2021年10月11日
山形国際ドキュメンタリー映画祭をオンラインで(4)『牛久』『君が死んだあとで』『理大囲城』
詳しくは http://yidff.jp/
🎬『牛久』トーマス・アッシュ監督/日本/87分/2021年/日本プログラム
名古屋の出入国在留管理局でスリランカ女性が収容中に亡くなった事件はミッキー地元なので恥ずかしく思っていた。そしてこの『牛久』をみて、毎朝いく喫茶店で会う方が「国の政策だから名古屋だけじゃないよ」と言っていたのを思い出した。
命からがら紛争地域から逃れて日本来た人が4年以上牛久の入国管理センターに収容されている現実と、生活状況をつぶさに見せてくれた。テレビニュースの細切れの情報や文字だけの事件あらましでは到底想像すらできないことが映像で突き付けられた。
なんとかこの状況を打開しようとボランティアで闘う弁護士さんや民間の方、国会で取り上げてくれた議員さん等々に頭が下がった。
🎬 『きみが死んだあとで』代島治彦監督、編集/日本/200分/日本プログラム
1967年10月8日、当時の佐藤栄作総理大臣のベトナム訪問を阻止するための第一次羽田闘争。その中、18歳の山崎博昭さんが死亡する。死因は機動隊に頭部を乱打された、装甲車に轢かれたなど諸説ある。彼の死は若者たちに大きな衝撃を与えた。
山崎の死から半世紀以上経つ現在、彼の同級生たちや当時の運動の中心だった者たち14人が激動の時代の青春とその後の悔いを描いたドキュメンタリー。
これは今年の春に公開された作品。長いしコロナも心配で見なかった。
年代から言えばミッキーが生きてきた時代。今でもそうだが「政治」「スポーツ」にはとんと気持ちが向かず、音楽の大学だったので学生運動には一切関わりがなかった。亡くなった山崎博昭さんの事件もお名前も知らなかった。
ご遺族の無念さ、友人たちの言葉で「国の行こうとする方向」全体を理解することができた。当時の若者の顔に「侍の最後の眼差し」を見たような気がした。
🎬 『理大囲城』香港ドキュメンタリー映画監督の皆さん/香港/88分/2020年/。インターナショナル・コンペティション
逃亡犯条例改正・反対運動と香港との衝突が激化した2019年11月。重装備の警察に包囲されたデモ隊は、理工大学キャンパス内で11日間、籠城を余儀なくされた。安全の為に匿名の監督たちが内部から撮影。閉じ込められた学生たちが日に日に憔悴してゆく様子を捉えている。
逃亡犯条例改正は、香港で活動する活動家を身に覚えのない罪をでっち上げられて中国に引き渡すという懸念もあるところから反対運動が起こった。
香港警察は理大を包囲しても突入はしなくて、閉じ込めてしまった。その中には普通の交通人もいて泣き叫んでいた。
学生たちもは家に帰りたいが出れば逮捕されるので、不安や恐怖が伝わってきた。
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