🎬『PERFECT DAYS』ビム・ベンダース監督、脚本/日本/124分
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)は、淡々と一日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって常に新鮮な喜びに満ちていた。
毎日アパートのそばにある自販機でコーヒーを買って、軽トラックのマイカーでトイレ掃除に出勤。昔から聴き続けているカセットテープの音楽、仕事終わりの銭湯と行きつけの屋台のビールと中華料理、休日のたびに古本屋で買う文庫本、彼は木が好きで、大木の根元にあるひこばえを自宅に持ち帰って植木鉢に植えたり、カメラを持ち歩き、木々の写真を撮っている。
そんなある日、思いがけなく姪に再会したことをきっかけに、彼の心に少しずつ光が当たっていく。
年末年始の映画はこれで決まり‼️
カンヌ国際映画祭では「主演男優賞」、キリスト教関連の団体から、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られる「エキュメニカル審査員賞」を受賞した作品。
東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いたドラマ。
中年になって、一人アパート暮らし。ひっそりと孤独を楽しむ様にも見えるが、きっと深い事情があると思いながら観ていた。その事情がぼんやりとわかったが、さして不幸とは思わなかった。でもその渦中から、フイッと逃げ出したのは「勇気」だったのか「逃避」だったのか……もう一度、じっくりと観に行こうと思っている。
2023年12月22日
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