🎬『名もなき歌』メリーナ・レオン監督、脚本/スペイン、アメリカ/97分/名古屋伏見ミリオン座にて
政情不安に揺れる1988年の南米ペルーに住むジャガイモ売りの貧しい先住民の女性ヘオルヒナ(パメラ・メンドーサ・アルピ)は、妊婦に無償医療を提供する財団のラジオニュースを耳にして慌てて書き留めて、首都リマのクリニックを受診した。ニュースのとおり無料だったので安堵した彼女は陣痛が来たので急いで再度、その病院に駆けつけた。
そこで彼女は無事に女の子を産むが、泣き声だけ聞いたものの直後に病院の外に出されてしまった。その後、娘を取り戻そうと奔走するが……。
初日2回目の上映で観たが10人ぐらいだった。地味なモノクロ作品で美男、美女など出てこない。しかしずっしりとした非情な現実が描かれていた。
夫とともに警察や裁判所に訴えるが貧しい夫婦の言うことは誰も聞いてくれない。ただ1人、新聞社の記者・ペドロ(トミー・パラッガ)が調べてくれた。
そのおかげで国際的な乳児売買組織の闇を知ることになる。
「生まれた子は死産でした」などと言われた妊婦もいたり、事件が解明されても「貧しい子でいるより幸せになってるから騒ぐことはない」と言われたりと、散々な言葉で女たちは諦めるしかなかった。最後の呟くような歌声、歌の内容で、胸がつぶれそうになった。
★これは実際にあった事件で、ペルーの女性監督メリーナ・レオンのデビュー作。アカデミー賞国際長編映画賞のペルー代表作品。
2021年08月01日
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