ソウルにある家具会社ソニンに勤めていた49歳のジェボク(イ・ボンハ)は5年前に解雇され、それからずっと仲間数人と共にソウルの街頭で小屋がけして「一方的な解雇通知」に対して抗議活動をしていた。しかし裁判に負けてしまう。まだ闘争を続けることを仲間内で決めるが、ここで1週間ほど「休暇」を取り、二人の娘の住むアパートに帰ることにした。

闘争中とはいえマンネリ化していてビラ配りや短い演説をするぐらいで地味な活動で、男たちもしがないおっさん風だ。でも娘たちが住みアパートに帰ると汚くなった台所、風呂場、換気扇など丁寧に掃除している。食事も用意するがうるさい父親が帰ってきてうんざりしている娘たち。
大学の推薦が通ったから手付け金代を振り込んでと言われ、友人の経営する家具屋に1週間だけバイトに行く。工房の掃除も仕事も丁寧でずっと勤めてくれと頼まれても、娘たちからもう裁判は止めてこっちでちゃんと働いてと頼まれても、1週間後には仲間のために料理を詰めてソウルの小屋がけしている闘争現場に行く男。
そこで映画は終わっていた。何の先行きの変化もなく終わった。この終わり方が気に入った。ここで終わると決めた監督さんの勇気ある判断で、男の覚悟がわかった。これがミッキーの見た中で(まだ二つみていないが)一番の作品と思う。