2021年の私のベスト映画10本(旧作2本含む) 生田佳代さん
鑑賞本数が90本弱なので、このコーナーに書く資格があるかと思いつつ書きます。
2021年はリバイバル上映も多かったですね。一度見てその後強烈な印象か忘れられなかった『ウィッカーマン』を見ることができたのが、とても嬉しかったです。2021年のベストに旧作ですが、どうしても入れたくなってしまった若尾文子映画祭で見た作品を入れてしまいました。もう一つ『夜の河』も。
@『最高殊勲夫人』
これは宣伝写真の川口浩と若尾文子がはじけた感じでウィンクしているのを見て「どうしても見たい‼︎」と思い見に行きました。若尾文子サンがめっちゃキュート‼︎当時の高度経済成長の空気感が、わくわく感を盛りあげている‼︎着地点は分かっていても楽しめるこういう作品っていいですね‼︎
A『ラブ・セカンド・サイト 〜始まりは初恋のおわりから〜』
現実世界で思う「〜こうなっていタラ」「こうしていレバ」のタラレバの世界を映画にしてくれました‼︎恋愛モノでこれをやられちゃあどうしても目が釘づけに‼︎
こういう世界を見せてくれるのも映画の醍醐味ですね。
B『大綱引の恋』
なんか変わったタイトルの作品だなぁ〜と何気に調べたら佐々部清監督の遺作でした。これは見に行かねば‼︎
こういうご当地映画っていいなぁと思いました。伝統のお祭りを実際にやる人たちの大変さ、いろんな人の思いがぶつかって「もう嫌!」って思いをするのでしょうが、それがまた人とのえんやつながりを育てているような気もします。
もうこんな思いを感じさせてくれる監督の作品が見られないなんて寂しいです。
C『恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜』
このコロナ禍でふたりの外出時の完全武装ぶりが現実に感じられる、これって天の采配か?そして映画の中の2人の出会いもまさにコレ‼︎
厄介な病状とおサラバできたら、それがハッピーエンドでは?と思いがちが、2人の仲ではそうではない‼︎ いゃ〜こんな展開を思いつく監督ってスゴイなあ……。
D『ガンズ・アキンボ』
ほめ言葉で愛すべき「バカ映画」です。ゲームの世界と現実が影響しあうという点で『フリーガイ』と似ていますがテイストがまったく違います。こちらは記憶の中では「常に暗い」。こちらも女の殺し屋がめっちゃ強いですね……。
パンツ一丁で走り回るラドクリフ君、お疲れ様でした。
E『フリーガイ』
自分の中では自分が主人公。でも一歩足を踏みだせば「名無しの群衆」の「ただの人」。でもこの映画の主人公は「ただの人」でもなくゲームの中の「群衆の一人」。そんな人が活躍してくれるから、楽しくなっちゃう。
『ガンズ・アキンボ』とちがってこちらは明るいトーンです。でも治安はかなり悪いです。この作品の「エセ明るい」かんじは『トゥルーマン・ショー』に似ているな、と思って見てました。
F『SNS ・-少女たちの10日間-』
すごいドキュメンタリー、とまあ自分の中でこの映画をどう伝えたら……と途方に暮れる、力作です。今や簡単に人とつながることができるこの時代に、『物語』を越える現実のおそろしさを突きつけられた感じです。
G『まちの本屋』
こういう小ぶりな本屋が私の育った町でもたくさんありました。そして現在はほぼ姿を消しています。そんな中で、ドキュメンタリーになっちゃう「本屋さんってどんな感じ?」と思って見に行ったら、商売の工夫というより家族のドキュメンタリーのようでした。
多分そういう映画でまちがいない気がする。画面では小林由美子さんがほぼ喋っていますが、口数が少ないだんな様のたまに発する一言の、重いこと‼︎ いつか訪れてみたい本屋さんです。
H『アメリカン・ユートピア』
『ストップ・メイキング・センス』(1984年公開)も、まるでその場でライブを楽しんだような感覚がありましたが、こちらも音楽にあわせて身体が動いてしまう。できれば生のライブを体験してみたい。
I『夜の河』
これも旧作です。でも現代にも十分通じるテーマだと思うのです。大地に、自分の足で「すっく」と立っている女性、これがこの映画のヒロインの「きわ」の印象です。女性だから恋に揺れることもある、もしかしたらこの映画のあとも続くヒロインの人生の中であるかもしれない。
結末は分かりやすいハッピーエンドではないけれどこれこそが彼女の選択だ、と応援したくなります。こんな女性になりたいなあ…と思います。
2022年03月01日
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