🎬『名付けようのない踊り』犬童一心監督、脚本、製作/114分/1月21日より山梨にて先行上映、1月28日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9、名古屋伏見ミリオン座他にて全国ロードショー公開
1978年にパリでデビューを果たし世界中のアーティストと数々のコラボレーションを実現してきた田中泯。ダンス歴は現在までに3000回を超え、2002年の「たそがれ清兵衛」から始まった映像作品への参加も、いまや日本のみならず、ハリウッド映画にも出演するまで広がっている。
40歳の時、畑仕事で作り上げた身体で踊ることを決めた田中は、74歳でポルトガル・サンタクルスの街角で踊る。『メゾン・ド・ヒミコ』から親交を重ねてきた犬童一心監督が、ポルトガル、パリ、山梨、福島などをめぐり撮影したドキュメンタリー。
日常の暮らしの中、体を動かすのも「よいしょ」と言う後期高齢者の私にとって「踊る」ことなどほど遠い存在だったが、今回ご紹介する作品を観てからは、誰しも少し意識を変えることによって「踊る」ことができることがわかった。
そう教えてくれたのは、世界的なダンサーであり俳優の田中泯。その踊りと誕生から現在に至るまでの半生を追ったドキュメンタリーを『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』などで知られる犬童一心監督がメガホンを取った。
子ども時代を『頭山』で2020年アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされた山村浩二によるアニメーションで情感豊かに描かれ、1978年パリで衝撃のデビューをした当時の実録フィルム、1985年から山梨県の山村へ移り住み、農業を礎とした日常生活等々をつぶさに見せてくれた。
以前『ウミヒコヤマヒコマイヒコ』で身体の動きと共に土の匂いを強く感じ作品や『ヤノマミ奥アマゾン・原始の森に生きる』のナレーションに身体を鍛えた人だけが持つ声に鳥肌がたった。
近寄りがたい雰囲気を持つ田中岷だが、一度舞台から離れると言葉は優しくお顔も柔らかくなり、ホッとさせてくれた。
ナレーションは連続テレビ小説『まれ』で夫婦を演じた女優・田中裕子。サンタクルス、東京、パリ、福島など、各地で踊る田中泯と一緒に旅に出るのもいい。
2022年01月23日
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