🎬『ワタシの中の彼女』中村真夕監督、脚本、企画/69分/11月26日より渋谷ユーロスペース他にて全国順次ロードショー公開。
コロナ禍の中、孤独や不安を抱えながらも希望を求めて生きる女性たちを描いたオムニバス映画。菜葉菜が4話すべての主人公を演じている。中村真夕監督はドキュメンタリー『ナオト、いまもひとりっきり2020』の方
第一話
「4人のあいだで」
大学時代の元演劇サークルの 40 代の3人。コロナ禍で夫と息子が一日中家にいて食事作りに振り回されている主婦ナナエ(菜葉菜)。パートナーと暮らす事務員のフサエ(占部房子)。貧しいながらもずっと役者を続けている男・コウジ(草野康太)。 3人はそれぞれ別の公園でリモート会話。彼らに「少しずつ関係している不在の女優・サヨコ」の存在が蘇ってきて……。
20年ぶりに話す3人。コロナ禍の生活状況を知らせあって、行き着いたのが美人で才能豊かだったサヨコのこと。「彼女こそ大女優になると思った」「人を陥れる嫌な女だった」「彼女はバイセクシュアルだった」……いろいろ話が出てくる。
面白い展開。だが、赤裸々トークを夜の公園3ヶ所で話し合ってるが、けっこう大声。近隣のマンション上階に響いているはず。ミッキーのマンションでも下の道路での立ち話、携帯通話が迷惑で困っている。
第二話
「ワタシを見ている誰か」
デリバリーのバイトをしている写真家のカズヤ(好井まさお)はとあるマンションに配達に行くと、30代後半の OL・メイ(菜葉菜)が出てくる。自分は食べられないからカズヤに注文した物を食べてくれと懇願される。お腹が空いていたカズヤは客の前で早食いで美味しそうに食べる。
疲弊したメイが食べるのを見て段々と明るい表情になる。2、3度、そんな注文が繰り返さしたが……。
これが2人の出会い?と思いきや、意外な展開が隠されていて驚く。
第三話
「ゴーストさん」
20 代後半の風俗嬢のサチ(菜葉菜)。毎晩、帰宅する帰り道のバス停近くの長椅子にいる 60 代のホームレスの女性・ カヨコ(浅田美代子)を、密かに「ゴーストさん」と呼んでいた。
ふとしたきっかけでカヨコと話すことになるサチは自分と同じ女優になる夢を追いかけていたと知る。
実際に起こった事件を基に作られている。今ロングラン上映中の『夜明けまでバス停で』(高橋伴明監督)と同じ。浅田美代子さん、適役だった。
第四話
「だましてください、やさしいことばで」
40 代前半の盲目の女性・トモコ(菜葉菜)は足の悪い母と暮らす彼女に、弟の同僚だという青年・タケオ(上村侑)が「彼が急に体調が悪くなり、入院することになったから20万円工面してほしい」とやってくる。
いい話すぎるいい話。でも締めくくり4作品目として「こうあってほしい」と願いたい。
2022年11月06日
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