
🎬『助産師たち』レア・フェネール監督/フランス/100分/日本初上映
5年間の研修期間を終えたルイーズとソフィアは大病院に新人助産師として働き始めた。初日の産科は病院案内もそこそこに慌ただしい雰囲気だった。邪魔にならないようにするルイーズ、機転がきくソフィアの2人はそれぞれに一日一日いろんな経験を通して成長していくが……。
まるで「とある緊急産科病院の一日」のドキュメンタリーを見ているようだった。赤ん坊が生まれる感動と母子の健康が脅かされる状態が交差する中で、医師、助産師、妊婦、妊婦の家族、そして移民国家のフランスならではの展開があって、一瞬も目が画面から離せなかった。
★今年のベルリン国際映画祭パノラマ部門でワールド・プレミアされた作品。
🎬『恵子さんと私』山本裕里子監督、脚本/23分/世界初上映
感染症の蔓延した近未来。ヒト型AIの利用が一般化した日本。
小山家の娘・愛理の育児全般と教育や家事を長年担当してきた「恵子さん」は、愛理の赤ん坊の時から12、3年近く母親以上に接してきた。このところ、機械の不備のせいか失敗が多く、それを心配した実母の理子は新型へ交換しようとするが、愛理は反発する。
近未来の世界で、人間親子は接触していけないらしい。だから愛理と理子親子はモニター越しの対話。人間同様(人間より細かい配慮ができる)のロボット母さんに懐いてしまうのは当然のこと。
だが愛理の勉強も高度になってしまうので、仕方なく「新型の恵子さん」の登場となるが……。
大仰な設定ではあるが人間性が抜け落ちていない展開に満足した。