2022年06月04日

6月3日公開映画(2)『冬薔薇』

今日から伊豆高原へ。Wi-Fiがついたのでたまったオンラインを見たり、温泉♨️に入ったり、近場にお店に行ったり、過ごす予定。名古屋にあるメダカは東京娘が来ているので安心。では行ってきます。

🎬『冬薔薇(ふゆそうび)』阪本順治監督、脚本/109分

25歳の渡口敦(伊藤健太郎)は今まで定職にも付かず、服飾の専門学校も行ったり行かなかったりで無為に生きてきた。両親(小林薫、余貴美子)は小規模の海運業を経営しているが敦のことは諦め切っていた。特に父親とはもう何年もまともに口をきいていなかった。

そんなある日、不良グループ同士の喧嘩で敦は大怪我をして入院する。仲間だと思っていた不良たちも親身に敦の体を心配する者はなく……。

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よく映画の感想で「この映画に出てくる人で悪人は一人もいない」という文言を見るが阪本監督の新作『冬薔薇』には幸せな人は一人も出てこない。

時代の流れに乗れず、思い通りにはいかない辛い人生の初老の大人たちは、仕事終わりに酒を酌み交わしてウサを晴らしていたり、女は玄関先に冬の薔薇を植えて花を愛でて重い気持ちを慰めていた。同年齢のミッキーは大人たちの佇まいが手に取るように共感できた。

でも若者たちの行動やセリフにはついていけなかった。特に、敦と中年女弁護士との関係には驚きしかなかった。これが理解できないでは先々映画評をするにあたって困ったもんだと本気に悩んだ。

この作品で特筆するのはカメラ。海辺の人たちがいつも見ている風景のまま、見ているこちらも同じ「いつも見ている」感覚で映し出されていたことだ。初めて見るのに、そういう感覚で観てしまったことに気付いた時は改めて撮影者の力量を感じた。
posted by ミッキー at 08:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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