1位🎬『ヒッチャー ニューマスター版』ロバート・ハーモン監督/アメリカ/作品賞
シカゴからサンディエゴへ車の輸送の仕事をしている若者ジム・ハルジー(C・トーマス・ハウエル)は、配送の途中に嵐で困っているヒッチハイカーを車に乗せてあげた。しかし、ジョン・ライダー(ルトガー・ハウアー)と名乗る男は、ジムにナイフを突きつけて「俺を止めてみろ」と脅してきた。その時は隙を見て車から突き落としたが、それから何度も何度もジムを襲ってきて……。
★殺人ヒッチハイカーを親切で乗せたために、狙われ続ける若者の恐怖を描いたサイコ・スリラー。どう見てもジムが「犯人」扱いになる展開で「僕は被害者、犯人は別の男だ」といっても誰も信用してくれない。職場に電話しても来週の月曜日まで休日で電話が繋がらないし、兄の家も電話にでない。そんな中、店の人、警官、旅行者が次々と殺されていく。だがジムだけは殺さない。「こいつはオレの身代わりに捕まってもらおう」と思っていたのか、いたぶりイジメしていただけか、不気味な男だ。CGで見慣れている目には全編CGなしは新鮮で、パトカー3台が揃って横転するシーンなど見事だった。
2位🎬『リカ 自称28歳の純愛モンスター』松木創監督/99分/主演女優賞/美術賞
山中でスーツケースに入った本間隆雄の死体が発見された。本間は3年前に逃走犯の雨宮リカ(高岡早紀)に拉致され行方不明になっていた。警視庁捜査一課の奥山次郎(市原隼人)はリカをおびき寄せるため、偽名を使ってマッチングアプリでリカを探し出すことに成功するが……。
★こんなに恐ろしい画像がでるとは!怖もの好きなミッキーもギョッとなった。それが2秒ほど確か3回も。 いや、これには参ったというか「美術さん、お見事!」としか言えない。ネタバレすれすれで書くと「天然物・ふくわらい」だ。まあ怖い物平気な方には是非是非オススメ。高岡早紀さん、バッチリ28歳! お美しい!
3位🎬『人肉村』エイドリアン・ラングレー監督、製作、脚本、撮影、編集/カナダ/メイキャップ賞
ドライブ旅行に出かけた男女4人の若者たちが緑豊かな田舎の一本道を走っていたところ、車が故障して立ち往生。そんな彼らを森の陰から「獲物」として狙う者たちがいた。この近くに住むワトソン一家だ。道に迷ったり、故障して困っている者を捕まえては、男は食料、女は繁殖の道具に利用していた……。
★村といっても村人として出てくるのは3人+1。この「1」は最後の数分でドドドドーン!と(アカデミーのメイキャップ賞を軽々受賞するレベル)登場。餌食になるのはたまたまこの村はずれの一家の近くで車が故障した人たち。獲物(食べ物)が無くなると道に仕掛けるのか?とも勘ぐれる。男は新鮮なうちに切り刻み(おしいことにその実行現場の1秒手前で映していない、残念)、女は(3人出てくるが美人揃い)繁殖用。この村は本当に村人数人か?と思うほど誰もいない。助けを求めて行くガソリンスタンドも事故車をレッカーして行くおじさんも数人の村人に入っている。ストーリー展開はミッキーの想像を超えるものではないが、囚われた人や村人が飲んだいるシーンは少しあるが「食べている」シーンはないのが残念だった。
🎬『殺人鬼から逃げる夜』クォン・オスン監督、脚本/韓国/新人監督賞
聴覚障害を持つギョンミ(チン・ギジュ)は、ある夜、会社からの帰宅途中で血を流して倒れている若い女性を発見する。連続殺人でサイコパスな殺人鬼(ウィ・ハジュン)は、唯一の目撃者であるギョンミを次のターゲットにして執拗なまでに追いかけて来る。ギョンミは必死に夜の街を逃げまわるが、聴覚が不自由な彼女には追いかけてくる犯人の足音も聞こえず、助けを呼ぶ声も出ないギョンミを、ドシクはゲームを楽しむかのように追いつめてきて……。
★優しげな青年が犯人。ターゲットは若い女性だが、耳が聞こえないと知ると興味を持ったらしく執拗に追い詰めて来る。男は口がうまく、嘘も上手いので、伝えることがもどかしいギョンミより男の言うことを信じてしまうのだ。大通りの人だかりの中で助けを求めても、男は「実は妹で、家出するので止めているのです」といえば皆納得してくれて、逃げ隠れていると「ここに隠れていた」と引きずり出されてしまう。時々、画面から音が消えて観ている側にも彼女の聞こえない状態を教えてくれたり、耳が不自由だから音量を光の強さで示したりして工夫をしていた。
🎬『ロックダウン・ホテル 死・霊・感・染』フランチェスコ・ジャンニーニ監督、脚本/カナダ/話題賞
街ではたちの悪いインフルエンザが猛威をふるっている時に、とあるホテルの一室で謎の殺人ウイルスの感染が始まる。数時間後、ホテルのある階の廊下は、数人の感染者が苦しみのたうちまわっていた。いろんなしがらみから逃れるようにこの地にやってきた日本人妊婦のナオミ(釈由美子)は、表向きは仕事で来たことにしているが、この地で子どもを産んで親子で暮らそうと思っていた。ナオミは、このホテルに来る時に知り合って、たまたまホテルも階も同じだった家族連れの女性とは挨拶程度の話をする様になった。ナオミは部屋に入りひと休みしてから日本に住む母親に電話をかけている途中にからだの異変が起きて……。
★釈由美子さんが出演し、謎の殺人ウイルスの感染爆発に襲われたホテルを舞台に描くカナダ製パンデミックホラー。これコロナ前の2019年に撮影した作品。といっても感染ものは常にホラー映画では常套内容だからミッキーは「これ今を予測した」とは思わない。だけど、見応えあり!ナオミの人生にも問題ありだが、ちょっと縁があった家族連れの女性の人生の方が色濃く描かれていた。そしてこの階の下ではお金持ちの集まるチャリティーパーティーが開かれていてまるで別世界。エンドロール中に流れるニュースにご注目。
🎬『屋敷女 ノーカット完全版』アレクサンドル・バスティロ&ジュリアン・モーリー監督、アレクサンドル・バスティロ脚本/フランス/出血サービス賞
クリスマスイブの深夜、妊婦サラ(アリソン•パラディ)の家に黒い服を着た不審な女(ベアトリス・ダル)が訪れる。女が家に押し入ろうとしたためサラが警察を呼ぶと、女は姿を消す。だが女はすでに家の中に侵入していて、ハサミでサラに襲い掛かる。女の目的もわからず、洗面所に閉じこもり身を守るが……。
★これ、日本で公開された2008年のミッキーの鉛筆書き日記に評が書いてあった。「お客は8人、血がドバッと出た瞬間思わず笑った!ここまでヤル女、絶対理由があるはずと思って最後で。。やっぱりそうだった。2度は観たくないけど面白かった。と、かいてあった。ノーカットの部分はどこだかわからないが、きっとハ〇〇を使って最愛のものをとりだすシーンかなと思うがDVD借りて確かめる気はない。血の出るシーンでいいところが2カ所あった。血の量は今年の第一位になるはず。
🎬『RUN ラン』アニーシュ・チャガンティ監督/アメリカ/監督賞
郊外の一軒家で暮らすクロエ(キーラ•アレン)は生まれつきの病気のために車椅子生活を送っていた。しかし、彼女は大学への進学を望み自立しようとしていた。そんなある日、クロエは自分の体調や食事を管理してくれる母親ダイアン(サラ•ポールソン)にあることがきっかけで不信感を抱き始める。クロエは新しい薬と言ってくれる緑色のカプセルをやっとの思いで調べてみると……。
★これ、上出来。究極の子ども私物ホラー。
🎬『野良人間 獣に育てられた子どもたち』アンドレス・カイザー監督、脚本/メキシコ/撮影賞
1987年、メキシコ南西部の都市オアハカ郊外の山岳地帯の民家で火災が発生、家屋は全焼した。焼け跡から家主のファンと3名の子どもらの遺体と1本のビデオテープが発見される。そのテープは紛失するが、2017年に見つかる。テープに映っていたのはまるで野獣のように野生化した子どもたちだった!約30年前、何が起きたのか……。
★目を疑いながら見入ってしまった。「このフィルムは当時の実録か?」「誘拐されて森に捨てられたのか?」等々疑問は残るが、どこにも届けずに子どもらを根気よく自力で育てた様子が映し出されていた。ファンは元聖職者であったが「信仰を証明するために精神分析医の診断」を受けた結果、異端視扱いされて修道院を追われた。彼自身は母親からの強烈な支配が過去にあって「神に仕える」以外の経験はなく成長した。テープには、ファンが深い森の洞穴で獣に育てられた少年を発見、どこにも届けないで隣家の人に他言しないように頼み、その男の子に言葉を教え、教育する様子が映されていた。泥まみれから多少こざっぱりするまで相当な日が経っているようだ。食べ物も犬食いだったが手掴みになり、コップから水を飲めるようになり、火が熱いこと、温めてくれること、燃えてしまうと物がなくなってしまうことなども映されていた。ようやく落ち着いた二人の関係は、新たに森で2人の少年少女を保護したことで力関係が狂ってくるのだ。この少年少女の洞窟住処は獣に育てられた子ではなく、明らかに時々人が来ているように感じた。観ているうちに「ホラー」がミッキーの頭からすっ飛んで「ドキュメンタリー」に変化していた。
🎬『ドント・ブリーズ2』ロド・サヤゲス監督、脚本/アメリカ/主演男優賞
盲目で孤独な老人の家に押し入った若者たちが、思いがけない反撃と恐怖を味わう様子をホラー映画『ドント・ブリーズ』の続編。あれから8年。盲目の老人(スティーブン・ラング)は同じ屋敷でひとりの少女を注意深く大切に育てていた。学校にも行かせず、街に買い物に行くのも神経を尖らせていた。そんな2人のところに、謎の武装集団が現れた。目的は少女を奪い返すことだった。
★続編と聞いていったが前の話の続きではない。設定(盲目の老人の家に押し入り、反対に大変な目にあう)が同じの続きというわけ。だから1を観ていなくても全然大丈夫。育てている女の子は誰?押し入って来たのは少女に関係する人?などは書けないが、1と比べると「激しいアクション、グロいシーン」が多い。フェデ・アルバレス監督からロド・サヤゲス監督に。サム・ライミは引き続きプロデューサーをしている。
🎬『レリック 遺物』ナタリー・エリカ・ジェームズ監督、脚本/オーストラリア、アメリカ
木々に囲まれた町に一人暮らししていた老母エドナ(ロビン・ネビン)が1週間姿が見えないという警察からの通報を受けて、娘ケイ(エミリー・モーティマー)とその娘(エドナの孫・ベラ・ヒースコート)が駆け付けて、家の中や回りの森を警察や近隣の人と探したが一向に見つけることは出来なかった。もう諦めかけていた頃(多分1週間ほど経って)何もなかったかのように平然と戻って来たエドナ。いろいろ聞き出そうとするが……。
★警官から最後に話したのはいつですかと聞かれて言葉につまった娘。年老いた母親を数ヵ月連絡も取らなかった自分を反省していた。広い家は見た限りではきれいにしてあったが、寝室、納戸からは据えた臭いや至るところに張り紙がしてあった。まあ、ここまでは想定どおりだが、エドナの妄想、妄言に振り回される娘と孫。エドナは本ボケと思ってみると孫娘に指輪を手渡して笑顔で接している。正気の時もあって見ていて不思議な気分になる。時折、家の内部からうめき声や妙な音が聞こえるが、これは娘も孫も聞いている。観ている観客も娘や孫がボケた老婆と古い家の物音で想像以上の恐怖を感じる、という初心者向けホラー。
2022年01月06日
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