🎬『アンダーカレント』今泉力哉監督、脚本/143分
かなえ(真木よう子)は父の死後、家業の銭湯を継ぎ、大学時代の友人であった夫・悟(永山瑛太)とともに働きながら幸せな日々を送っていた。ところが悟は風呂屋組合の旅行先から忽然と失踪してしまう。
かなえはしばらく呆然としていて銭湯も閉めていたが、やっと営業を再開させるまでになった。
その数日後、堀(井浦新)と名乗る男が銭湯組合の紹介を通じて銭湯を手伝うことになった。アパートが見つかるまで住み込みで働くことになった彼は寸暇を惜しまず真面目に働いてくれた。
かなえの事情を知った大学時代の女友だち(江口のりこ)から失踪した夫を探すためにと、胡散臭い探偵・山崎(リリー・フランキー)を紹介されて行方を探すことになって……。
原作は豊田徹也の長編コミック「アンダーカレント」で『街の上で』の今泉力哉監督が実写映画化。前作はいまいちピンと来なかったが、今作は143分、あっという間だった。
「一緒に住んでいて相手のことをわかっている」という思い込み、それとは反対に離れている期間が長くても「ずっと同じ思い出を持っていて、その相手を忘れない」という二つのことが作品に出てきた。
どんなに近くにいても、どんなに多く会話していても、いつも一緒で仲が良くても、アンダーカレント(底流のこと)はわからない。
どうにもならない八方塞がりの空気感を、脇のリリー・フランキーや江口のりこが軽妙な台詞まわしで救ってくれた。
2023年10月06日
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