
随分前に『サーミの血』という映画があったのを思い出した。この作品も少女が主役。
『トナカイは殺されて』では、少女の10年後にとんでいて、トナカイ放牧は経済的に危機に陥っていたり、心ない男がトナカイを殺したり(犯人は10年前に可愛がっていたトナカイを殺した男)という状況。
そんな中で「トナカイの放牧地に、工場などを誘致して働き口を作ってくれ、放牧は縮小しろ」という意見が住民会議で賛成多数になっていく。父親と一緒に参加した少女は堂々と反対意見を言う。
サーミ以外の住民は「サーミなのに、女のくせに」という目つき。父親も後から「何も言うなと言ったのに……」と注意していた。友人は「頭がいいから都会に出るべきだ」と背中を押してくれるが、この地で生きていく気持ちが固い。
男性優位、民族差別が色濃く出ている作品だが、この地に限らずいろんな場所で同じようなことは起こっていると感じた。
★ストーリー展開も良いが、サーミの生活、家族の繋がりも丁寧に描かれている。
2024年04月12日
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