2022年10月10日

バック・トゥ・バック・シアター「ODDLANDS」「SHADOW」伏見ミリオン座にて

バック・トゥ・バック・シアターとは、オーストラリアを拠点に、知的障害のある俳優を中心に活動する劇団。2013年と2018年に来日公演を行っている。

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伏見ミリオン座は満員。

🎬『ODDLANDS』ブルース・グラッドウィン監督、脚本/オーストラリア/30分

若者のデス(サイモン・ラハーティ)とタム(ソニア・テューベン)は有害物質で汚染された荒れ地で清掃作業をして働いている。汚い仕事だが唯一の仕事で、これがあるから生きていけると働いていた。だが仕事成果では「レベル7」の低い評価だった。

そんな危険区域で一人の屈強な男が住んでいて空き家になった家の物で暮らしている。その男は「お前らの仕事には希望などはない。2、3年もすれば死んでしまうのさ」と言い、2人に一緒に逃げようとそそのかすが……。

有毒物質に汚染された奇妙な荒れ地で清掃作業員として働く2人を軸にした物語。

2人は住めなくなった汚染地域にはいり、無人になった家々を回り清掃する。住民は着の身着のまま避難したらしく、テーブルには腐った料理がそのまま。それらをゴミ袋にいれて指定の場所に捨てる作業だ。たまに生きた動物がいると「汚染物」として処理、すぐ本部に電話して報告。

そんな仕事を真面目にポイント(レベルがよくなる点数)をあげよう頑張る姿が滑稽にも見えるが、現実生活にいる私たちも同じように無駄?とわかっていても頑張っている自分がいることに気付く作品だった。

2人の俳優さんには迷いがなく、まっすぐな気持ちで演じていて、見ている者を圧倒させてくれた。


🎬『SHADOW』ブルース・グラッドウィン監督、脚本/オーストラリア/60分、

サイモン(サイモン・ラハーティ)、スコット(スコット・プライス)、サラ(サラ・メインウェアリング)の知的障害を持つ活動家3人は、人工知能が将来にどんな影響を及ぼすかを話し合う集会を開く。

サイモンはこの集団の救世主であると信じていて、自ら議長になる。スコットはしぶしぶ進行役になる。2人は次第に自分の「権力」に酔いしれ、他の人の意見を否定するようになる。


知的障害とはいっても言葉がするりと出る者、頭では意見があってもしどろもどろになる者は二番手になり、まともには取り合ってもらえないイライラがたまっていくサラの立場がよく理解できた。これは現代の社会の「男尊女卑」にもつながるように感じた。
posted by ミッキー at 20:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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