
欧州連合(EU)加盟国の映画作品を上映するユニークな映画祭。20回目を記念する本年もEU 加盟のすべての国々「27カ国」が参加。東京・京都・福岡・広島の4会場で開催。
「映画でつながる、ヨーロッパ」のコンセプトのもと、家族、愛や友情、環境や女性の生き方など、世界中の人々に共通するテーマの作品が上映される。
また、昨年、加盟候補国となったウクライナの作品『ルクセンブルク、ルクセンブルク』がオープニング作品として特別上映される。
詳しくは https://eufilmdays.jp/

左から リトアニア『埋葬』のプロデューサー ダグネ・ヴィリジューナイテ
スウェーデン『タイガーズ サンシーロの陰で』の監督 ロニー・サンダール
ブルガリア 『母』の監督 ゾルニツァ・ソフィア
オランダ 『ケースがはばたく日』の出演 ケース・モッマ 監督 モニーク・ノルテ
🎬『埋葬』エミリヤ・シュカルヌリーテ監督/リトアニア、ノルウェー/60分/日本初上映
チェルノブイリ発電所と双子と言われるほど同型のイグナリナ原子力発電所。廃墟と化した制御室、放射線を放つ炉心は、何百万年もの時間を潜り抜けていく……。
ほとんど映像だけの60分。エミリア監督は目に見えないもの、手で触ることができないものに焦点を当てて製作する方。放射線はまさに見えなくて手でも触れない。でも世界中に蔓延しているものだ。
チェルノブイリもイグナリナも旧ソ連では国中から人がたくさんの集まって来て、いわゆる「企業城下町」となって、その子や孫もずっと住み続けていて、廃炉が決まった時にも、その仕事に従事している。
作る時より長い時間がかかる廃炉『埋葬』は未だ途中だ。そこには大きなニシキヘビがいて脱皮する様子も映っていた。その脱皮が新しく生まれる希望のようにも見えた。
★ リトアニアがEUに加盟する条件として「イグナリナ原子力発電所を廃炉」にすることは知らなかった。