2022年08月25日

「あいち国際女性映画祭2022」のお知らせ 『燃え上がる記者たち』『異国での生活から』『マイスモールランド』

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あいち国際女性映画祭は、世界各国・地域の女性監督による作品、女性に注目した作品を集めた、国内唯一の国際女性映画祭。上映される中で既に観ている作品を紹介する。 詳しくは https://www.aiwff.com/2022/

🎬『燃え上がる記者たち』スシュミト・ゴーシュ、リントゥ・トーマス監督/インド/93分/2021年

紀元前につくられたインドのカースト制は4つの階層に分け、「ダリトは階層外で特に女性差別は激しかった。そんな中、ウッタル・ブラデーシュ州のダリトの女性たちが新聞を創刊。世間の目は冷たかったが、インド唯一の女性だけが運営する「ニュースの波(カバル・ラハリア)」紙は活動を続けた。

彼女たちは同じダリトであっても、経済状態、学歴、言語やパソコン機器の扱い能力などに差があったが、お互いに足りないところを教えあったり支えあったりしていた。

いろんな事件や警察の対処の仕方や意見、政治家のインタビューもすぐにネットにのせるので小さい新聞社ではあるが、日に日に存在感が増していく様子に底知れないエネルギーを感じた。

🎬『異国での生活から』ツォン・ウェンチェン監督/台湾/87分/2020年

2019年に台湾で働く外国人労働者は71万人以上。そのうち5万人が「逃亡労働者」だ。このドキュメンタリーはそんなベトナム労働者2人を追っている。

一人はベトナムで元地方の新聞記者をしていたファン・タオ・ヴァンさんはふくよかな中年女性。ベトナムには息子と母親が住んでいて、毎月仕送りをしている。

彼女は台湾に来た時から3年間は居心地のよい家庭の家政婦だったが、契約期限切れでそれ以上の契約ができなくて、切れると自動的に帰国しなければならず、やむなく置き手紙をおいて逃亡労働者になった。

それからの彼女の生活や生き方は、苦しい中にあっても尊敬に値するものだった。

もう一人の方はファン・タオ・ヴァンさんの知人男性ズイ・フン。彼は最初の工場では給料がもらえず、要求すると首になり、バス代もなく7時間歩いてたどり着いた町で一人の親切な老人に廻り合い、苦しいながらも働く場も見つけることができた幸運な人。

🎬『マイスモールランド』川和田恵真監督、脚本/日本、フランス/114分

クルド人の家族(父、妹、弟)とともに故郷から逃れて、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ(嵐莉菜)は、埼玉県の高校に通い日本人と変わらない生活を送っていた。

教師になりたいサーリァはコンビニでアルバイトをして大学進学の資金を貯めていた。そこで東京の高校に通う聡太(奥平大兼)と出会う。

そんなある日、難民申請が不認定となり、一家が在留資格を失ったことで、サーリャの日常は一変する。

とてもわかりやすく出来ていた。在留資格が取り消されて、「仮放免」になると、働くことも、県外に出られない、保険証もないなど、どうやって生きていくのか途方にくれる。

父親は解体屋で働いていたが、そのまま働き続けていて見つかり入管施設に入れられてしまう。一家が住んでいるところは埼玉県と東京の境目でサーリァはバイト先が東京都なので行けない。だから援交(パパ活)までする気持ちに追い込まれる。

明るい光も見えない終わり方だったが、これでいいのかと気持ちが沈んだ。難民ではないけれどウクライナ援助を国をあげてやっている十分の一の温情があれば…‥と思わずにはいられなかった。

posted by ミッキー at 11:30| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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