大手アパレルブランドの工場が集まるバングラデシュの首都ダッカ。
衣料品の工場でミシンがけして働く女性シム(リキタ・ナンディニ・シム)は、工場の火事で今までの給料も来月と言われ、あてにならない返事に詰め寄ったが暴力を振るわれそうになった。
そこで、労働局の女性の助言で、厳しい労働環境に苦しむ同僚たちと労働組合を結成するべく立ち上がる。工場幹部による脅しや周囲の人々からの反対に遭いながらも、自ら労働法を学び奮闘するシムだったが……。

世界の繊維産業を支えるバングラデシュを舞台に、衣料品工場の過酷な労働環境と低賃金に立ち向かう女性たちの姿を描いたヒューマンドラマ。
以前、山形ドキュメンタリー映画祭で布の染色工事で働く労働者の過酷な作品を見たことを思い出した。それはインドの映画だったがもっと劣悪で18時間は働いていて、眠りながら染め上がった布をたたんでいた。それよりはバングラデシュの女の人はマシかと思った。
シムの亭主は暴君ではなく、シムが病気の時は買い物に行ってくれたり、優しい言葉もかけてくれる男だが、妻が先頭切って会社に抗議するのは嫌がって強く反対していた。
インドの繊維会社もバングラデシュの縫製工場も製品の行先には、きっと日本も入っていると思う。あんな低賃金で時には夜中までミシンを踏んで(翌朝までミシンのそばで寝ていた)、いったいその人たちのために何ができるのかわからなくなった。