先程、友人から丸餅と豆餅がとどいた。嬉しい❗️
北側のベランダには買いだめした野菜、冷蔵庫にはおせち、冷凍庫にはお肉、魚、干物など4、5日は買い物に行かなくても充分いける。寂しいのは○○だけだが、満ち足りた気分。
1位🎬『藁にもすがる獣たち』キム・ヨンフン監督、脚本/韓国/監督賞
失踪した恋人が残した借金の取り立てに四苦八苦するテヨン(チョン・ウソン)、暗い過去を捨てて新たな人生を歩もうとする女ヨンヒ(チョン・ドヨン)、事業の失敗でホテルに併設されたサウナ風呂でアルバイトとして働く妻子持ちのジュンマン(ペ・ソンウ)、自分の作った借金のために、夫から常にひどい暴力を受けているミラン(シン・ヒョンビン)たちは、今の状況から抜け出すために「藁にもすがる思い」でお金が欲しかった。そんなある日、ジュンマンは職場のロッカーに忘れ物のバッグを発見する。その中には10億ウォンもの大金が入っていて……。
★大金が入ったカバンを偶然に手にする妻子想いの男が主人公。誰しも大金を見て「これ、自分のものにしようか」と一瞬、そう思うはず。韓国トップスターチョン・ウソン、チョン・ドヨン、認知症気味の役を演じるユン・ヨジョン(『ミナリ』でアカデミー賞助演女優賞)に囲まれたペ・ソンウさんのちょっと自信が持てないような「演技」が光っていた。
2位🎬『ただ悪より救いたまえ』ホン・ウォンチャン監督、脚本/韓国/作品賞
凄腕の暗殺者インナムは人生最後の仕事として、日本のヤクザ・コレエダを殺害する。だがコレエダの義兄弟だった冷酷な殺し屋レイは、復讐するためにインナムを追う。一方、インナムの元恋人は、彼と別れた後にひそかに娘を産み、タイで暮らしていたが、娘が誘拐され、彼女も殺されてしまう。初めて娘の存在を知ったインナムは、彼女を救うためタイへ。そしてレイもまた、インナムを追ってタイにやってきて……。
★すごい迫力だった❗️逃げ出したくなるほどバッサバッサと殺していくファン・ジョンミン、酷い殺しを楽しむように殺していくイ・ジョンジェ。ファン・ジョンミンもイ・ジョンジェもこんな役やったことないと思うがスクリーンを凝視してみても本当に「彼らなのか?」と疑ったぐらいだ。これをお正月映画で観る方はミッキーと仲良しになれそうだが、なんだかクリスマスもお正月も終わってからの方が無難かも。でも絶対見ていただきたい「キムチand青唐辛子」的激辛韓国映画。
3位🎬『春江水暖〜しゅんこうすいだん』グー•シャオガン監督/中国/新人監督賞、脚本賞
舞台は浙江省・杭州市の富陽。今日は4兄弟の母親の誕生日。長男が経営する飯店で祝いの席が開かれていた。親族一同、親しい友人が年老いた母親に優しい言葉を添えてプレゼントを差し出している。テーブルの上には山海の珍味が並び宴は続く。店の裏口では長男夫婦が生きの良い魚をしゃがんでさばいている。そこに「兄さん、代表で挨拶してください」と弟がやって来た。衣服を整え母親に何回も感謝の言葉を述べて深く頭をたれていると、母親は場の雰囲気に酔ったのが引き金になって倒れてしまう。救急車で運ばれた母親を茫然と見送る兄弟たちは……。
杭州の富陽の美しい自然を背景に、一つの家族の変遷を悠然と描いた新人監督グー・シャオガンのデビュー作。舞台になったのは監督の故郷。出演なさった方々はほとんどがご親戚。ええ!お顔立ちも個性的で劇団所属レベル以上の演技だった。理由はお金の節約のためとか、しかし、こんな演技ができる親戚ならほっておく手はない。映画は誰がどういう境遇かなどわかるのに相当時間がかかった。こういう時はわかるまで待つ根気がなくて居眠り💤や途中退席が常だが、これは風景が美しいことや一部雪景色が水墨画のように「澄み切った美しさ」に魅了されて一睡もせずに観た。この兄弟に起こることはどこの国の地方都市ならあり得ることだが、さすが?中国、お金の揉め事はバッチリあった。
🎬『夕霧花園』トム・リン監督/マレーシア
第二次世界大戦後のイギリス占領下のマレーシア。中国系マレーシア人のユン・リン(リー・シンジエ)は、旧日本軍の慰安婦にさせられて死んだ妹がいて、妹を助けられなったことで苦しんでいた。戦後、妹がいつも言っていた「美しい日本の庭園を造る」という夢を実現しようと、日本の皇居庭師だったナカムラ・アリトモ(阿部寛)を訪ねる。憎きべき日本人に接するのは嫌だったが、妹の夢のために庭造りを力仕事も厭わず学んでいく。寡黙な庭師•アリトモを知っていくうちに次第に魅せられていくが……。
★マレーシア、日本、イギリスの歴史がよく理解できた。日本のひどく横暴なやり方に目を瞑りたかったが、見なくてはいけないことだ。俳優として、なんでもこなしていく阿部寛だが、この寡黙で自分を曲げない男も見事に演じていた。彼は皇居の庭師だったが庭の一部をテニスコートにしたいということに、首を縦にふらなかったので、その職を辞めたのだ。
🎬『ファイター、北から挑戦者』ユン・ジェホ監督、脚本、編集/韓国/主演女優賞
韓国ソウル。北朝鮮から脱北してきた少女リ・ジナ(イム・ソンミ)は、定着支援研修を受けて、用意された小さなアパートに移り住んだ。中国に残してきた父親を呼び寄せるためにすぐに近所の食堂で働き始める。そこでは客が食べ残しの食料が大量に捨てられている。慣れないことばかりで苦労するが、学歴もコネもない彼女は、夜遅くまで働くしかなかった。そんな彼女にボクシングジムの雑用係の仕事が舞い込む。そこに来る同世代の女子ボクサー訓練生がトレーニングに励む姿に衝撃を受ける。
★脱北少女リ・ジナから目が離せなくなった。東洋人独特の奥一重の目を持つイム・ソンミさん。1986年生まれで「少女」ではないだろうが、ミッキーには少女にしか見えなかった。思い詰めた表情や悲しみを堪えた表情に胸が苦しくなった。ジナにボクシングの素質を見出したジムのオーナーの元で練習に励む彼女はイジメにあったり、試合に負けたりと試練は続く。監督さんの前作は2017年大阪アジアン映画祭で上映されたドキュメンタリー『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』
🎬『1秒先の彼女』チェン・ユーシュン監督、脚本/台湾
郵便局の窓口業務のシャオチーは、仕事も恋も思いどうりにいかない日々を送っていた。そんなある日、彼女は街で出会ったハンサムなダンス講師•ウェンソンと「七夕バレンタイン」にデートの約束をする。しかし、彼女がふと目を覚ますと、約束のバレンタインの翌日になっていた。シャオチーは楽しみにしていた大切な1日の記憶を取り戻すために奔走するが……。
★『熱帯魚』『ラブゴーゴー』のチェン・ユーシュン監督作品。2020年の第57回金馬奨で作品賞に輝いたファンタジックなラブストーリー。久しぶりに邦題の付け方に満足した。見ないうちから気を引き付けて、観てからは「なーるほど」だった。このシャオチー役を演じるリー•ペイユーさんは不思議な女優さんだ。おすましした時は超•面長美人、激情表情になるチャーミングではあるがすっごく庶民的(っていうかブスに近い)になる。 だからこそ飽きずに観られたのだが、一方のバス運転手の1秒遅い男性は正調•美男青年リウ・グァンティン。この2人の運命はどこで始まり、どこで再会して、そして最後にはどうなる?が台北の街と海辺の田舎町をバックに繰り広げられる。なお、シャオチーと同じ郵便局の窓口業務の可愛い子はヘイ・ジャアジャアさんは美人すぎる台湾の女流棋士。
🎬『夜の香り』ミンカイ・レオン、ケイト・ライリー監督/香港/78分/2020年/企画賞
『禁断の都市』ボケたおばあちゃんと介護する中年の女性。2人とも香港は異郷の地。おばあちゃんは何回も何回も同じことを言って、介護人を困らせるが介護人もボケたのを利用してうまく過ごしていた。
『玩具物語』母親の経営する玩具屋。経営が成り立たたないので売却する前に、店に在庫として古い玩具を息子2人が、今では「宝物」になった玩具を品定めしていた。日本のアニメ玩具もたくさん出てきた。
『鴛鴦(ユンヨン)』同じ高校の教師である男女2人(女性は白人で英語教師、男教師は香港人)の香港グルメめぐり。濃い紅茶にコーヒーを混ぜてコンデンスミルクを入れた飲み物の話が出て来た。
『深水埗(サムソイポー』区議会議員に立候補した民主派の女性は親中派に真っ向から戦いを挑む。落選しても「あ〜、選挙って面白い!」と笑い飛ばしていた。
この4編、すべて最高!DVDにしてほしい!
🎬『KCIA 南山の部長たち』ウ・ミンホ監督、脚本/韓国/イ・ビョンホンに主演男優賞
1979年10月26日、大統領直属の諜報機関である中央情報部(KCIA)の部長キム・ギュピョン(イ・ビョンホン)が大統領(イ・ソンミン)を射殺した。その事件発生の40日前、KCIA元部長パク・ヨンガク(クァク・ドウォン)は亡命先のアメリカで韓国大統領の腐敗を告発した。激怒した大統領はキム部長にアメリカに行って事態の収拾を命じられた。かつてはかつての友人でもあったヨンガクに接触するが……。
★1979年に韓国の朴正煕大統領が中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された実話。原作は金忠植のノンフィクション「実録KCIA『南山と呼ばれた男たち』」を基にしている。イ・ビョンホンのファンとしては笑顔がないし辛い役柄だから気が滅入ってしまった。映像中でゾッとするシーンもあった。この事件を描いた映画『ユゴ 大統領有故』や『大統領の理髪師』を思い出した。『KCIA 南山の部長たち』の最初の部分で大統領がヒゲを剃ってもらってるシーンがある。『大統領の理髪師』ではソン・ガンホさんがやっていたし、これも最初のシーンで部長キム・ギュピョンの部下2人が出てきた。その1人が『ユゴ 大統領有故』の主演ハン・ソッキュさんだ。殺された大統領の娘はセウォル号事故失態などでやめた朴槿恵元大統領。
🎬『夏時間』ユン・ダンビ監督/韓国/女性監督賞/新人女優賞
10代の娘・オクジュ(チェ・ジョンウン)と幼い弟のドンジュ(パク・スンジョン)は父親の仕事がうまくいかず、病身の年老いた祖父の世話をするためもあって、街中のアパートから車一台に乗る荷物以外はぜんぶ売り払って、田舎にあるおじいさんの古いが広い家に同居することにした。そこに父親の妹も夫と離婚すると言って同居することに。今まで、独り暮らしだったおじいさんの家は急に5人家族になって……。
オクジュ少女の目を通して、父親を見限って出て行った母親のこと、急に身じかになったおじいさんのこと、時にはうるさい弟のことが、心の動きと共に瑞々しく描かれていた。有名な役者さんも悪人もいない。どこの国に置き換えても通じる普遍的な作品の中に、時折々に囲む食卓の様子が韓国らしい趣を持って描かれていた。
🎬『ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打ち上げ計画』ジャガン・シャクティ監督/インド
2010年にインドの宇宙事業のロケット打ち上げが失敗。責任者のラケーシュ(アクシャイ・クマール)とタラ(ビディヤ・バラン)は火星探査プロジェクトという実現不可能な閑職に異動させられた。家庭の主婦でもあったタラは家庭での揚げもの料理から小さなロケットでも探査機を火星に送るアイデアを思いつく。それがきっかけで低予算ながらプロジェクト始動が始まったが、集められたスタッフは経験の浅い女性数人と、男性は占い好きの独身男と定年間近なおじさんだった。
★これは実話なので成功するのはわかっていても、本当にこの人たちで成功するのか心細くなった。製作チームは『パッドマン 5億人の女性を救った男』の方々。ストーリー展開は科学的なことばかりではなく、安くするために工夫したり、時には喜劇のように場面もあって最後まで飽きず見られた。チームに集められた人の家庭環境もサラリと描かれていた。
2022年01月04日
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