小学4年生の凪(新津ちせ)は両親の離婚で母親の故郷である山口県の小さな島に引越して来た。
活発で明るく振る舞う凪だったが、アルコール依存症の父が母に暴力を振るう姿がトラウマになっていて、大きな物音などで過呼吸を起こしてしまう。
島の人々は事情は知っていて温かく接してくれるし、小学校の同級生たちとも仲良しになったが……。

新津ちせちゃんは『駅までの道をおしえて』では主役、『喜劇 愛妻物語』や『ミセス・ノイズィ』では子ども役で準主役。今日観た『凪の島』は主役で子ども目線から父母を見ている。そこは『喜劇 愛妻物語』や『ミセス・ノイズィ』と同じだ。
瀬戸内の美しい海、空をバックに映されている作品で、新津ちせちゃんは12歳だから年相応の役で頑張っていて、脇の笑わない用務員の嶋田久作、凪のおばあちゃん木野花も良かったが、話の展開がうまく行きすぎなのが不満だった。
🎬『サバカン SABAKAN』金沢知樹監督、脚本/96分/ミッドランドスクエアシネマにて
1986年、夏。斉藤由貴が大好きで、キン肉マン消しゴムを集めている小学5年生の久田孝明(子ども時代/番家一路、大人になって草なぎ剛)は、夫婦ゲンカばかりだが愛情深い両親や弟の4人で暮らしていた。
夏休みのある日、家が貧しく同級生から避けられている竹本(原田琥之佑)が突然訪ねて来た。学校でも口も聞いていなかった孝明は驚いたが、イルカを見られるところがあるから行かないかと言う。翌日、早朝から自転車二人乗りで行くが、溺れそうになったり、不良に絡まれたりしたが、それをきっかけにだんだんと仲良くなって、夏休み中は毎日のように遊んでいた。
貧乏な彼の家に行って、竹本の作るサバカンの握り寿司を食べさせてもらった。そんな夏休みも終わった時、思いがけない事故が起こって……。

いい映画だった。もう一度観たい。一度サバカンの握り寿司を作ってみようとも思っている。子ども時代の番家一路もイキイキとしていたが、竹本を演じた原田琥之佑が憂いもあって将来楽しみな子だった。脇に俳優さんも◎。
一つ残念なことがあった。この作品は1986年設定、その時代で車の助手席に乗って即シートベルトをするシーンがあった。シートベルトは2008年以降なので、このシーンだけが気になった。