ミッキーの気に入った作品(順不同)は ルオルオの怖れ、カマグロガ、牛久、ナオト、いまもひとりっきり2020、ヌード・アット・ハート……一つ見ると、はい、次とはいかないのがドキュメンタリーだ。困りごと相談に乗っているようで自分の気持ちが落ち着かせる為に、外に出てコーヒー屋に行ったりコンビニで菓子を買ったりして、2500歩ぐらい歩いてから、次を見るという生活状態で、1日4作品が限度だった。刺激的な7日間だった。
🎬『私はおぼえている』波田野州平監督/224分/2021年/日本プログラム
カメラに向かって鳥取の土地のことを10人のお年寄りの方々が記憶を辿って、当時の生活や周りの様子などを話してくれる。
見る方がゆっくり腰を落ち着けて味わうように話を聞くと10人10色のご苦労や貧しい時代の中にあった楽しみの見つけ方などをとつとつと話しかけてくれる。
漁師、開拓農家、戦争当時航空燃料をドラム缶一万本を山に大きな防空壕をつくり埋めた仕事をした話(その場所まで案内してくれた)、町の商店街で初めて総菜屋をした話、村一番の海女さんの話(男勝りのお年寄りでイカの刺身には醤油と生姜のすったものに砂糖を入れると旨い!と教えくれた)、カミキリ虫の幼虫を焼いて食べると薬になる話……もう一度ゆっくり見たいが公開がかなうだろうか。
🎬『ボストン市庁舎』フレデリック・ワイズマン監督、編集/アメリカ/274分/インターナショナル・コンペティション
多様な人種、文化が共存するボストン市民を警察、消防、高齢者支援、結婚、ホームレス支援、同性婚……数百種類のサービスを提供する市役所の仕事と、市民の幸せのために行動するウォルシュ市長、市役所の職員たちの姿を追っている。

ミッキーの住んでる地元市長さんが「金メダルの味見」をした方。比べるのも申し訳ないがボストンの市長さんは、ちょっと早口で長時間お話しなさっても声のトーンが澄んでいて耳ざわりが良い。これは政治家にとってすごく大切なことだ。ちなみに、今の日本の総理大臣はその点に置いて80点。合格点だ。
さてこのドキュメンタリー、長い……2回に分けてみたが前半だけ見てもボストンのいろいろがわかったような気がした。
多岐にわたっていろいろな映像が流れるが、大いに日本と違うところは、腹を割って「話し合う」訓練?ができている人が多いことだ。多様な国々が集まったところだから、違いを憎しみに対象にせずに理解した上で、住んでいるボストンをより良くしていこうと話し合っているように見えた。
★ボストンと京都は姉妹。古い街並みをゆっくり歩いて見たいものだ。