今日、試写で『生きる LIVING』を観せてもらった。黒澤明の『生きる』のDVDが見たくなって探したが見つからず『白痴』が出てきたので、見ることにした。これもいい味わいの映画だった。
DVD『白痴』黒澤明監督/1951年/166分
沖縄から復員して来た亀田欽司は、癲癇性痴呆性で白痴だと自ら名乗る無邪気な男だった。
青函連絡船の中で赤間伝吉という男と知り合いになる。
伝吉は、政治家東畑の囲い者・那須妙子にダイヤの指環を贈ったことから、父に勘当されたが、
その父が亡くなったので家へ帰るところだった。
欽司は札幌に着いて、写真屋に飾られた妙子の写真を見せられ、その美しさに涙を流すほど感動した。
欽司も亡き父から遺された牧場があったが、親戚の大野が横領した形になっているが、
欽司は一向にそんなことには気にかけず、大野から香山睦郎の家へ下宿させてもらう。
その香山睦郎は、東畑の政治的野望の邪魔になって来た妙子を、持参金つきで嫁にもらうことになっていたが……。
こう書いてみると、なかなか込み入ったストーリー。だが脚本がいいのでよくわかった。
原節子は娼婦的な美しさで、『麦秋』や『東京物語』のイメージと違う。
それより久我美子がとっても理性的で美しい。
白痴を演じた森雅之のどうかするとわざとらしい演技に見えてしまう痴呆ぶりを清らかさに演じていた。
★原作は19世紀のロシアを舞台としたドストエフスキーの小説 『白痴』 昭和20年代の札幌に舞台を置き換えている製作した作品。
2023年02月16日
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