🎬『整形水』チョ・ギョンフン監督/韓国/85分/中川コロナにて
人気タレントのメイクを担当しているイェジは、幼い頃から顔に劣等感を持っていた。今はタレントのメイクを職業としているが、タレントからは嫌味を言われて、自暴自棄になっていた。
そんなイェジのもとに、業界で噂になっている「整形水」が届く。それは、顔をつけるだけで思い通りの容姿に変わることができて、後遺症も副作用もない奇跡の水だという。美しくなって新しい人生をと、整形水を試すが、しばらくすると周囲で不思議な出来事が起こるようになって……。
初日2回目、12人ほど入っていた。
整形なら韓国が一般まで普及していると聞いたのは約15年前。就職前に整形するのは珍しくないと聞いて信じられなかった。だから、この整形水というそそられる題名に愛知県でここだけしかやってない中川コロナまで来たわけだ。
アニメとも知らずに来てしまったが、アニメ以外では描けなそうにない展開。
父母には可愛がって育ててもらったイェジは「ブタ」と影では呼ばれているメーキャップさん。美しい女優にメイクを施している太めの女性だ。それが「整形水」の力で超々美人に。親も自分の娘と信じられないほどになる。
美への欲望がより一層強まっていくが心は安らげなくて、ついに……。
「整形水」の本当の目的も、オチもある。韓国ならではの展開だった。
🎬『クーリエ 最高機密の運び屋』トミニク・クック監督、製作/イギリス、アメリカ/112分/ミッドランドシネマにて
1962年10月、アメリカとソ連の対立は頂点に達しキューバ危機が勃発。英国人セールスマンのグレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)は、スパイの経験など全くないにも関わらず、CIAとMI6の依頼を受けてモスクワへと飛ぶ。そこで彼は、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の高官ペンコフスキー(メラーブ・ニニッゼ)と接触を重ね、機密情報を西側へと運び続けるが……。
キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた実話を基に、核戦争を回避するべく奔走する男たちの行動を描いたスパイ・サスペンス。
カンバーバッチのファンなら観ないとバチがあたる!ほどカンバーバッチさんは素晴らしかった。
2018年公開の韓国映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』を思い出した。 これも事実を基にした映画。北朝鮮の核開発で緊迫する韓国のスパイであった男が「実業家」をよそおい、北朝鮮の高官はもとより金正日に会うほどの信頼を勝ち得た男の物語だった。
今日観たのも事実が基になっているが、ベネディクト・カンバーバッチ演じるのはスパイなどとは関係のない英国人のセールスマン。
ひょんなことから、スパイ訓練されていないド素人がいいのではないかと、彼が選ばれたというわけだ。この危ない仕事を持ってきたのは彼の大得意さんだから断わることができず引き受けたわけだ。それからは彼の生活も人生さえも一変。妻はそんなこととは知らず、夫は浮気していると疑って暗い顔をしていたほどだ。
★最後、字幕でその後がわかるが、全編を通してその時代の緊張感が伝わって来た。
★ 2000年公開の『13デイズ』ケネディ大統領(ブルース・グリーンウッド)とオドネル大統領補佐官(ケビン・コスナー)らの水面下の働きで戦争を食い止められたことが具体的に理解できた。
2021年09月23日
この記事へのコメント
コメントを書く