30歳を迎えたユリヤ(レナーテ・レインスベ)は人生の方向性が定まらずにいた。年上の恋人アクセル(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)は作家として成功していて、しきりに結婚して早く子を作ろうと言うが、ユリアはそんな考えに即座にYESとは言えないでいた。
そんなある夜、無断に入り込んだパーティ会場で若く魅力的なアイヴィン(ハーバート・ノードラム)に出会う。数日後にはアクセルと別れ、新しい恋愛に身を焦がすユリヤだった。

この時代、体が健康で生きているだけで「わたしは最高。」と思わなければバチがあたりそう。
主人公の女の子ユリア(と、言っても30歳)は落ち着きのある雰囲気なのに、相反して、すぐに「人生路線」を変える女性。
外科医から精神科に変更、そこから写真家と親も驚いて空いた口が塞がらないようす。
男に関しても、ずいぶん年上の男と結婚前提で同居しているが、招待もされていないパーティーに入り込んで飲み食いして、見知らぬ若い男性と意気投合。
という変わり身の早さ……ミッキーには釈然としない展開だが、最後の30分ぐらいで「どんでん返し」が待っている。
この「どんでん返し」がなかったら、どこでユリアの「迷いの線路変更」がストップするのかと心配したミッキーは、はからずもホッとした。
その後、どう生きているのか、知りたいものだ。
★ 2021年・第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で女優賞を受賞、2022年・第94回アカデミー賞では国際長編映画賞と脚本賞の2部門にノミネートされた異色の恋愛ドラマ。