🎬『破戒』前田和男監督/119分/7月8日より丸の内TOEI、名古屋名演小劇場ほかにて全国ロードショー公開
故郷を離れる時、父から自分が被差別部落出身である出自を隠し通すよう強く言われた瀬川丑松(間宮祥太朗)は、地元を離れ、小学校の教員となった。
生徒に慕われる丑松だったが、出自を隠していることに悩みを抱いていた。下宿先の寺の養女で士族出身の女性・志保(石井杏奈)にほのかな恋心を抱くも何も出来ないでいた。
苦しみの中、丑松は被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎に傾倒していく。そんなことから周囲に疑念を抱かれるようになり、学校内での丑松の立場は危ういものになっていく。
1948年に木下恵介監督、1962年に市川崑監督も映画化した島崎藤村の名作「破戒」を60年ぶりに映画化。
昨日『私のはなし、部落のはなし』を観たので、関連のある島崎藤村原作のこの作品をいち早くオンラインで見せてもらった。
部落出身の一人の若者の目を通して、人間として恥ずかしくない生き方しようとする様子が真っ直ぐに描かれていた。最初のシーンが部落民が泊まったとわかり、宿の畳を総入れ替えするという驚きの場面で、そこまで嫌われ、蔑まされていたのかと当時のことがよくわかった。
今まで何となく、部落の人=貧乏と思っていたが、大金持ちという人や、出自を隠して代議士の奥様になっている方もあって勉強なった。
60年前の作品も是非観たいが、こに出てくる青年と恋人役の二人がとても良かった。台詞の言い回しもその時代の美しい日本語だった。
★こういう時代があったということを若い人に知ってもらいたい。
2022年06月23日
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