中世のフランス。戦地から帰ってきたノルマンディー騎士カルージュ(マット・デイモン)の妻マルグリット(ジョディ・カマー)が、夫の旧友であるル・グリ(アダム・ドライヴァー)から暴行を受けたと訴えた。
密室の出来事の中、無実を主張したル・グリはカルージュと決闘によって決着をつける「決闘裁判」を行うことになった。
勝てば全てを手にするが、負ければ死罪。マルグリットは偽証の罪で火あぶりになる。

1386年の百年戦争さなかに実際にあったフランス史上最後の決闘裁判。三人三様の「真実」がパートに分けられて描かれているのでわかりやすく、最後まで置いてきぼりにならずストーリーに引き込まれた。
誰が真実を語っているのか、神の采配に、というわけだ。
当時の人々もカルージュとル・グリをめぐり真っ二つに分かれたらしい。600年以上経った今も、この決闘裁判の判決が歴史家たちの間で問題視されている。
★この裁判を調べてみたら、意外な事実がわかった。
ジャン・ド・カルージュが、ジャック・ル・グリが覆面をして自分の妻に乱暴をはたらいたとして決闘による裁判を申し込んだ。ル・グリは無実であると主張したが決闘を受け入れた。決闘の結果、ル・グリは敗者となって死に、カルージュの主張が認められた。
しかし後に、カルージュは覆面をした強姦魔は自分自身であったと告白❗️このためフランスにおいて決闘裁判は廃止された。
(えええ、嘘だろう……カルージュ、あなたは戦争に行っていたのでは?)