
🎬『ワイルド・メン Wild Men』トマス・ダネスコフ監督/デンマーク、ノルウェー/104分/日本初上映
中年の生き詰まりを抱えているマーティン(ラスムス・ビョーク)は、今の生活から逃れ、森の中で暮らし始めた。しかし、ケガをした麻薬の運び屋の男(ザキ・ユーセフ)が森に迷い込んでくると、二人は共々追われる身となって……。
中年の男が生き辛いのは世界共通ではあるが、北欧のメタボオヤジはとってもユニーク。
毛皮で作った衣服、手作り?の武器など彼の本気度は半端ではない。しかしお顔は悪巧みのできそうもない童顔だから、映画中、この男の行動を半分以上喜劇感覚で見ることができた。
★ベテラン警察官の温情で、この作品は印象深い作品になっている。
🎬『コメディ・クィーン』サナ・レンケン監督/スウェーデン/94分/日本初上映
病と心の病で最愛の母親を亡くした13歳の少女サーシャ(シーグリット・ヨンソン)は、悲しみを乗り越えるために「ママのように絶対ならないためのサバイバル・リスト 4つの誓い」を立てた。
・いつも私を見てママにそっくりね と言われたくないので、坊主頭にする。
・読書ばかりしていたが幸せにならなかったママ、絶対本を読まない。
・子育てでママを追い詰めたから 何も育てない。
・悲しんでいるパパを笑わせるために「コメディ・クィーン」になる。そんな誓いを実行するが……。
少女の行動も周りの人の行動も丁寧に描かれていた。
サーシャの「誓い」は自分の中だけで誰にも秘密で実行するので、いろんなところで摩擦が起きてくる。それでも最後まで秘密は明かさない。
監督さんの前作が『マイ スキニー シスター』、2015年の作品だが、これも8歳ぐらいの少女が主役だった。少女の時の気持ちを忘れていない女性監督だ。
多作ではないようだが、また何年後かに素晴らしい映画を作っていただきたい。