
詳しくは https://eufilmdays.jp
🎬『ホーホヴァルト村のマリオ』エフィ・ローメン監督オーストリア、ベルギー108分日本初上映
ダンスが好きな青年マリオは母の勤める肉屋の2階で暮らしている。父親は学校の体育館の管理者でマリオの母とは同居していない(離婚しているかもしれない、母は肉屋の亭主と再婚?)。
マリオには小さいときから仲良くしている裕福な家の息子レンツがいて、いつもつるんでいた。そんな2人がクリスマスの後、少し離れた街で若者が集まっているディスコでダンスをしていた時に、イスラム教のテロの銃撃に合い、レンツが死んでしまう。
レンツの母親からは、なぜあなただけ助かったのかと問われ、週1日いっていたワイン製造のバイトも断られてしまう。村中がレンツの亡くなった悲しみを、生き残ったマリオに冷たい目を向けるようになって……。
話が込み入っていて、理解に苦しむストーリー。
以前、マリオとレンツは、女の子を体育館に連れ込んで遊び半分にセックスをして妊娠させている。その女の子と幼い子は同じ村に住んでいる。なぜか子はマリオの子らしい。
マリオとレンツの仲はゲイ同士であると思ったが、マリオが軽く拒否をしていた。その点ではレンツが積極的。村の人たちは薄々知っている様子だが知らん顔している。
レンツが亡くなってから、辛い立場のマリオを優しく話しかけたり、相談に乗ったりしたのはイスラム教の青年の属するグループで、それが村人たちには理解できなくて一層孤立するマリオ‥‥。
その後のことはオンラインで見ていただきたい。書いていないがいろんなことがまだある。田舎の嫌な点、反対に田舎だから曖昧にしておける利点もあった。
🎬『リカルド・レイスの死の年』ジョアン・ボテーリョ監督/ポルトガル/132分/日本初上映
医師のリカルド・レイスは友人のフェルナンド・ペソアの訃報を受け、リオデジャネイロから16年ぶりにポルトガルに帰郷した。
芸術性にあふれていて、含蓄のある人生の指針のような台詞がたくさん出てきた。難しいことなど(時代や政治)わからなくても、死んだはずのフェルナンドが幽霊(立派な紳士の姿)で現れて会話したり、美しいメイドと愛し合ったり、左手が動かない令嬢と親しくなったり等々、モノクロで雨ばかり降っていて陰鬱な中でも時間の経つのを忘れて楽しめた。最後に映画の趣向がかわるのも面白いと思った。
★リカルド・レイスとは、 リスボン生まれの詩人フェルナンド・ペソアの別名。
★ 今年生誕100年のノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの同名小説の映画化。