今日、試写に行って聞いたニュースにはショックを受けた。今池シネマテークの閉館というニュースだ。ついこの間閉館した名演小劇場は常時ではないが、企画映画上映に今のところ運営しているが、今池はどうもビル自体が耐震化に伴って取り壊しになるようだ。取り壊しは聞いた話だが、閉館は確実。
だからというわけではないが、気分が落ち込んで食欲もない。
🎬『デスパレート・ラン』フィリップ・ノイス監督/アメリカ/84分
夫を1年前に交通事故で亡くしたエイミー(ナオミ・ワッツ)は、寂しさを抱えながらも平穏な生活を取り戻そうと懸命に働いていた。
そんなある朝、いつものように小学生の娘エミリーを学校へ送り出し、なかなか起きてこない高校生の長男ノア(コルトン・ゴボ)を起こしに部屋までコーヒーを持っていくが「気分が悪いから学校に行きたくない」というので「行かなくていいから、起きて」と言い残して朝のランニングに出掛けて行った。
森の中を走りながら、亡き夫の携帯に吹き込まれた声を聞いたり、好きな音楽を聴いていたエイミー。
職場の同僚、ママ友、実母、壁塗りの工事人からの電話で静かな時はそう続かなかったが、突然、走っている森の中の道をパトカーが数台走っていく。
しばらくして息子の高校で立てこもり事件が発生したことをママ友の電話で知る。今日は行っていないと思ったが、不安になって学校に問い合わせるが混線していて繋がらない……。
ナオミ・ワッツさん、走りづめ。84分同時進行だ。監督は『裸足の1500マイル』のフィリップ・ノイス。(この作品も走っていた)
2023年2月に公開された『対峙』を思い出した。高校銃乱射事件の被害者家族と加害者家族が事件から6年後に、双方の両親の対話を描いたドラマだ。銃社会のアメリカならではの作品で、『デスパレード〜』は設定も立場も違う。
事件の起こる前のランニング中にママ友からノアが学校でイジメを受けていることを聞いたり、事件の中、エイミーの元に警察から連絡が入って「お宅には銃があるのか」「息子さんは使ったことがあるか」など聞かれている。ここまで悪い情報が入って来れば「息子が犯人……まさか……」となってしまう。
息つく暇もなく展開する84分。深い母親の愛情にただただ頭が下がった。
★人気のない森の中を一人ランニングするのも不安を覚えてしまった。
2023年05月12日
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