🎬『宮松と山下』佐藤雅彦、関友太郎、平瀬謙太朗監督、脚本、編集/87分/11月18日より新宿武蔵野館、銀座シネスイッチ、名古屋伏見ミリオン座他にて全国ロードショー公開
京都の撮影所でエキストラをする宮松(香川照之)は、時代劇の切られ役をはじめ、店で飲んでいて喧嘩に巻き込まれて死ぬ役、ヤクザの抗争で撃たれるなど、日に何回も殺され役を演じている。
生真面目で寡黙な彼の私生活は地味。しかし、彼は過去の記憶を一切失っているのだ。医者(黒田大輔 )にもかかっているが、精神的なものが大きいのではと言われる。
そんな彼の元に、ある日、男(尾美としのり)が訪ねてきて「やっぱり、山下だ!」と懐かしそうにするが……。
(C)2022「宮松と山下」製作委員会
映画に見入っていると「はい、カット!」などと声が入るので「あー、よかった。撮影だった」とホッとして力が抜ける。
撮影所まで来た男は12年前に勤めていたタクシー会社の同僚で、テレビに出ているのを見て調べて来たらしい。その元同僚が「妹さんは家庭を持っている」という言葉に日を改めて「故郷と言われた地」を訪ねていく。
ここから過去がどんどん露わになるのだが、本人は半信半疑。しかし「過去」は身体が、味覚が、紫煙が覚えていて……。この先は是非、劇場で宮松、いや、山下と一緒に過去を遡っていただきたい。
★3回ほど音楽が入る。その音の一部が「無機質」な音色で、それが失った記憶の「閉ざされた」部分のように感じた。
★3人の監督さんも色々な分野の若手の方も切磋琢磨して出来上がった作品。
2022年11月13日
この記事へのコメント
コメントを書く